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2015年05月 アーカイブ

2015年05月29日

敷金、礼金の取り扱い

事務所や店舗を賃借した場合に、支払う敷金、礼金、仲介手数料は次のように取り扱います。

1.敷金

敷金とは、賃貸人(部屋の持ち主)に預けておくお金をいいます。

退去時の修繕・清掃費が発生した場合や、家賃の未払いが生じた場合に、その額を差し引かれて残額は返金されます。

預け金的性格のものであるため費用にはならず、「敷金・保証金」など資産の勘定科目で処理します。


2.礼金
 
礼金は、部屋を貸してくれる大家さんへお礼の意味で包んだことから始まったといわれています。

現在では、お礼として渡している人は少なく、部屋を賃借するための費用となっています。

礼金は「長期前払費用」などの勘定科目で処理し、決算時に償却計算をします。

①賃借期間(契約期間)が5年以上・・・・・5年間で償却(費用処理)

②賃借期間(契約期間)が5年未満・・・・・賃借期間で償却(費用処理)

礼金の金額が20万円未満の場合には支払い時に全額費用処理ができます。

この場合には「地代家賃」勘定などで処理します。

3.不動産屋に支払う仲介手数料等

仲介手数料は支払い時に全額費用処理ができます。

「支払手数料」勘定で処理します。


2015年05月28日

消費税は「届け出の税金」

消費税は「届け出の税金」と言われるとおり、いろいろな種類の届出書があります。

なかでも「○○選択届出書」と「○○選択不適用届出書」は、納税者の方からあえて提出する書類です。

「○○を選択した方が有利だ、○○を選択していたが取りやめた方が得だ」という見込みに基づく税金対策等に用いられます。

「消費税課税事業者選択届出書」と「消費税課税事業者選択不適用届出書」

消費税を納める義務がない者(免税事業者)が、あえて課税事業者になることを選択する届出書と、それを取りやめて免税事業者に戻るための届出書です。

例えば、大規模な設備投資を行う予定等がある場合には、課税事業者になっておけば、売上に係る消費税より仕入・経費に係る消費税の方が大きくなるため、消費税の還付を受けることができます。

ただし、いったん課税事業者を選択すると、最低2年間は選択不適用届出書の提出ができません。

「還付を受けられる」ということだけで判断するのではなく、複数年を通して有利か不利かを見極める必要があります。


「消費税簡易課税制度選択届出書」と「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」

消費税の課税事業者が、あえて簡易課税制度という計算方法を選択しようとする届出書と、それを取りやめて原則的な計算方法に戻そうとするための届出書です。

消費税は、原則として次の算式で計算します。

売上に係る消費税-仕入・経費に係る消費税=納めるべき消費税額

一方、簡易課税制度は、事業区分によってみなし仕入率を定め、算式中の「仕入・経費に係る消費税」の集計を簡便化する制度です。

売上に係る消費税-(売上に係る消費税×みなし仕入率)=納めるべき消費税額

計算方法が違いますから、当然納める消費税も違ってきますので、シミュレーションしてみるとよいでしょう。

一般的に、人件費率の高い業種は簡易課税を選択した方が有利だと言われています。

ただし、簡易課税制度を選択することができるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の課税事業者です。

また、いったん簡易課税制度を選択すると、最低2年間は選択不適用届出書の提出ができませんので、注意してください。


「消費税課税期間特例選択届出書」と「消費税課税期間特例選択不適用届出書」

消費税の課税事業者が、あえて課税期間を短くしようと選択する届出書と、それを取りやめて元に戻そうとするための届出書です。

消費税の課税期間は、個人事業者は暦年、法人は事業年度ですが、3か月ごと又は1か月ごとに短縮することができます。

近く消費税の還付が見込まれる場合に、課税期間を短くしておけば、すみやかに還付を受けることができます。

ただし、短くした課税期間ごとに消費税の申告をしなければならず、手間がかかります。

また、いったん課税期間を短くしてしまうと、最低2年間は選択不適用届出書の提出ができません。

届出書の提出期限

上記にご紹介した届出書は、この方法を選択したいと納税者の方からあえて提出するものですから、税務署に対する事前の意思表示が必要になります。
そのため届出書は、選択適用を受けたい又は選択適用を取りやめたい課税期間の初日の前日、つまり課税期間が始まる前までに提出しなければなりません。

たかだか一枚の書類ですが、提出期限までに提出したか否かで、納税額が大きく変わることもありますので、細心の注意が必要です。

2015年05月27日

退職金の前払

退職金の前払


社員から退職金を前払いして欲しいという要望があった場合、どのように扱われるでしょうか?

退職金の前払いについては、前払退職金と前借退職金と一般的に2通りの考え方があります。


① 前払退職金

前払退職金は、今現在退職したと仮定して金額を算出し、その算出金額を上限に給与又は賞与として支給するという方法です。

つまり、将来、退職時に受け取る分を在籍中でありながら前倒しで受け取るということになり、在籍中に会社から一部支給される何がしかの報酬(給与)として取り扱われることになります。

この場合の受取額は、退職所得ではなく、給与所得となり社会保険や課税の対象になります。

役員が対象の場合、定期同額給与に反すると、法人税法上は損金に認められず、否認されてしまいます。


② 前借退職金

前借退職金は、本人と会社が金銭貸借契約を締結して、将来、退職する際に受給する退職金額の一部を前借として本人に支給し、将来、退職する際の退職金で前借分を相殺するという方法です。

この場合の前借分の金額については、現在、退職したとして算出した退職金額を上限に設定することが一般的です。

この取扱いは、あくまでも退職金の前借ですので会社からの借入金ということになり、将来の退職時に前借分を返済するということになります。

この場合の受取額は、給与所得ではなく借入金ですので、課税や社会保険の対象にはなりません。
 

いずれの場合も、支払った時点では、退職金としての取扱いにはなりません。

退職金であれば、分離課税で、しかも優遇措置がとられていますし、社会保険料も控除されません。

税金・社会保険の点だけを考えると前払退職金制度は避けるべきですが、終身雇用の時代ではありませんし、ライフプランの多様化に応えるという点では、意味があると思います。

2015年05月26日

家内労働者等の必要経費の特例

家内労働者等の必要経費の特例

所得税の事業所得や雑所得の計算では、総収入金額から必要経費を差し引いて所得を算定することとなっています。

この必要経費は、原則的には、その年に債務が確定した金額を計上することとなっていますが、特例として、「家内労働者の必要経費の特例」という制度があります。

この制度では、その年の必要経費が少ない方でも65万円までは必要経費として認められています。

家内労働者

「家内労働者」とは、いわゆる「内職」や「在宅ワーク」のイメージの方です。

自宅を作業場として、メーカーや問屋などの委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。

厚生労働省のホームページによると、家内労働者の数は、全国で約13万人(平成23年現在)おり、そのうち女性が90.1%を占めます。業種別にみると、「繊維工業」に従事する方が30.2%、「その他(雑貨等)」が20.7%となっているそうです。

このような方は、一般的には必要経費があまりかからないようです。


案外広い適用対象者の範囲

この他にも外交員・集金人の方のほか、「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」がこの制度の適用対象となります。

「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」の例として、乳酸菌飲料の訪問販売員の方や、シルバー人材センターの業務に従事する方が挙げられます。

特例を受けるための手続き

この特例を受ける場合には、

①適用を受けた金額を青色決算書の「青色申告特別控除前の金額の所得金額」と申告書B第一表の「所得金額」前に〇で囲んだ「特」と記入、

②申告書B第二表の特例適用条文欄に「措法27」と記入の上、「家内労働者等の事業所得者の所得計算の特例を受ける場合の必要経費額の計算書」を添付した確定申告書を提出します。

2015年05月25日

青色事業専従者に対する退職金

青色事業専従者に対する退職金

個人事業者の所得の金額の計算上、青色事業専従者に対する退職金の必要経費算入は認められておりません。

所得税法では、専従者が受ける給与は給与所得の収入金額とするものとされています。

したがって、退職所得の収入金額とされるものは、専従者給与とすることを予定されていないと解されています。


専従者が利用できる共済制度

ただし、直接退職金を支払うことができなくとも、小規模企業共済や中小企業退職金共済(中退共)を利用することが考えられます。

実はどちらの共済制度も、従来は個人事業者の専従者の加入が認められていなかったものですが、平成23年より加入ができることとなりました。

この場合、小規模企業共済では専従者を「共同経営者」として、中小企業退職金共済では、専従者を「従業員」として加入することになります。

そのため、青色専従者の場合は、「共同経営者」か「従業員」かを選択せざるを得ないため、重複して加入することはできないこととなります。


小規模企業共済制度を利用する場合

小規模企業共済に加入する場合、青色事業専従者は「共同経営者」として自己が契約する形になります。

したがって、その掛金は青色事業専従者の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)を適用して、専従者の所得税額などを減らす形となります。


中小企業退職金共済制度を利用する場合

一方、「従業員」の立場で加入する中小企業退職金共済の掛金は、専従者給与を支払う個人事業者の事業所得などの所得の金額の計算上、必要経費に算入することになります。

退職金を直接支払う場合には、必要経費算入が認められていないのに、中退共の掛金が必要経費となることに疑問がないわけではないですが、他の従業員がいる場合に、すべての「従業員」が加入(普遍加入)して平等に取り扱われ、「従業員」性が担保されていることが前提となります。

どちらの制度も受取時には、一時金の場合には、退職所得(任意解約の場合は一時所得)、年金の場合には、雑所得とされます。

2015年05月22日

パート社員に新たな「106万円の壁」

現在の社会保険の加入ルールは、労働時間週30時間(正社員の労働時間の3/4)といった条件を満たした人が対象となっています。

平成28年10月からは、パート社員への社会保険(厚生年金、健康保険)の適用が拡大されます。

「労働時間週20時間以上、年収106万円以上、勤務期間1年以上(学生を除く)」で社会保険に加入することになります。

当面は、社会保険加入者501人以上の企業に勤務している方に限定されますが、今後は従業員が少ない企業にも広がっていくと思われます。

社会保険の加入対象となった場合の影響は、配偶者が会社員か自営業かで異なります。

また、厚生年金加入によって、将来の年金額も変わってきますので、何が有利かは一概には言えませんが、働き方を考えるポイントになりそうです。

2015年05月21日

税務申告書の提出期限

各種税務申告書には、提出期限が定められています。

ご存知の方も多いと思いますが、所得税の場合は3月15日です。

法人税の場合は、納付すべき法人税額の有無にかかわらず、原則として決算日の翌日から2か月以内に確定申告書を提出しなければなりません。

例えば、3月決算法人の申告書提出期限は5月31日、10月決算法人の申告書提出期限は12月31日ということになります。

では、提出期限が土曜日、日曜日、休日、国民の祝日に重なった場合は、どうなるのでしょうか。

休日等の場合の取扱いについては、国税通則法第10条第2項で、次のように定められています。

「国税に関する申告、申請、請求、届出その他書類の提出等に関する期限が、日曜日、休日等に当たるときは、これらの日の翌日をもってその期限とみなす」 

つまり、申告書の提出期限が休日等と重なった場合は、次の平日が提出期限とみなされるのです。

前述の例で置き換えてみますと、3月決算法人の申告書提出期限である5月31日が土曜日の場合には、次の平日の6月2日が提出期限となります。

10月決算法人の申告書提出期限は12月31日ですが、12月31日から1月3日までは休日扱いとなりますので、提出期限は1月4日になります。

さらに、もし1月4日が土曜日の場合には、次の平日である1月6日が提出期限となるわけです。

2015年05月20日

慰安旅行・研修旅行の取扱い

慰安旅行・社員旅行の税務上の考え方

最近は少なくなった慰安旅行、社員旅行ですが、一般には「福利厚生費」として取り扱われています。

このような行事は、

①役員・従業員が経営委任・雇用されている関係上、必ずしも希望しない行事に参加せざるを得ない側面があること

②役員・従業員が受ける経済的利益の金額が通常少額であること

③役員・従業員の慰安を図るため使用者が負担して行うことが一般化していること

から、その福利厚生行事が社会通念上一般的に行われるものと認められる範囲内のものである場合には、国民感情を考慮して「給与課税」を行わないこととされています。


従業員レクリエーション旅行の場合

従業員のレクリエーション目的の旅行の場合には、上記のように従業員等に供与する経済的な利益が少額なものについては、強いて課税しないという「少額不追及」の観点から、次の要件を満たすときは、給与として課税しないこととされています。

① 旅行の期間が4泊5日以内であること

② 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること

ただし、

①役員だけで行う旅行

②取引先に対する接待旅行

③実質的に私的旅行と認められる旅行

④金銭との選択が可能な旅行

は、給与や交際費として適切に処理を行う必要があります。


研修旅行の場合

研修旅行が会社の業務を行うために直接必要な場合には、その費用は給与として課税されません。

反対に直接必要がないものとされた場合には、給与課税されます。

次のようなケースでは、原則として会社の業務を行うために直接必要なものとは取り扱われません。

①同業者団体が主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行

②旅行のあっせん業者などが主催する団体旅行

③観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行


悩ましい「専従者」「家族従業員」の旅行

個人事業者が事業主と事業専従者だけで旅行した場合には、単なる「家族旅行」としての性格が強いものとみなされ、必要経費の算入が認められないケースがみられます。

客観的に「単なる家族旅行」と異なることを立証するには大きなハードルがあると言えるでしょう。

2015年05月19日

固定資産の譲渡時期

宅建業者が作成する不動産の契約書

不動産取引のプロである宅地建物取引業の方が関わる不動産取引では、契約締結前に「重要事項の説明」と契約締結後に「契約内容記載書面の交付」が行われます。

前者の説明の場面で示される書類―「重要事項説明書」は、宅建業法35条に規定する書面のため「35条書面」と呼ばれ、後者の書類は同法37条に規定する書面のため「37条書面」と呼ばれます。

それぞれ書面で記載する項目は異なりますが、37条書面の必ず記載する条項は次の通りとなります。

①当事者の氏名・住所

②物件の特定に必要な表示

③物件の引渡し時期

④移転登記申請時期

⑤代金等の額、支払時期、支払方法

なお、この必要的記載事項を記載した契約書であれば、それが37条書面として用いられます。


税務上の不動産譲渡損益の計上時期

ところで、税理士が税務判断の参考とする法人税・所得税の通達には、不動産の譲渡の時期は、次のように記されています。

法人が不動産を「固定資産」として譲渡する場合には、不動産の譲渡日は原則として「引渡し日」(土地等の引渡し日が明らかでないときは、①代金のおおむね50%を収受する日と②所有権移転登記申請日のいずれか早い日)、特例として「契約効力発生の日」が採られます。

なお、宅建業者自身が不動産を「棚卸資産」として譲渡する場合には、大量に反復的に取引が行われることから契約日発生基準を採用することはできず、引渡基準のみが適用されます。

個人の場合も、原則「引渡し日」、特例「契約効力発生日」ですが、法人のような「引渡し日」が明らかでない場合の代金の50%収受日等を「引渡し日」とする規定はありません。


収益計上時期が判断しやすい契約書

ここで、宅建業者の方の作成する契約書ならば、必要的記載事項として、これら通達で示された日が網羅的に示されていることが分かります。
実際の引渡し・代金支払状況によりますが、収益計上時期の判断がとてもやり易くなります。

親族間取引では、不動産取引に不慣れな方が契約書を作成する場面もあると思いますが、参考としてはいかがでしょうか。


2015年05月18日

平成27年前半の労働法関連改正項目

平成27年前半に施行される労働関連法

①パートタイム労働法  4月1日施行

ア、勤務内容が正社員と同一

イ、人材活用の仕組みが正社員と同一

この2つの条件を満たした時は正社員との差別的取り扱いが禁止されます。

また、雇い入れ時に労働条件や雇用契約更新についての説明義務が課されます。

②労働安全衛生法  6月1日施行

ア、受動喫煙防止対策努力義務

禁煙、分煙、喫煙室設置等

イ、重大な労災を繰り返す企業に対する特別安全衛生改善計画作成指示、勧告、公表制度


③労災保険料率の改定  4月1日施行

全54種平均1000分の4.8から1000分の4.7へ1000分の0.1引き下げられます。

また、1人親方の特別加入、海外勤務者の特別加入の改定もされます。

建設業の労務費率や請負金額の取り扱いの改正も決まっています。

なお、雇用保険料率は据え置きの方針です。

一般1000分の13.5、農林水産清酒製造1000分の15.5、建設1000分の16.5で変更無しの予定です。

④助成金・奨励金

「中小企業両立支援助成金」  2月1日施行

育児休業の復帰支援プランが新設、プランナーによる支援の下、復帰プランを策定、導入によって育休取得、職場復帰した場合に支給されます。

次の助成金も新年度に改正予定です。

「キャリアアップ助成金」

「トライアル雇用奨励金」

「労働環境向上助成金」

「キャリア形成促進助成金」

「建設労働者確保育成助成金」


⑤社会保険関連

ア、高額療養費制度  1月1日施行

70歳未満の所得区分の細分化

イ、年金       4月分より

昨年4月から実施されている年金額の特例水準の解消で、残る0.5%分の解消が行われて年金額が調整されます。

年金額は1月の全国消費者物価指数動向で決められます。


2015年05月15日

電気通信利用役務の提供

電気通信利用役務の提供

「電気通信利用役務の提供」とは、電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を解して行われる役務の提供をいいます。

現在、海外に事業所がある国外事業者からの電子書籍等の配信には消費税が課されていませんが、国内事業者からの配信には消費税が課されています。

そのため、同一の書籍の配信であっても、国外事業者A社は1,000円なのに対し、国内事業者B社は1,080円(税込み)という歪みが生じていました。

なぜ、国外事業者には消費税が課されなかったのでしょうか?

日本の消費税は国内において行った資産の譲渡や役務の提供に対して課税されます。

役務の提供は役務の提供が行われた場所が国内にあるかどうかで国内外判定を行うのが基本ですが、役務の提供が行われた場所が明らかでない取引(国内及び国外にわたって行われる役務の提供等)については、役務の提供を行う事業者の事務所等の所在地が国内にあるかどうかで判定されます。

したがって、国外事業者からの電子書籍等の配信は国内取引ではないとされ、消費税は課されていませんでした。

この電気通信役務の提供に係る内外判定について、「役務の提供に係る事務所等の所在地」から「役務の提供を受ける者の住所地等」に見直しがされました。

その結果、国外事業者による電子書籍等の配信についても平成27年10月からは消費税がかされることになります。

2015年05月14日

相続税の申告要否判定コーナー開設

今年1月から相続税の基礎控除が大幅に引き下げれられるなどの課税強化が行われ、相続税の申告が必要となる方が全国で大幅に増えると見込まれています。

そこで国税庁は11日、相続税の申告手続きが必要かどうか判定できるシステム「相続税の申告要否判定コーナー」を国税庁ホームページに公開しました。

このシステムでは、法定相続人の数や相続する財産及び債務等の金額を画面の案内に従って順番に入力していくと、遺産が基礎控除額を超え相続税の申告が必要かどうかが判断できるようになっています。

入力した結果は「相続税の申告要否検討表」という一覧表形式で印刷する事ができるほか、データ保存することもできます。


ただしこのシステムは、平成26年12月31日以前に相続開始となった場合、相続する財産の金額等が100億円以上の場合、小規模宅地の特例や配偶者の税額軽減の特例などを適用したい場合には、判定することができません。


あくまでも申告の要否を判断する目安となるシステムですので、相続税の税額がいくらになるかまでは計算されませんが、興味のある方は国税庁のホームページをのぞいてみてはいかがでしょうか。

2015年05月13日

人事関連の事務

人事とは雇用される人に関する仕事

人事とは「人に関する事」を行う仕事ですが、仕事の大きな流れとしては人材の採用から始まり、社員を有効に活用、育成してレベルアップしていくことで会社の経営目標を達成させる仕組みを生み出し、継続してゆく役割を担っています。

仕事に対する社員の意欲を引き出して経営目標を達成することは重要な仕事です。

一方で社員の働く環境を整備していくことも求められています。

人的資源の有効活用を推進する

社会保険事務や給与計算、福利厚生等アウトソージングしているところも増えていますが、今人事部に求められるのは経営スタッフとしての企画機能です。

個別人事管理はもとより、諸制度の運用、人的資源の活用、あるいはコストの管理等、また、人事部は人事権と言う権限があり、採用、処遇、人事考課、異動、機密事項等重要な事項を扱いますが、現場との意思疎通も大事にしなくてはなりません。


人事の主な仕事

①採用・・・・要員計画を立て、社員、パートタイマー等の採用計画、面接や試験の実施、内定者フォローなどを行います。


②配置・異動・・・・新入社員の配置、社員の人事異動の事務処理


③教育・研修・・・・教育研修の立案、実施、フォロー、職場単位のOJTの指導、自己啓発等の支援


④社会保険事務・労務管理事務・・・・社会保険の加入から退職までの手続きや給付の請求、保険料の徴収、納付等また、労務管理においては労基法や他の法令に基づく人事管理の運用、就業規則や労使協定の労基署への届出等


⑤賃金に関する事・・・・タイムカードの集計から賃金計算、振込、保険料や源泉税納付、年末調整事務もあります。

これらは経理部が行う場合もあります。

人事考課や人事評価を行い給与や賞与の査定を行うこともあります。

⑥退職・・・・退職、定年、解雇に関する手続きを行います。


2015年05月12日

税務における一事不再理

一事不再理とは

刑事事件では、判決が確定したなら、同一事件については再度審理を許さないことになっています。

これを一事不再理といいます。
税務訴訟では、行政処分の違法性一般、租税債務総額の適否が訴訟の内容とされているので、講学的に「総額主義」と言われ、確定判決については、完全な一事不再理となります。

従って、その後に税務申告の違法が発見されても判決により確定した税額を変更することはできません。

再更正と再調査

税法では、更正処分がなされたあと、再度の再更正処分や再々更正処分がなされ得ることとされています。

再更正処分は「調査により」行うこととされているので、一度なされた調査のあと、再調査が行われることになります。

ここには、一事不再理はなさそうです。

しかし、何度も何度もの税務調査や更正処分を行うことができるのだとすると、権力による嫌がらせが許されてしまうように見えます。

でも、税務調査が終了し、更正処分や修正申告がなされた後、あるいは審判所の裁決が出た後、それを覆すような再更正が行われることはありません。


同一情報下での一事不再理

税法では、再調査は「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」にのみ行うこととされています。

ここにいう「新たに得られた情報」とは、先の調査の時点では想定外の情報と言わざるを得ないようなもので、反面調査などで出てきた思いがけない反面資料などが推測され、また、通達の例示として移転価格のみの調査を行った後に移転価格調査以外の部分の調査を行うとき、としています。

すなわち、既に有する情報だけでは再度の税務調査を行うことはできませんので、その限りでの一事不再理となります。

理由附記不備と一事不再理

従って、納税者から理由附記不備を指摘された更正処分について、「すかさず理由附記の完全な更正処分をし直す」ということは当然にできません。

上記の通り、「調査抜きの更正処分が許されず、再調査には新たな情報の取得が前提」とされているからです。

2015年05月11日

所得税法における貸倒損失

所得税法における貸倒損失

所得税法における貸倒損失は、その回収不能となった債権が事業的規模の業務により生じたものなのか、事業的規模に至らない業務により生じたものかにより処理の仕方が異なります。

個人事業が事業的規模である業務に係る債権の貸倒れに係る損失は、その債権が回収不能となった年分の必要経費とされます。 

一方、事業的規模に至らない業務に係る貸倒れについては、

①売掛・未収債権(収入金額に計上されている債権)であるか

②貸付金債権・立替金等の元本債権であるかの別により取扱いが定められています。


業務的規模で売掛債権が回収不能の場合

その個人業務に係る各種所得の収入金額としていたものが回収不能となった場合(売掛金や未収入金に貸倒れが生じた場合)には、その所得の金額のうち回収不能となった部分は、貸倒れの生じた年分の必要経費とはなりません。

その発生した年分の「収入がなかった」ものとみなされるのです。

「貸倒れでも、収入がなかったでも、同じことではないのか?」と感じられるかもしれませんが、遡及処理を行うという点で両者の処理は異なります。

すなわち、その年中に売掛・未収債権が貸倒れとなった場合には、その年の収入から、除外すればよいだけなのですが、過年度に計上されている売掛・未収債権は、その収入計上した年分に遡及して、その所得が「なかったもの」とされるのです。この場合、その事由が生じた日(貸倒れが発生した日)の翌日から2か月以内に更正の請求(後発的事由に基づく更正の請求)を行うことになります。

なお、この取扱いは業務用の債権にとどまらず、譲渡所得や給与所得の収入金額が回収不能となった場合にも適用されます。


業務的規模で貸付債権が回収不能の場合

事業的規模に至らない業務の貸付金・立替金等の債権について貸倒れが生じるケースとしては不動産所得・雑所得が該当しますが、その損失が発生した年分のその債権に係る不動産所得・雑所得の金額を限度として、必要経費とされます。

業務に関連しない貸付金の貸倒損失についても、雑所得の金額を限度として、残額は切り捨てられます。

2015年05月08日

企業のメンタルヘルスの取り組み

心の病の増減傾向

2014年の6月から8月に実施された上場企業約2500社に対しての「メンタルヘルスへの取り組み」に関するアンケート結果が日本生産性本部のメンタルヘルス研究所より発表されました。

この調査は1年おきに行われ、今回は7回目となります。


メンタルヘルスの最近の傾向

最近3年間に心の病が増加していると回答したのは29.2%で前回調査より8.2%減じています。

横ばいは58.0%(前回比6.6%増)でした。

過去8年間の結果を見ると「増加傾向」は減少したが、「減少傾向」まで至っている企業は10%にもなっていないのが実情です。

「横ばい」とする企業は約6割と半数以上を占めています。

年齢別では心の病にかかる一番多い年齢層は30代で38.8%(同3.9%減)、40代が32.4%(同3.8%減)となっており、前々回の調査では30代が6割程度と非常に高かったのですが、今回は40代にもまたがっています。

また、10代から20代は18.4%と少ないものの対象者が少ない割には高率と言えます。

若年から中年まで心の病が平準化してきています。


組織風土と心の病の関係

心の病が「増加傾向」と答えた企業では「個人で仕事をする機会が増えた」と答えた人が52.1%、「職場の助け合いが少なくなった」については49.3%、「職場のコミュニケーションが減った」は58.9%でした。

心の病が「増加傾向」の組織では従業員の孤立した状況を示す質問の肯定率が「横ばい」、「減少」の組織より多かった事が明らかになっています。

心の病を減らすには従業員の声が事業開発や業務運営に反映されたり、異なる雇用形態の人とのコミュニケーションがスムーズに運ぶなどチームから孤立させずメンバーシップを確保し、組織内の垣根を越えたコミュニケーションを広げてメンバーシップを拡大することが大切でしょう。


2015年05月07日

マイナンバーのマスキング

住民票コードのマスキング

住民票を取り寄せると、住民票コードという欄があることを確認できます。

しかし、その欄は記載省略または空欄になっています。

本人または同一世帯員から住民票コードを記載することを「請求」されない限り、住民票の写しに記載されないことになっています。

代理人による請求の場合は、「住民票コード記載」の旨が明記された委任状が必要で、その場合でも、直接代理人に「住民票コード記載の住民票」を渡すことはなく、請求者本人の住所に郵便で送付されることになります。

マイナンバーのマスキング

源泉徴収票などにマイナンバー記載欄が設けられことになりましたが、住民票と同じく、その交付時にはマスキングして空欄にするべきで、電算処理ではそのようにシステム構築することが望まれます。

マイナンバーを記載することが期待される文書は、民から官、官から官へ渡されるものであって、民から民、官から民へ渡されるものには番号情報は不要で、むしろ他人に情報を不用意に開示することを防止するためにも非開示でなければなりません。


マイナンバーの管理

住民票コードは日本国内の全住民に通知されているのですが、自分に通知された番号を管理していて、知っている人は滅多にいないと思います。

マイナンバーもある程度は同じことになります。

そして、その開示・提供を強制することはできません。

源泉徴収票等の発行者についても、マイナンバーが記載されるようにすることは、努力義務とされてはいるものの、他人に強制するような努力までは要求されていません。

個人事業者のマイナンバー

法人のマイナンバーは登記簿の番号を基礎としており、公表されることにもなっているので、源泉徴収票等発行社としてのマイナンバー記載に特に不都合はありませんが、税理士も含め個人事業者の場合は、発行する源泉徴収票等の発行者名の欄に個人のマイナンバーをも記載することになるので、民から民への交付となるものには、マスキングしておく必要があります。

2015年05月01日

税理士試験

税理士試験は、会計学に属する2科目 (簿記論及び財務諸表論)と税法に属する3科目の合計5科目に合格しなければなりません。

税法に属する科目は、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税の9科目で、受験者が選択することができます。(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)

1番の特徴は、科目合格制という制度をとっていることです。

受験者は1度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっているので、お仕事をしながら受験されている方も多くいます。

税理士試験は年に一回行われます。

平成27年度のスケジュールは下記の通りです。

受験申込用紙の交付  平成27年4月16日(木)~平成27年5月22日(金)

受験申込受付     平成27年5月12日(火)~平成27年5月22日(金)

試験日        平成27年8月18日(火)~平成27年8月20日(木)

合格発表予定日    平成27年12月18日(金)

税理士試験受験者は、通常前年の9月から受験科目の勉強を開始します。

ゴールデンウィークは(受験)直前期と呼ばれる期間の始まりであり、8月の試験まで勉強の日々が続きます。

例年試験日は8月の第1週目でしたが、今年はお盆明けとなっています。

これを喜ぶべきか、悲しむべきか・・・

今年も後10日程で受験申込受付が始まります。

暑く、長い夏の始まりを感じます。

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