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2012年09月 アーカイブ

2012年09月28日

ホームページの制作費用

ホームページの制作費用は、そのホームページにプログラムが組み込まれているか否かによって、取り扱いが異なります。

ホームページは、事業内容や取扱商品をPRするために作られることが一般的で、定期的に内容を更新していくものです。

制作費の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時に経費(広告宣伝費など)とすることができます。

ただし、1年以内に更新を行わない場合には、繰延資産として使用経過期間に応じて均等償却することになります。

これに対して、ホームページの中には、オンラインショッピングができたり、商品の検索機能を持っていたりするものもあります。

このような高機能ホームページを作るには、通常のホームページの制作に加え、プログラムの構築が必要になってきます。

このプログラム部分については、ソフトウェア(無形減価償却資産)になりますので資産計上し、耐用年数5年で減価償却をしなければなりません。

業者からの請求書や見積書など、金額が区分して書かれているかを確認し、ホームページ部分は経費として、プログラム部分は資産として計上しましょう。

内訳が明確に区分されていない場合には、その全額を資産に計上することになりますので、ご注意ください。

2012年09月27日

給与額改定と随時改定

標準報酬月額が決まる時期

社会保険料を決める標準報酬は

①入社時

②毎年4月、5月、6月の賃金を平均して決定する定時決定

③報酬が大幅に変動した時に改定する随時決定

④育児休業終了時

の4つのタイミングで決定されます。

定時決定は算定基礎届を提出し、当年9月から翌年8月まで決定した標準報酬が適用されます。

途中、昇給等で報酬の額が著しく変動した場合は、その月以降継続した3か月の報酬の平均額を基に、4か月目から標準報酬を改定するために、月額変更届を提出します。

これを随時改定といいます。

月額変更届の対象者

次の3つの要件すべてに該当した時は随時改定の対象者となります。

①固定的賃金の変動または給与体系の変更

②変動月以降継続した3か月の報酬の平均額と現在の標準報酬月額とが2等級以上の差があるとき

③変動月以降継続した3か月の支払い基礎日数がすべて17日以上あるとき

固定的賃金の変動、給与体系の変更とは

①昇給または降給

②家族手当、住宅手当、通勤手当等の固定的手当の新たな支給や額の変動

③日給・時給等の単価の変更

④日給が月給に、月給が歩合給等に変更

なお、休職による休職給は該当しませんが、会社のレイオフによる休業手当が2等級以上の差がある時は対象になります。


固定的賃金と非固定的賃金

固定的賃金とは稼働や能率に関係なく一定額(率)が継続して支給されるもので、非固定的賃金とは残業代や精皆勤手当、能率手当等稼働実績で支給されるものを言います。

また、固定的賃金が変動したとしても、対象の3か月平均額の変動の向き(上昇又は下降)が同じでない場合は随時改定にはなりません。

例えば、降給したのに残業代が増え、平均額が2等級以上あがってしまったというようなケースは該当しません。

さらに月に17日以上の勤務日数があることが要件となっていますが、パートタイマーの場合は、17日以上の月がない時は、15日以上ある月を平均します。

その場合は届出の備考欄に「パート」と記載しておきます。

2012年09月26日

アメリカの税務調査

匿名召喚状(John Doe Summons)


日本と異なり、アメリカには、裁判所の召喚状に基づいて行う税務調査(summons サモンズ)があります。

サモンズは第三者調査に有効な制度です。

対象が幅広く、スイスUBS銀行やHSBC(香港上海銀行)へのサモンズに象徴されるように海外に向けても発せられます。

これは、匿名召喚状(John Doe Summons)という調査対象者を特定するための手法で行われます。

タックスヘイブンの守秘義務を売りにしていたこれらの銀行商売に風穴を開けたので、世界的に話題になりました。


外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)

なお、アメリカは、海外金融機関からの情報の収集の仕方を来年1月から一段とエスカレートさせることにしています。

これは、外国のすべての金融機関に、米国人の口座情報を米当局に届け出るように求める外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)の施行です。

情報提供を拒むなら、米国の制裁を避けてドル決済をしなければならず、ドル建て取引が当たり前の国際環境の中では、それは事実上不可能に近いことになります。


FATCAへの日本の対応

日本の場合、個人情報保護法を遵守するとなると、口座名義人の同意なく米当局に情報開示ができないので、日本政府向けに個人情報を開示して、米当局には日米の租税条約に基づき政府が情報提供する仕組みにしました。

UBS事件の時、スイスの銀行と政府の採った手法です。


マネーロンダリングにも注意

アメリカは従来からマネーロンダリング(不正資金洗浄)には厳しい態度をとっており、最近では、「HSBCが、メキシコ、サウジアラビア、バングラデシュなどの現地法人から、不正疑惑巨額資金を米国に送金し、麻薬組織やテロリスト・ネットワークに便宜を供し、対イラン制裁を回避するイランへの送金隠しなどをしている」として、10億ドル超の制裁金を科す模様と報道されています。

米同時テロ以降、「ルールに従わなければ米金融市場から閉め出す」という姿勢は民主、共和両党ともに共通で、外銀の米業務における税務法務リスクは格段に高くなっています。

2012年09月25日

交際費とその他の経費

福利厚生費との区分

福利厚生費とは、一般には従業員の生活の向上と労働環境の改善のために支出する費用のうち、給与・交際費・資産の取得価額以外のものとされています。

具体的に、次の費用は、交際費等から除かれ、福利厚生費とされます。

①もっぱら、従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用

②創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用

③従業員等(従業員等であった者を含みます。)またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります。)

これらは、「通常要する費用」程度のものでなければいけませんので、料亭での豪華な食事など、世間一般の常識を超えるものについては、福利厚生費とは認められないでしょう。


寄附金との区分

寄附金とは、金品、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与をいいます。

一般的に寄附金、拠出金、見舞金などと呼ばれるものは寄附金に含まれますが、これらの名義であっても、交際費等とされるものは寄附金から除かれます。

したがって、金銭や物品などを贈与した場合に、それが寄附金になるのか、交際費になるのか、個々の実態をよく検討した上で判定する必要があります。

ただし、次のような事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄附金になります。

①社会事業団体、政治団体に対する拠金

②神社の祭礼等の寄贈金

交際費は、「得意先や仕入先など事業に関連する者に対して、取引関係の円滑な進行など、何らかの見返りを期待して支出するものである」のに対し、寄附金は、「事業との関連性がない者、希薄な者に対して、見返りなどの反対給付を期待せずに支出するもの」といえます。

2012年09月24日

人事考課対策

人事考課では、考課者(課長など)が、被考課者(部下)の仕事のプロセスや結果に表れた業績・発揮能力・意欲を、事実に基づいて的確に考課することが求められています。

しかしながら、考課者によって、厳しい考課をする傾向、甘い考課をする傾向、あまり考課の差をつけず平均的考課をする傾向など、バラツキが起こりがちです。

そのような考課のバラツキを放置すると、会社が定めた人事考課基準に従った的確な考課が行われなくなり、社員からも人事考課制度に対する信頼感、考課に基づく賃金・昇進などの実施、結果に関する公平感・納得感が無くなり、恒常的なモラル低下が生じてしまいます。


考課のバラツキ原因

考課のバラツキを少なくするには、一般に次のような原因で考課の誤りが起こることを知る必要があります。

①人事考課とは「人を評価する」のではなく、「仕事の結果やプロセスを、考課要素別に事実に基づいて考課する」ことであるなど、考課の基本知識の不足

②考課実務の習熟不足で会社が定めた基準に基づく的確な考課ができない。

③次のエラーによる考課の甘辛傾向

・“ハロー効果”:ある考課項目のハロー(後光)が強く、他の項目が影響を受ける。

・“寛大化傾向”:実際には考課差が大きいのに、高めの考課に集まる傾向。

・“中心化傾向”:実際には考課差が大きいのに、中心に集まる傾向。

・“論理誤差”:「責任感」があれば「規律性」も高いはずだ、など、実際には異なる考課を同一と見てしまう。

・“対比誤差”:自分との対比で被考課者の優劣を見てしまう。


経営者による考課のバラツキ対策

経営者は人事考課の実務運用が誤って行われると、社員のモラル低下、大切な人的資源の毀損につながる重大性を考慮し、人事考課運用担当部門に指示して次のような対策をとると良いでしょう。

1.役員・管理者を対象とする「人事考課の基本知識」の周知

2.管理者など考課者を対象とし、自社の実在モデル(職場別に在籍する社員)のケースを使った「考課実習」を行う。

2012年09月21日

インフルエンザの予防接種費用

加入する健保組合から、先日、インフルエンザ予防接種の予約受付案内が届きました。


もうそんな時期なのですね。

今回は、インフルエンザ予防接種費用の取り扱いについて取り上げてみました。


1.個人が接種費用を負担する場合

インフルエンザ予防接種など疾病の予防のために要した費用を個人が負担した場合は、原則として医療費控除の対象にはなりません。

人間ドックなどの健康診断のための費用が対象から外れるのと同じで、医師等の診療や治癒に係る費用ではなく、予防のための費用だからです。


2.会社が接種費用を負担する場合

予防接種費用を会社が負担する場合、従業員が一定の基準で選別されることなく、希望する者全員が予防接種を受けることができるのであれば、従業員に対する福利厚生費となります。

通常、会社が指定する医療機関等で受けることが多いと思いますが、最寄りの医療機関で接種を受ける場合であっても、その接種費用が領収書等によって現金精算されるのであれば、福利厚生費とすることができます。

これに対し、「一定の役職以上」などといった基準で選ばれた従業員等が予防接種を受け、その接種費用を支払った場合は、その支払われた接種費用は、従業員等に対する給与等として取り扱われてしまいます。

2012年09月20日

新高速乗合バス制度

高速ツアーバス、許可制導入の流れ

今年4月、関越自動車道で7名の命を奪う痛ましい事故が起きました。

これを受け、国土交通省では、高速ツアーバスの厳格な制度設計と安全性確保のため、新たに新高速乗合バス制度を設計し、早期に新制度への移行を促す旨を発表しました。


高速乗合バスと高速ツアーバス

一般的に言う高速バスには、高速乗合バスと、高速ツアーバスとの2種類が存在しており、これらは業態が酷似しているにも関わらず、各々別の法律により管理されています。

高速乗合バスの運行は、道路運送法の下、国土交通省から一般乗合旅客自動車運送事業の許可を得ることで運行することができ、運行ダイヤや停留所の設置などについて細かく管理されています。

安全面の配慮からこうした制限があるわけですが、運賃の価格についても変更時には原則30日前に届け出る必要があったりと、供給量や価格設定の面では柔軟な対応が困難でした。

これに対し、高速ツアーバスは、旅行業法に基づくパック旅行商品であり、旅行会社がツアーを企画し、貸切バス事業者にその運行を委託するというものです。

道路運送法による許可の対象外であるため、各社で運行ダイヤや価格設定が柔軟に行える一方で、停留所設置の義務がないなど安全面には課題が山積みとされてきました。

今回の事故では、ここ数年の価格競争の激化に加え、仲介業者による手数料の差し引きで更に人件費や安全整備に対する経費を圧迫していたことが、大きな要因の一つとして指摘されています。


新制度移行と各業界への影響

こうした問題点から、国土交通省が新たに設計した新高速乗合バス制度では、高速乗合バスと高速ツアーバスを一本化し、仲介業者の介在を規制、また旅行会社が貸切バス事業者に委託する場合についても許可の取得を奨励しています。

一方で、同省は高速ツアーバスが行ってきた柔軟な供給調整・価格設定は長所と評価し、既に7月31日に発表した国土交通省令では、軽微な料金変更の事前届出期間を変更前30日から7日まで短縮することを認めました。

新制度への移行は1年以内を目標としており、今後徐々に周辺省令等が改正され具体化することが予想されます。

しかし、これにより事業運営の大幅な見直しを余儀なくされる事業者の続出も懸念されていることもあり、制度が確立するまでにはまだまだ波乱がありそうです。

2012年09月19日

交際費と広告宣伝費との区分

法人が、多数の者に配布することを目的とし、広告宣伝効果を意図する物品で、その価額が少額であるものは、広告宣伝費として扱うことができます。

例えば、カレンダー、手帳、うちわ、タオルなどが該当します。

また、不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用も、広告宣伝費となります。

次に掲げる費用が該当します。

●製造業者または卸売業者が、抽せんにより、一般消費者に対し、金品を交付するための費用、または一般消費者を旅行、観劇等に招待するための費用

●製造業者または卸売業者が、金品引換券付販売に伴い、一般消費者に対し、金品を交付するための費用

●製造業者または販売業者が、一定の商品等を購入する一般消費者を、旅行、観劇等に招待することをあらかじめ広告宣伝し、その購入した者を旅行、観劇等に招待する場合のその招待のための費用

●小売業者が、商品の購入をした一般消費者に対し、景品を交付するための費用

●一般の工場見学者等に、製品の試飲、試食をさせる費用(これらの者に対する通常の茶菓等の接待の費用を含みます。)

●得意先等に対する見本品、試用品の供与に通常要する費用

●製造業者又は卸売業者が、自己の製品またはその取扱商品に関し、依頼に基づき、継続的に試用を行った一般消費者または消費者動向調査に協力した一般消費者に対し、その謝礼として金品を交付するための費用

ただし、製造業者や販売業者が事業者を対象として行う場合(例えば、医薬品の製造業者が医師や病院を対象とする場合など)は、「一般消費者」には当たらないので注意が必要です。

また、特定の者に対するもので、広告宣伝効果というよりは、贈答、謝礼を意図する金品の交付等は、交際費等となります。

2012年09月18日

有償減資

会社法の位置づけ

会社法では、減資は「無償減資のみ」と位置づけられています。

旧商法のような直接的な資本金の払戻しによる有償減資はありません。

具体的には、資本金の減資とは、減少する資本金を「その他資本剰余金」または「資本準備」への振替することを意味します。

簿記上、仕訳で表すと次のようになります。

「資本金××/その他資本剰余金××」又は「資本金××/資本準備金××」

したがって、減資前と減資後の「純資産の部」の内部の変動だけで、純資産の部そのものの額には、何ら変動はありません。

会社法では、有償減資ができなくなったのか、というとそうではなく、「無償減資+剰余金の配当」として位置づけることで可能となります。

この場合の「剰余金の分配」は、利益剰余金の配当ではなく、その他資本剰余金の配当です。

仕訳で表すと、まず、「資本金××/その他資本剰余金××」、次に「その他資本剰余金××/現預金××」となります。

法人税の位置づけ

法人税では、資本の払戻し、すなわち資本剰余金を原資とする配当であっても、払戻し法人に利益積立金が存する限り、みなし配当を認識することとしています。

具体的には、資本の払戻し(資本剰余金を原資とする配当)は、

①資本の払い戻しとなる資本等の金額の減少部分と

②配当の支払いとみなされる利益積立金の減少部分とに分けて取り扱われます。

①の資本金等の額の減少(減資資本金額)は、次の算式で求められます。

減資資本金額=払戻し直前の資本金等の額×減少した資本剰余金/前事業年度末簿価純資産価額

②の利益積立金の減少(みなし配当額)は、払戻した交付金銭等の額が上記①の資本金等の額を超える場合の、その超える部分の金額となります。

以上の処理を税務上の仕訳で表すと次のようになります。

資本金等の額×× / 現預金××
利益積立金 ××
(みなし配当)

したがって、有償減資の実施にあたって、その処理において、会社法との違いが生じることから申告調整が必要となります。

会社法と法人税の有償減資

会社法の位置づけ

会社法では、減資は「無償減資のみ」と位置づけられています。

旧商法のような直接的な資本金の払戻しによる有償減資はありません。

具体的には、資本金の減資とは、減少する資本金を「その他資本剰余金」または「資本準備」への振替することを意味します。

簿記上、仕訳で表すと次のようになります。

「資本金××/その他資本剰余金××」又は「資本金××/資本準備金××」

したがって、減資前と減資後の「純資産の部」の内部の変動だけで、純資産の部そのものの額には、何ら変動はありません。

会社法では、有償減資ができなくなったのか、というとそうではなく、「無償減資+剰余金の配当」として位置づけることで可能となります。

この場合の「剰余金の分配」は、利益剰余金の配当ではなく、その他資本剰余金の配当です。

仕訳で表すと、まず、「資本金××/その他資本剰余金××」、次に「その他資本剰余金××/現預金××」となります。

法人税の位置づけ

法人税では、資本の払戻し、すなわち資本剰余金を原資とする配当であっても、払戻し法人に利益積立金が存する限り、みなし配当を認識することとしています。

具体的には、資本の払戻し(資本剰余金を原資とする配当)は、

①資本の払い戻しとなる資本等の金額の減少部分と

②配当の支払いとみなされる利益積立金の減少部分とに分けて取り扱われます。

①の資本金等の額の減少(減資資本金額)は、次の算式で求められます。

減資資本金額=払戻し直前の資本金等の額×減少した資本剰余金/前事業年度末簿価純資産価額

②の利益積立金の減少(みなし配当額)は、払戻した交付金銭等の額が上記①の資本金等の額を超える場合の、その超える部分の金額となります。

以上の処理を税務上の仕訳で表すと次のようになります。

資本金等の額×× / 現預金××
利益積立金 ××
(みなし配当)

したがって、有償減資の実施にあたって、その処理において、会社法との違いが生じることから申告調整が必要となります。

2012年09月14日

厚生年金保険料率の改定

厚生年金の保険料率は、平成16年の厚生年金保険法の改正により、同年から平成28年まで、毎年9月に、段階的に引き上げられることになっています。


平成24年9月分(10月納付分)からの平成25年8月分までの一般被保険者の保険料率は、今までの16.412%から0.354ポイント引き上げられ、16.766%になります。


では、給与計算において、新しい保険料率をいつから適用すればよいでしょうか。

9月分の社会保険料は、10月末の納付時期に合わせて10月に支給する給与から控除するのが、一般的な計算方法です(前月分徴収)。

そのため、保険料の変更は10月分の給与計算からになります。

しかし、9月分の保険料は、あくまでも9月に支給する給与から控除する、という方法(当月分徴収))の会社もあります。

その場合の保険料の変更は、9月分の給与計算からとなります。


給与計算を行う際は、自社がどちらの方法を採用しているか、あらためて確認するとよいでしょう。

また、給与ソフトをお使いの方は、メーカーによって、料率改定を手作業で行わなければならない場合があります。

ホームページを確認する等して、ご対応ください。

2012年09月13日

実子と養子

民法と相続税

民法では、養子の数に制限をもうけていませんが、相続税では、相続人に養子がいる場合の法定相続人の数に含める養子の数を制限しています。

理由は、養子の数が増えると次のような税負担の軽減が図られるからです。

①遺産に係る基礎控除額が大きくなる

②累進税率が緩和され相続税の総額が縮減される

③保険金の非課税限度額が大きくなる

④退職手当金の非課税限度額が大きくなる


制限される養子の数

被相続人に養子がある場合には、次の区分により「法定相続人の数」に含める養子の数が制限されます。

・相続人に実子がいる場合・・・・1人

・相続人に実子がいない場合・・・2人

なお、この制限措置は、民法上の養子縁組の効力や養子に相続人としての地位を否定するものではありません。

あくまで相続税の計算上の措置にすぎないので注意が必要です。

養子であっても実子とみなす場合も

民法上は、被相続人と養子縁組により養子になった者であっても、次の養子は、相続税の課税上、実子とみなし、法定相続人に含める養子の数の制限の対象から除外しています。

①民法の特別養子縁組による養子なった者

②被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子になった者

③被相続人との婚姻前に被相続人の配偶者の特別養子縁組による養子となった者でその被相続人の養子となった者

④被相続人の実子若しくは養子又は直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため相続人となったその者の直系卑属

上記、②又は③のいわゆる配偶者の連れ子養子については、被相続人とその配偶者との婚姻後にその被相続人の養子となった者に限られます。

したがって、被相続人と配偶者との婚姻前に被相続人と養子縁組をしても、それは実子とみなさる養子ではなく、通常の養子として取り扱われます。

なお、被相続人の配偶者の死亡後その配偶者の子と養子縁組をした場合には、姻族関係を終了させて後の養子縁組でない限り、被相続人の配偶者の実子(特別養子も含む)で被相続人の養子となった者、すなわち実子とみなされる者に該当します。


2012年09月12日

交際費と会議費の区分

会議費とは、会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用のことです。

会社が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用は交際費等になりますが、会議費は、交際費等から除くことができます。

事業に関連して、得意先と行う飲食等は、厳密に言えば交際費に当てはまるのですが、会議や商談、打合せに伴う飲食等の費用まで、交際費に含めるのは実情に合わないことから、通常供与される昼食の程度を超えない飲食等の費用は、交際費等に含めず、会議費として処理することができます。

この場合の「会議に通常用する費用」ですが、会議を開催する場所や、食事の金額などを、厳格に規定したものではありません。

会議室でなくても、たとえばホテルやレストランであってもよく、会議としての実体を有しているものであれば、会場の費用、会議のために必要な宿泊費なども、会議費として認められることになります。

飲食の金額についても、会議費に該当し、通常認められる範囲のものであれば、一人あたり5,000円を超える食事であっても、、交際費等としては扱われません。

ただし、必要以上に高級、豪勢なものは、会議費とは認められず、交際費等としなければなりません。


1人あたり5,000円以下の飲食費は、交際費等に含めなくてよいことになっていますから、「会議に通常用する費用」の判断が難しい場合には、5,000円を基準に判断するとよいでしょう。

2012年09月11日

最低賃金と生活保護の逆転現象

増えている生活保護受給者210万人超

最低賃金で働く人の可処分所得(手取り額)が、生活保護受給者より低い逆転現象が広がっていることが最近のニュースで取り上げられていました。

昨秋の最低賃金の引き上げで、逆転している地域は12から9に減ったものの、最近では11都道府県に増えています。

すでに平成24年度の最低賃金の目安は、厚労省の審議会で全国平均7円の引き上げを決めており、生活保護の水準を下回っている地域については、高めの引き上げ額を示しています。


最低賃金とは

最低賃金とは企業が労働者に支払う国の定めた時給の下限です。

正社員だけでなくパートやアルバイトにも適用されます。

厚労省の中央最低賃金審議会が景気や雇用等の指標を基に毎年夏に引き上げ額の目安を提示します。

これを基に地方審議会が、具体的な金額を決め毎年10月に改定されます。

最低賃金の平均額は、平成19年から4年連続で10円以上引き上げられて、23年度は、大震災の影響で5年ぶりに1ケタの7円に留まりました。

24年度も経済情勢の厳しさを理由に、前年と同水準に留まっています。


最低賃金を上げるより就労支援が必要

昨年度の最低賃金の全国平均は737円です。

生活保護の水準が最低賃金を上回る都道府県は以前からありましたが、昨年の9つに比べると今年は11の都道府県で逆転しています。

このことは「働く意欲の低下を招きかねない」として審議会の労働組合側は、最低賃金の引き上げを求めましたが、経営者側は経営への影響が大きいとして反発しています。

無理な賃上げは企業収益を圧迫し、採用減を招きかねません。

しかし、働くより生活保護受給が生活の余裕があるというのは制度間のひずみでしょう。

生活保護受給者の就労促進こそ必要であると考えると、雇用の受け皿となる市場も育てなければならないでしょうし、自治体の支援体制の増強も必要でしょう。


2012年09月10日

外国人の出向・異動時の注意点

「所属機関に関する届出」の義務化


今年7月9日から新しい在留管理制度が施行されたことに伴い、就労を目的とする在留資格を持つ外国人が、勤務先について以下のような変更が生じた場合、変更後14日以内に入国管理局へ届け出ることが義務化されました。

所定期間内に届出を行わなかった場合、20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。


①名称を変更したとき

②所在地を変更したとき

③勤務先が消滅したとき

④勤務先から離脱した、または勤務先との契約が終了したとき

⑤新たな勤務先に移籍、または新たな勤務先と契約を結んだ時

就労を目的とし在留する外国人にとって、所属する就労機関、つまり勤務先の企業が在留資格付与の基礎であり、入国後の変更情報をより正確に把握するため、届出の義務を課されることとなったのです。

これに合わせ、企業側も外国人従業員に以下のような対応を行う場合には届出を速やかに行うよう指示する必要があります。


(1)出向させる場合

例えばA企業と雇用関係を結んでいる外国人従業員を、A企業との雇用関係を維持したままB企業に出向させる場合、届出を行う必要があります。

出向の場合、従業員に対する指揮命令権は出向先に移転するため、従業員の労働環境に大きな変化をもたらすことは明らかであり、たとえ雇用関係がA企業と持続していても届出の義務が生じます。

(2)別の支店へ異動させる場合

支店異動については、企業の母体が日本企業か外国企業かにより必要な場合と不要な場合とに分かれます。

例えば日本企業である企業Aのa支店からb支店への異動させる場合、雇用契約を結んでいる契約機関そのものについて変更はないため届出は不要とされています。

一方で、母体が外国企業である場合については、日本国内を束ねる本店的な役割を果たす支店が存在すれば、支店間異動について届出を不要としていますが、そのような支店が国内にない場合は日本国内の支店間の異動についても届出が必要とされています。

上記の他、支店異動については外国人従業員の持つ在留資格の種類によっても届出が必要か否かが異なるため、今後の異動については予め入国管理局へ届出の有無を確認するようにしましょう。

2012年09月07日

欠損金の繰戻還付

法人税法では、実質的に前期の所得と通算して法人税額の計算ができるという「欠損金の繰戻しによる還付」の制度を設けています。


解散等の場合の特例

通常の事業年度では、この還付制度の適用対象法人は制限されていますが、解散等の一定の事実(事業の全部の譲渡、更正手続き開始の申立て、再生手続の開始決定等)があった場合には、適用対象法人の制限はありません。

また、事業年度に変更がない通常の1年決算法人では、繰戻の還付金額は、欠損金が生じた事業年度(欠損事業年度)の前年の事業年度の法人税とその事業年度の所得金額(還付所得事業年度)をベースに計算しますが、

解散等の場合は、欠損事業年度の対象期間の範囲が広がり、それに応じて、還付所得事業年度も異なってくる場合があります。                       


欠損事業年度と還付所得事業年度

解散等の場合、通常の1年決算法人であれば、欠損事業年度は、解散事業年度の前事業年度又は当該解散事業年度とすることができます。

結果、還付所得事業年度もこれら欠損事業年度にあわせてその欠損事業年度の前事業年度になります。

この欠損事業年度と還付所得事業年度の関係を具体例と示すと次のようになります。

・前々期 X1年10・1~X2年9・30

・前 期 X2年10・1~X3 年9・30

・当 期 X3年10・1~X4年3・31(解散)


(ケース1)

当期及び前期が赤字の場合

・欠損事業年度・・・・前期

・還付所得事業年度・・前々期


(ケース2)

当期黒字、前期赤字、前々期黒字の場合

・欠損事業年度・・・・前期

・還付所得事業年度・・前々期


(ケース3)

当期赤字、前期黒字の場合

・欠損事業年度・・・・当期(解散年度)

・還付所得事業年度・・前 期


その他の留意点

通常の事業年度とは違い、解散等があった場合には、解散等の特定の事実が生じた日以後1年以内に繰戻による還付請求書を提出すればよいことになっています。

なお、繰り戻し還付の適用を受ける場合には、還付所得事業年度から欠損事業年度まで、連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければなりません。

2012年09月06日

役員や使用人に対する貸付金の利息計上について

会社が、役員や使用人に対して金銭を貸し付けた場合は、その者から利息を徴収しなければなりません。

利率については、次のように定められています。

(1)会社が他から借入れて貸し付けたことが明らかである場合(借入金とひもつきの場合)は、その借入金の利率

(2)(1)以外の場合は、貸付を行なった日の属する年の前年11月30日の公定歩合に年4%を加算した利率

(3)会社における借入金の平均調達金利など合理的に算定した利率が(1)(2)よりも低い場合は、その合理的に算定した利率

通常取得すべき利率に比べて低い利率で貸し付けたり、無償で貸し付けたりした場合は、給与とみなされ源泉徴収の対象となってしまいますのでご注意ください。

2012年09月05日

一般派遣と専門業務派遣

一般の業務と専門26業務

労働者派遣は、本来、一時的な労働力需給の仕組みです。

労働者派遣の業務は、派遣就業の場所ごとの同一業務については、派遣可能期間は原則として1年、最長で3年となっています。

ただし専門26業務といわれる業務については、派遣期間の制限はありません。

派遣期間で問題が起きやすいのは、契約上制限期間の無い専門業務としつつ、実態は26業務を拡大解釈して、専門性のない業務に、期間制限を設けず、派遣を行う場合があるためです。


付随業務と付随的業務の違い

専門26業務を行っていても、業務遂行中には周辺業務が発生します。

当該業務は、専門業務と密接不可分な行為であり、専門26業務の一部とされる付随業務なのか、専門以外の付随的業務なのかにより、講ずべき措置は違ってきます。

専門26業務と、付随的業務の複合業務では、派遣契約書の「従事する業務内容」だけでなく、「付随的業務内容」についても記載する必要があり、派遣期間も規制を受けます。

そのためには、専門26業務の契約かどうかを判断する必要がありますが、具体的な判断基準は、厚労省の「専門26業派遣適正化プラン」等に示されています。


専門26業務で混同されやすい例

専門26業務のうち、第5号業務(事務用機器操作業務)と第6号業務(ファイリング業務)は一般事務と混同されやすい業務です。

5号業務はオフィス用コンピューターを用いて、ソフトウェア操作に関する専門的技能を活用して迅速、的確な操作に習熟を要するものをいい、単純な数値入力は該当しません。

また、6号のファイリング業務とは、高度な知識、技術、経験で分類基準を作成、当該基準で書類を分類・整理・保存・破棄を行うもので、書類整理を機械的に行い、並べ替えや綴じるだけの業務は該当しません。


付随的業務が1割以下なら専門業務扱い

専門26業務を行う場合でも、付随的に行う業務割合が通常の場合の1日、または1週間当たりの就業時間数で1割以下であれば、専門26業務となり、無関係な業務も行った場合には、26業務とは扱われず受入可能期間の制限を受けます。

3年を超えて同一派遣先に従事する時は、その業務が専門26業務なのかどうか、確認が必要でしょう。

2012年09月04日

1人あたり5,000円以下の飲食交際費

飲食その他これに類する行為のために要する費用のうち、1人あたり5,000円以下のものについては、交際費等に含めなくてよいことになっています。

したがって、これらの支出については、支出のあった事業年度において、全額損金に算入することが認められています。

ただし、この規定は、得意先や仕入先に対する飲食費等についてのみ適用されるものであり、その会社の役員、従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものは適用除外となります。

この飲食代金の全額損金算入は、次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。

①飲食等の年月日

②飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称及びその関係

③飲食等に参加した者の数

④その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)

⑤その他参考となるべき事項


接待等の稟議書には、金額にかかわらず、上記のことを必ず記載しておくとよいでしょう。

書類の形式は決められていませんので、稟議書を作成していない場合でも、領収書に直接書き込み、保存されていれば、適用を受けることができます。



相手方の氏名が一部不明な場合や大人数が参加した場合などは、「A株式会社B部 C部長 他10名 卸売先」などの記載方法でも認められます。

自社の役員や従業員の氏名などの記載はなくても大丈夫です。



一人あたり5,000円以下かどうかの判定は、単純にその飲食等に参加した人数で徐して計算した金額で判定します。

消費税については、その会社が採用している税抜経理方式又は税込経理方式に応じて算定した金額により判定します。

したがって、税抜経理方式の場合には、1人あたり5,250円まで、税込経理方式の場合には、1人あたり5,000円まで認められることになります。

2012年09月03日

外国籍社員の招聘と「企業内転勤」

近年は長引く円高や不況の影響もあり、生産工場としての機能だけでなくビジネスの拠点としてアジア等海外へ支社の設立を検討するケースも多く見受けられますが、この過程において海外支社で採用した外国籍社員を日本へ赴任させる必要性が生じることもあるでしょう。


こうした海外にある支社等から日本に赴任する場合などにおいて、一般的に申請されるのが企業内転勤と呼ばれる在留資格です。


「企業内転勤」の特徴と業務範囲


外国人は無制限に日本での活動が許可されているわけではなく、働くためには就労が許されている在留資格を得る必要があり、許可された在留資格の種類により従事できる業務も限られます。


たとえば人文知識・国際業務と呼ばれる在留資格では「法律学、経済学」等の知識または「外国の文化や感受性」を必要とする業務ができるとし、具体的には通訳・翻訳、貿易業務等のいわゆる文系分野の業務が、


在留資格「技術」ではIT関連や機械設計、開発技術等いわゆる理系分野の業務が行えます。


したがって通常、人文知識・国際業務の在留資格により通訳・翻訳を行う外国人がシステム開発など理系業務に従事することになった場合は在留資格の変更手続きを行う必要があります。


これに対し「企業内転勤」の在留資格により勤務する外国人の場合は、「人文知識・国際業務」と「技術」に該当する活動であれば双方行うことが許容されています。


「転勤」という言葉の性質上、一定期間を定めて転勤することを前提としているため無期限に日本で滞在することは想定されておらず、また転勤してきた日本における特定の事業所内でなくては活動できないという制限はあるものの、業務の内容は比較的柔軟に対応できます。

在留資格と学歴・職歴の壁


日本の在留制度の性質上、多くの在留資格で学歴や職歴は重要な要件であり、これにより申請できる人材が限られてしまうという壁があります。


「企業内転勤」は申請要件として、転勤前の1年間以上、「人文知識・国際業務」又は「技術」の在留資格に該当性のある活動をしている必要がありますが、一方で学歴要件や実務経験がなくとも許可されうる在留資格です。


中小企業の進出先が多国化されている中、学歴・職歴だけに縛られず、当該事業において実際に優秀な成績を修めた能力ある人材の活躍を期待できる一つの可能性として、検討の余地があるかもしれません。


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