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2016年10月 アーカイブ

2016年10月27日

暦年贈与サポートサービスを利用した贈与

相続税の基礎控除額の引き下げによって、生前贈与に関心が高まっています。

「暦年贈与サポートサービス」とは、贈与者と受贈者間で贈与を行う際に、暦年課税制度の条件を満たすように、銀行等がサポートするという商品です。

銀行等が、贈与の都度、贈与者・受贈者間の贈与の意思確認を行い、双方の合意がある旨を確認し、「贈与契約書」を作成します。

そして、「贈与契約書」に基づく贈与資金の払戻し・振込を行い、「贈与報告書」を作成し、送付するというサービスです。

この暦年贈与サポートサービスは、契約期間が5年間となっていることから、相続税法第24条《定期金に関する権利の評価》に規定する「定期金給付契約に関する権利」の贈与には該当するのではないか?との懸念がありました。

「定期金給付契約に関する権利」とは、「契約によりある期間定期的に金銭その他の給付を受けることを目的とする債権のこと」とされています。

一定期間にわたり定期的に贈与を行うことが贈与者・受贈者間で契約されている場合には、その契約の時点で、定期金給付契約に関する権利の贈与として、贈与税の課税関係が生じることとなります。

毎年、贈与する場合、基礎控除の110万円以内であれば贈与税はかかりませんが、例えば、「10年間にわたり毎年100万円ずる贈与する」など、一定期間にわたり定期的に贈与を行うことを当事者間で約束する場合は、その約束をした年に「10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利」の贈与を受けたものとみなされます。


この暦年贈与サポートサービスの事前照会について、東京国税局から、次のように回答が示されています。

贈与は、「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」こととされており、贈与者の贈与の意思表示だけなく、受贈者の贈与を受ける意思表示を必要とする双方合意で成立することとされています。

また、贈与による財産の取得時期については、「書面によるものについてはその契約の効力の発生した時」と規定されています。

この暦年贈与サポートサービスでは、その申込みは贈与者が行い、銀行等は、贈与の都度、贈与者・受贈者間の贈与の意思確認を行った上で、その双方合意による贈与契約の成立を証する贈与契約書に基づいて贈与資金の払出し・振込を行うこととしています。

このことから、サービスの申込みによって贈与契約が成立するものではなく、このサービスによる「贈与資金の払出し・振込」は、契約期間中の各年に締結される贈与契約の履行として行われるものであるため、その贈与契約によって効力が生ずるものと考えられます。

したがって、暦年贈与サポートサービスに基づき行われる贈与については、各年に締結される贈与契約の内容に基づき、各年の贈与として贈与税の課税が行われることと解釈できます。

あらかじめ定期的に贈与することについて贈与者・受贈者双方の合意がなされている場合でない限り、暦年贈与サポートサービスを利用した贈与は、「定期金給付契約に関する権利」の贈与に該当するものではないと考えられます。

2016年10月20日

スキャナ保存制度の改正

税務署長の承認を受けた場合には、領収書等について、一定の手続に従ってスキャナ保存をすることが認められています。

平成27年度の税制改正によって要件が緩和されましたが、平成28年度の税制改正において、スマートフォンでの読み取りが可能になり、また、小規模企業者の手続要件の特例が措置されています。

① 「原稿台と一体型に限る」という要件を廃止

これまで、領収書等の読み取りを行うスキャナについては、「原稿台と一体型に限る」という要件がありましたが、この要件が廃止されました。

「スキャナ」とは、原稿をデジタル画像にデータ変換する入力装置を指し、この要件の廃止によって、デジタルカメラやスマートフォン等の機器も含まれることになりました。


② 受領者等が読み取る場合の要件

領収書等について、その受領者や作成者が読み取る場合、受領等後、その者が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付すことが要件とされました。

また、この場合で、読み取る国税関係書類の大きさがA4以下であるときは、大きさに関する情報の保存が不要とされました。


③ 小規模企業者の特例

保存義務者は、適正事務処理要件(①相互けんせい、②定期的なチェック、③再発防止策)に関して、社内規定等を整備し、これらに基づいた事務処理を行う必要がありますが、小規模企業者に該当する場合、②の「定期的なチェック」を税理士等の税務代理人が行うときは、①の「相互けんせい」の要件については不要となります。

決算に当たり、各書類について税務代理人が全件チェックしているような場合には、これとは別に定期的な検査を行う必要はありません。

なお、小規模企業者の特例における税務代理人による定期的検査については、必ずしも全ての書類について検査を行う必要はなく、その一部を抽出して行う検査(いわゆる抜き取り検査)も認められています。


平成28年税制改正後の要件でのスキャナ保存を行うには、既にスキャナ保存の承認を受けている場合でも、平成28年9月30日以後に、改めて承認申請書を提出する必要があります。

承認申請書は、改正後のスキャナ保存に代える日の3か月前の日までに提出しなければなりませんので、スキャナ保存を行っている場合には、すぐに提出するようにしましょう。


 

2016年10月17日

平成28年分の年末調整の改正点

「年末調整」は、給与の支払いを受ける人について、毎月の給料や賞与などの支払いの際に源泉徴収した税額と、その年の給与等の総額についての年税額とを比べて、その過不足額を精算する手続きです。

給与所得者のほとんどは、確定申告の手続きをとることなく、この年末調整によってその年の所得税及び復興特別所得税の納税が完了します。

平成28年分の年末調整における主な改正点をみていきます。

(1)通勤手当の非課税限度額

平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当の非課税限度額が、10万円から15万円に引き上げられました。

なかなか月10万円を超える通勤手当を支給している例は少ないかもしれませんが、軽井沢から東京まで新幹線通勤した場合などが該当します。

この改正は、平成28年4月に行われており、改正前に支払われた通勤手当については、本年の年末調整の際に精算する必要があります。

源泉徴収簿の年末調整欄を使用した具体的な手続きは、次の通りです。

① 改正前の非課税規定を適用した通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって非課税となった金額を計算します。


② 源泉徴収簿の年末調整蘭の余白に、「非課税となる通勤手当」と表示して、①の計算根拠、非課税となった金額を記入します。


③ 源泉徴収簿の年末調整蘭の「給料・手当等①」欄に、給料等の総支給額から、新たに非課税となった金額を差し引いた後の金額を記入します。


④ その差引後の給料・手当等の総額を基に、年末調整を行います。

ここでは、源泉徴収簿に計算根拠を記載することとしていますが、正しく所得税・復興特別所得税の年税額が計算され、その計算根拠が何らかの方法で記録、保存されていれば、源泉徴収簿への計算根拠の記載は省略して差し支えありません。


(2)国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用

平成28年1月1日以後に支払われる給与等の源泉徴収又は年末調整において、非居住者である親族(国外居住親族)に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除、配偶者特別控除などの適用を受ける場合には、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出又は提示する必要があります。


① 親族関係書類

国外居住親族がその給与所得者の親族であることを証するものをいいます。


a 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類(出生証明書、婚姻証明書等)及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し


b 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)


② 送金関係書類

給与所得者がその年において、国外居住親族それぞれの生活費又は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。


a 金融機関が発行した書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により、その給与所得者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類


b いわゆるクレジットカード発行会社が発行した書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを利用して商品の購入や役務提供を受けたことに対する支払をしたことにより、その代金に相当する額をあその給与所得者から受領したことを明らかにする書類

扶養控除等申告書の「生計を一にする事実」欄に、給与所得者がその年において国外居住親族に送金等をした額の総額を記載することになります。

特に、「送金関係書類」は国外居住親族各人別に必要となり、現金で手渡しているなど書類がない場合には、扶養控除等を適用することはできませんので、注意が必要です。

2016年10月13日

厚生年金保険等の任意適用事業所の認可と取消

法律で厚生年金保険及び健康保険の加入が義務づけられている事業所は、次の事業所です。


① 法人事業所で常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用するもの


② 常時5人以上の従業員が働いている事務所、工場、商店等の個人事業所

ただし、5人以上の個人事業所であってもサービス業の一部(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業等)や農業、漁業等は、その限りではありません。

加入が法律で義務づけられている事業所以外であっても、次の要件を満たしていれば、厚生年金保険等に加入することができます。


従業員の半数以上が厚生年金保険等の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けた場合


このような事業所を「任意適用事業所」といいます。

任意適用事業所となる場合は、従業員の2分の1の同意後、すみやかに、新規適用届とともに、任意適用申請書を提出します。

認可を受けた場合は、従業員全員が加入することになり、保険給付や保険料は、適用事業所と同じ扱いになります。


厚生年金保険等の任意適用事業所は、次の要件を満たしていれば、任意適用事業所を取り消すことができます。


従業員の4分の3以上が厚生年金保険等の適用事業所を取り消すことに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けた場合

任意適用事業所になるときは2分の1以上の同意ですので、取り消しの方が要件は厳しくなっています。


任意適用事業所の取消しの申請をする場合は、同時に任意適用取消申請書の提出が必要です。

適用取り消しの認可があった日の翌日に、適用事業所ではなくなりますので、従業員全員、厚生年金保険等の被保険者資格を喪失することになります。


厚生年金保険等の強制適用事業所が、常時使用する従業員が5人未満となり、任意適用事業所の基準に該当した場合は、何も手続をしなければ、任意適用の認可があったものとみなされて、引き続き、厚生年金保険等の適用事業所となります。

この場合も、任意適用事業所の取り消しの手続を踏むことで、いつでも厚生年金保険等を脱退することができます。

2016年10月06日

建物の取壊し費用の取扱い

法人が、まだ十分に使用できる建物を新しく建替えるために要した旧建物の取壊し費用は、経費とはせずに、新建物の取得価額に含めるべきでしょうか?

答えは、取り壊した事業年度に経費として計上できます。

まだ使用に耐え得る建物であっても、その旧建物の帳簿価額とともに、その取り壊した日の属する事業年度の経費に算入することができますので、新建物の取得価額に含める必要はありません。

建物の取壊し費用を、取得価額に含めなければならないケースは、次の場合です。

法人が新社屋建設のために建物付きの土地を購入し、おおむね1年以内にその建物の取壊しに着手するなど、初めからその建物を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかな場合には、その建物の取壊しのときの帳簿価額と取壊し費用の合計額は、その土地の取得価額に算入することとされています。

しかし、初めは建物を使用する目的で取得したが、その後やむを得ない理由が生じたことにより、その取得後おおむね1年以内にその建物を取り壊した場合には、その建物の帳簿価額と取壊し費用の合計額は、土地の取得価額に含めず、取り壊したときの経費に算入することができます。


また、居抜き物件などのように、建物、附属設備等を取壊し、廃棄していない場合であっても、次に掲げるような固定資産については、資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として計上することができます。

これを「有姿除却」といいます。


① その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産

② 特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの


ソフトウエアのように物理的な除却、廃棄等がない場合でも、今後事業の用に供しないことが明らかな事実があるときは、そのソフトウエアの帳簿価額(処分見込価額を控除した残額)を、その事業年度の経費に算入することができます。


① 自社利用のソフトウエアについて、そのソフトウエアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、当該ソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合、又は、ハードウエアやオペレーティングシステムの変更等によって他のソフトウエアを利用することになり、従来のソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合

② 複写して販売するための原本となるソフトウエアについて、新製品の出現、バージョンアップ等により、今後、販売を行わないことが稟議書、販売流通業者への通知文書等で明らかな場合

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