記帳代行・会計コンサルティング会社

日本タックスサービスは税理士・公認会計士による記帳代行・会計コンサルティング会社です。

税理士トップ税理士会社概要アクセス税理士事務所リクルートお問い合わせサイトマップ

« 2016年01月 | メイン | 2016年03月 »

2016年02月 アーカイブ

2016年02月29日

留学生新卒者 研修・配属の注意点

新卒者の入社時研修

新卒者が本社勤務になる前に、まずは自社の業務を知るため、現場での研修を積むのは決して珍しいことではありません。

その研修結果を基に適性を見て、具体的な配属先を決めることもあるでしょう。

しかし、留学生の新卒者をこうしたステップで受け入れる場合には、少し注意しなければならない点があります。


就業内容が限られている「ビザ」

外国人の方は、30種類ある在留資格(いわゆる「ビザ」)のうち、日本での滞在目的に合わせたどれか一つを持って在留しています。

現在、留学生の方の約8割が「留学」ビザから就職と同時に「技術・人文知識・国際業務」というビザに切り替えており、留学生を採用した企業のほとんどが、このビザを持った新卒社員を雇用することになります。

このビザで許可されている就業内容は「理学、工学その他の自然科学の分野もしくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術も
しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」と規定されており、職種としてはエンジニアや通訳、翻訳、貿易関連業務などが当てはまります。

あくまで高度な知識・技術が必要とされる業務であり、いわゆる単純労働には従事できません。


「ビザ」と研修時の注意点

たとえば食品の輸入を行い、その販売小売店を経営する企業が、本社の貿易業務を担当する要員として留学生を採用したものの、社内の業務を把握させるため、店舗で販売員として研修するよう命じることは自然なことでしょう。

しかし、販売員として接客に当たることは「技術・人文知識・国際業務」ビザで許容される内容ではないため、いくら研修とは言ってもこの期間があまりにも長いと不法就労とみなされかねません。

では、どれくらいの期間であれば研修として単純労働への従事が認められるのでしょうか。

これについて具体的な規定はありませんが、法律上、「当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合」は「在留資格を取り消すことができる」とされていますので、この3か月というのがひとつの目安にはなります。

また先述の通り、就業内容はビザで許容される範囲にとどめる必要がありますので、当初配属予定であった職種から変更する場合は慎重に検討しましょう。


2016年02月26日

平成28年度税制改正大綱 納税環境整備

加算税制度の見直し


(1)事前通知後に修正申告を行う場合

当初申告のコンプライアンスを高めるため、「事前通知」から「更正予知」までの期間について、新たな加算税(「更正予知」後の加算税よりも一段低い加算税)の対象とする改正です。

税率は、過少申告加算税:5(10)%、無申告加算税:10(15)%です。

※上記( )書は、当初申告との増差額が50万円または無申告による本税が50万円超える部分が( )書の加重される加算税の対象となる。

(2)短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠ぺいが行われた場合

無申告または仮装・隠ぺいを意図的に繰り返す者に対する加算税ついては、過去5年以内に無申告加算税又は重加算税を賦課された者が、再び「無申告又は仮装・隠ぺい」に基づく修正申告書の提出等を行った場合について、加算税を10%加重する改正です。

適用は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税からです。


最高裁敗訴判決を踏まえた延滞税の計算期間の見直し

具体的には、

①納税者が申告及び納付(例:100)

②その後、申告税額が過大であるとして税務署長が減額更正(例:100⇒50)

③さらにその後、税務署長が増額更正等(例:50⇒80)

をするケースについて、現行では、除算期間を除き、一律(当初の法定申告期限から)延滞税が発生しますが、最高裁敗訴の判決を受けて改正をしました。

その結果として、

①増額更正までの期間については延滞税を課さない。

②更正の請求の場合に限り、減額更正時から最大1年間の延滞税を課す。

③未納期間については、延滞税の対象とする。

④現行の通達を法定化する

としました。

適用は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税からです。


その他の改正

①会社分割等の無効判決が確定した場合、租税債権は分割法人等も連帯納付義務を負う改正

②事業を譲り受けた者の第二次納税義務に関して、その対象者の範囲を特定支配関係同族会社または生計を一にする親族に限定する

等の改正もあります。


適用は、平成29年1月1日以後に行われる分割等、滞納となった国税からです。

2016年02月25日

マイナンバー制度 雇用保険の利用

マイナンバーは、税分野だけではなく、社会保障、災害対策の分野で活用されるものです。

平成28年1月1日以降、申告書等にマイナンバーの記載をすることになりますが、その記載が必要となる時期は異なります。

税分野であれば、基本的に平成27年分の申告書等には、マイナンバーを記載する必要はありません。

社会保障分野では、健康保険や厚生年金保険は1年遅れて平成29年1月1日からとなっていますが、雇用保険については平成28年1月1日からマイナンバーを記載する必要があります。

雇用保険のマイナンバーの記載が必要な届出・申請書などは次のとおりです。

① 雇用保険被保険者資格取得届

② 雇用保険被保険者資格喪失届

③ 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書

④ 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書

⑤ 介護休業給付金支給申請書

事業主は、雇用保険法に基づき雇用保険手続の届出に併せてマイナンバーを届出ることが義務付けられており、従業員にも、このことを説明の上、マイナンバーの記載をしなければなりません。

ただし、従業員の拒否などにより、記載が困難な場合は、マイナンバー記載欄が空欄でも届出などは受理されるようです。

旧様式を使用する場合など、個人番号を記載できない場合には、別紙の「個人番号登録・変更届出書」により個人番号を提出します。

また、マイナンバーの記載がある届出書類を郵便で送付する場合、普通郵便でも受理されますが、紛失などの事故があった場合、どの時点の事故か確認できませんので、できるだけ追跡可能な書留郵便などの利用を心掛けましょう。


2016年02月24日

平成28年度税制改正大綱 資産課税

資産課税に関しては、主に手続き等についての見直しで、大きな改正はありません。

以下、主な項目を概観していきます。

農地等に係る納税猶予の見直し

農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予の確定事由に関して、次の見直しが行われています。


①贈与税の納税猶予を適用している場合の特定貸付けの特例について、農地中間管理事業のために貸し付けている場合にあっては、受贈者の納税猶予の適用期間要件(現行:10年以上〈貸付け時において65歳未満の場合には、20年以上〉)は適用しない。


②贈与税の納税猶予の適用を受けることができる者を認定農業者等に限るとする。


③特例適用農地等に区分地上権が設定されている場合においても、農業相続人等が当該農地の耕作を継続しているときは、納税猶予の期限は確定しないこととする。


④農地法の改正に伴い、農業生産法人制度の見直しに伴う所要の措置を講ずる。

上記①の改正は、平成28年4月1日以後の貸付けについて、上記②の改正は同日以後の贈与について、上記③の改正は同日以後の区分地上権の設定について、それぞれ適用するとなっています。 


結婚・子育て資金の一括贈与の範囲

直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、その対象となる不妊治療に要する費用には薬局に支払われるものが含まれること等が明確にされました。


贈与税の配偶者控除の適用手続き

結婚期間が20年以上の配偶者から、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合には、その年分の贈与税の課税価格から2,000万円までの金額を控除することができます。

この制度の適用を受けるためには、申告書に、居住用不動産を取得したことを証する「登記事項証明書」の添付が必要です。

しかし、現実には、それぞれ夫婦間の財産移転であり、必ずしも名義変更がなされているとは限りません。

そこで、申告書の添付書類として、登記事項証明書に限ることなく、居住用不動産を取得したことを証する書類(贈与契約書等)に要件を変更しました。

適用は、平成28年1月1日以後の贈与からです。

2016年02月23日

平成28年度税制改正大綱 消費課税

消費税については、平成29年4月1日から軽減税率制度を導入、そして、対象品目及び課税方式についての骨格も決まりました。

以下、その内容を概観していきます。


軽減税率対象品目及び税率

(1)対象品目は、

①飲食料品の譲渡(飲食店営業等を営む事業者が、一定の飲食設備のある場所等において行う食事の提供を除く)

②定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡

とされています。

なお、飲食料品からは、酒類を除くとしています。


(2)税率は、8%(国分:6.24%、地方分:1.76%)です。


適格請求書等保存方式

(1)課税方式は、適格請求書等保存方式、いわゆる「インボイス制度」を導入することに決定しました。

この方式は、登録を受けた課税事業者が交付する適格請求書及び帳簿の保存を仕入税額控除の要件とするもので、具体的には次のようなものです。

適格請求書には、

①発行者の氏名または名称及び登録番号

②取引年月日

③取引内容(軽減税率対象である旨の記載を含む)

④税率ごとに合計した対価の額及び適用税率

⑤消費税額等

⑥交付を受ける事業者の氏名及び名称

が記載されます。


(2)税額計算の方法は、適格請求書の税額の積上げ計算と取引総額からの割戻し計算の選択となっています。

なお、この適格請求書等保存方式の正式導入は、平成33年4月からとなっています。


正式導入までの経過措置

平成33年3月までの経過措置の内容は、次のとおりです

(1)現行の請求書等保存方式を維持しつつ、区分経理に対応する措置を講じています。

具体的には、請求書に

①軽減税率の対象品目である旨

②税率ごとに合計した対価の額を記載する(区分記載請求書等保存方式)。

そして、上記、①・②については、区分記載請求書の交付を受けた事業者が、事実に基づき追記することを認めるとするものです。


(2)税額計算の方法は、売上げまたは仕入れを税率ごとに区分することが困難な事業者に対し、売上税額または仕入税額の計算の特例を設けるとするものです。


正式導入後の経過措置

適格請求書等保存方式の導入後6年間、免税事業者からの仕入れについて、一定割合の仕入税額控除を認めています。
 

2016年02月22日

平成28年度税制改正大綱 法人課税その2

前回に続いて法人課税に関する改正項目です。地方税を中心に主な項目を概観していきます。

法人事業税の税率改正
資本金の額(出資金の額を含む)1億円超の普通法人については、法人事業税における外形標準課税(付加価値割と資本割の合計)の割合を5/8(現行:3/8)に拡大、これにより、所得を課税標準とする所得割の税率を3.6%(現行:6.0%)に引下げ、一方、付加価値割の税率1.2%(現行:0.72%)及び資本割の税率を0.5%(現行:0.3%)に引上げるとするものです

なお、一定の要件を前提に、付加価値額30億円以下の法人、付加価値額30億円超40億円未満の法人については、負担軽減措置が設けられています。

この改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。


地方法人特別税の税率改正

資本金1億円超の普通法人の税率は、414.2%(現行:93.5%)とするもので、この改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。 

なお、この地方法人特別税は、平成29年4月1日以後に開始する事業年から廃止し、法人事業税に復元するとなっています。


法人住民税法人割の税率改正

道府県民税の法人税割は標準税率1.0%(現行:3.2%)、制限税率2.0%(現行:4.2%)に引下げ、また、市町村民税の法人税割も標準税率6.0%(現行:9.7%)、制限税率8.4%(現行:12.1%)に引下げる、とするものです。

この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度から適用となっています。


地方法人税の税率改正

地方法人税の税率は10.3%(現行:4.4%)に引上げるとするもので、この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。


地方創生応援税制の創設

企業版ふるさと納税とも呼ばれています。

地域再生法の改正を前提に、地方公共団体(三大都市圏等は対象外)が行う、地方創生効果の高い一定の事業(国が認定)に対して法人が行った寄附について、現行の寄附金の損金算入措置に加えて、寄附金の一定額を①法人事業税及び②法人住民税並びに③法人税(②で控除できなかった額)から税額控除できるとするものです。

2016年02月19日

確定申告の手続きに注意

確定申告の時期に入りました。

ところで、申告書作成の際には、収入について、それが非課税か課税か、または何所得になるのか、さらには、ある支出が必要経費になるかどうかなど、いろいろと悩んでしまうこともあるかと思います。

一方で、申告手続き、具体的には、申告書を3月15日までに提出(期限内申告)しないと適用できない規定や青色申告書でないと適用できない規定もあります。

そこで、確定申告に伴う主な手続きの内容を確認してみたいと思います。

純損失の繰越控除

平成22年分までは、損失発生年は期限内申告が要件でしたが、平成23年度以後は廃止されていますので、期限後申告でも適用があります。

しかし、損失発生年の申告書は、一定の損失を除き青色申告書であることが要件です。

また、控除適用年ですが、損失発生後の各年において連続して確定申告書を提出しなければなりせんが、その申告は期限後申告でもよく、申告書の青・白は問いません。

例えば、青色申告者が法人成りをしたが、その年が赤字で純損失が発生、期限内に申告書を提出、そして、その翌年以後は給与所得(白色申告者)となった場合であっても、純損失の繰越控除は適用できます。

純損失の繰戻し還付請求

前述の純損失の繰越控除は、発生年の損失を翌年以後の所得から控除して貰える制度ですが、この純損失の繰戻し還付請求は、発生年度の損失を前年の所得と相殺し、前年に支払った税金を取り戻す制度です。

この繰戻し還付請求は、前年分について青色申告書を提出していること、そして、本年分の青色申告書を期限内に提出し、かつ、同時に純損失の繰戻し還付請求書を提出することが要件です。

なお、復興特別所得税に係る部分は還付されません。

青色申告特別控除

事業所得者(家内労働者等の事業所得特例計算の適用者も含む)や不動産賃貸を事業的規模で営んでいる事業者には、青色申告特別控除65万円の適用があります。

しかし、この控除を受けるためには、貸借対照表等の作成等一定の要件がありますが、何と言っても、申告書が期限内に提出されていないとこの控除の適用は受けられません。

2016年02月18日

建物附属設備・構築物の償却方法

平成28年税制改正により、建物附属設備、構築物の減価償却方法が改正され、定率法が廃止となり、定額法のみとなります。

平成28年4月1日以降に取得する建物附属設備と構築物について適用されます。

この改正は、あくまで平成28年4月1日以降取得に取得する分から適用されるため、それ以前に取得していれば、事業共用が4月1日以降となっても、従来どおり定率法により償却することは可能となるようです。

もちろん、すでに定率法で償却している建物附属設備、構築物についても、そのまま定率法が適用されます。

ただし、定率法を適用する既存の建物附属設備等に対する資本的支出は、その建物附属設備等と種類や耐用年数が同じ減価償却資産を新たに取得したものとみなして、定額法により減価償却を行うことが原則となります。


資本的支出とは、固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の使用可能期間を延長させたり、価値を高めさせる部分に対応する金額をいいます。

資本的支出を行った場合(平成19年4月1日以降)の減価償却は次のようになります。

(1) 原則

その資本的支出を行った減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、その資本的支出を取得価額として減価償却を行います。

(2) 特例

① 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に資本的支出を行った場合

原則にかかわらず、その資本的支出を行った減価償却資産の取得価額に、その資本的支出を加算して減価償却を行うことができます。

② 定率法を採用している減価償却資産に資本的支出を行った場合

平成19年4月1日以後に取得した定率法を採用している減価償却資産に資本的支出を行った場合、資本的支出を行った翌年1月1日において、その資本的支出を行った減価償却資産の期首未償却残高と上記(1)の原則により新たに取得したものとされた減価償却資産(資本的支出の部分)の期首未償却残高の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却を行うことができます。

ただし、平成23年12月の償却率の改正により、平成24年4月1日以後に取得したものとされる減価償却資産については200%定率法を、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産は250%定率法を適用することになります。

このように、異なる償却率が適用されることから、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産に、平成24年4月1日以後に資本的支出を行った場合には、旧減価償却資産とその資本的支出を合算して一の減価償却資産を新たに取得したものとする特例の適用はありません。


このように、償却方法、償却率など度々改正が行われていますので、新たな設備投資、修繕をする場合には、その都度、確認を行ってください。

2016年02月17日

平成28年度税制改正大綱 法人課税

平成28年度税制改正における、法人税改革の基本理念は、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」であり、デフレ脱却、経済再生を最重要課題としています。

以下、国税を中心に主な改正項目を概観していきます。

法人税の税率引下げ

法人税の税率は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度については、23.4%(標準税率ベースでの実効税率29.97%)、平成30年4月1日以後に開始する事業年度については、23.2%(標準税率ベースでの実効税率29.74%)とするものです。

なお、中小法人等の軽減税率15%(所得800万円以下)は、存置されています。

減価償却制度の見直し

平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物の償却方法について、定率法を廃止し、定額法(鉱業用は生産高比例法との選択)に一本化するものです。

欠損金繰越控除の平準化による見直し

(1)欠損金の控除限度額は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度から所得の60%(現行:65%)、平成29年度開始55%(現行:50%)、平成30年度以後開始50%(現行:50%)と一部見直されています。

なお、中小法人等については、従来どおり、控除限度額は所得の100%であり、また、欠損金の繰戻還付は存置されています。


(2)平成30年4月1日以後に開始する事業年度から、

①青色欠損金の繰越期間

②青色欠損金の控除制度に係る帳簿保存期間

③欠損金に係る更正の期間制限

④欠損金に係る更正の請求期間

を10年(現行9年)に延長するとしています。


少額減価償却資産の特例について

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、対象となる法人から常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人を除外した上、その適用期限を2年延長しています。


生産性向上設備投資促進税制の見直し

生産性向上設備投資促進税制(特別償却又は税額控除)については、適用期限をもって廃止する。

また、上乗せ措置についても、平成28年3月31日とされている適用期限を延長しないとしています。

2016年02月16日

扶養控除等申告書に個人番号を記載しない場合

原則的な個人番号の取り扱い

扶養控除等申告書は、平成28年1月以降に従業員本人や扶養親族の個人番号(マイナンバー)を記載しておくことになっています。

新しい申告書に個人番号の記載欄が設けられているのを確認されたと思いますが、原則はその記載の内容が前年と同じ番号であっても記載することになっています。

扶養控除等申告書の法定保存期間は7年間ですから、給与計算事務担当者にとって、個人番号が記載された申告書を安全に保管しておくことは会社としても負担となるものです。


国税庁が発表した記載省略措置

このような事情も考慮して国税庁は、成27年10月28日に公表された内容において、給与支払者と従業員との間で合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に「個人番号については給与支払者に提出済みの個人番号と相違ない」旨を記載した上で、既に会社が受け取っている個人番号を確認している旨を扶養控除等申告書に表示すれば、申告書提出時に本人が番号を記載しなくともよいと認めています。


実務的な取り扱い

前述のような文を従業員本人が記載することは考えにくいので、会社の方で前述のような文、「個人番号について相違ない」旨を印字して従業員に渡すか、シールを貼るかゴム印等も考えられます。

他には別紙にその文を記載した用紙に記名、押印をしてもらうこともできるでしょう。

会社側の確認については確認印欄があると良いでしょう。

就業規則等の合意の取り決め

扶養控除等申告書に個人番号の記載を省略することは会社と従業員との合意によるので、就業規則に記載するか合意書を取り交わす等が必要です。

規則にのせる文章は「従業員の個人番号については給与支払者に提出済みの個人番号と相違ない」旨を記載、「会社は従業員から受領済み個人番号を確認し、確認した個人番号の記載を省略できる」としておくと良いでしょう。

会社が個人番号を受領し、確認している事が前提ですので税務事務としては扶養控除等申告書に付記して提出できる状態で番号を管理しておく必要はあるでしょう。



2016年02月15日

マイナンバー記載の事務が始まります

平成28年1月からの雇用保険の手続

従業員の方たちから会社に提出された個人番号(マイナンバー)は1月以降、雇用保険や労災、源泉徴収票等の手続で使用します。

雇用保険は従業員の入社や、退職した場合の手続に使用します。


雇用保険手続で個人番号の届出をするのは次の5種類です。

①雇用保険被保険者資格取得届

②雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届

③高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付申請書

④育児休業受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書

⑤介護休業給付金支給申請書

③と④の書類は2回目以降の申請には個人番号は記載しません。

個人番号の使用は雇用保険手続から

個人番号の使用は、従業員に関わる手続で、最初に会社が行うのは雇用保険でしょう。

新たに資格取得する方や在職者の資格喪失手続に必要になります。

入退者の多い会社では個人番号を早めに収集しておかないと手続が発生するたびに本人に聞かなくてはならず、煩雑になるでしょう。

本人が番号提出を拒否した時は、会社では個人番号記載が法令で決まっていることを本人に理解してもらうように努めたとして、個人番号欄を空欄で提出しても、ハローワークが受理しないことはありません。

また、記載しない理由書の添付も必要ありません。


提出後の返戻書類の取り扱い

平成28年1月以降前述の手続では、用紙に個人番号記載欄が設けられますので記載して提出します。

しかし戻された事業主控えや本人控えには番号が記載されることはありません。

提出前に番号を記載した書類をコピーしておく場合は、番号法の規定に沿った安全管理措置をしてください。

返戻された離職票にも番号は記載されていませんので、会社は離職票には番号は記載せず本人に渡しましょう。

旧様式を使用することはできますが、他に「個人番号登録・変更届出書」(新様式) を提出するようになりました。

今までの資格喪失届には番号を記載する欄が無いのでこの様式を一緒に提出します。

2016年02月12日

マイナンバー記載の事務

平成28年1月からの雇用保険の手続

従業員の方たちから会社に提出された個人番号(マイナンバー)は1月以降、雇用保険や労災、源泉徴収票等の手続で使用します。

雇用保険は従業員の入社や、退職した場合の手続に使用します。

雇用保険手続で個人番号の届出をするのは次の5種類です。

①雇用保険被保険者資格取得届

②雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届

③高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付申請書

④育児休業受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書

⑤介護休業給付金支給申請書

③と④の書類は2回目以降の申請には個人番号は記載しません。


個人番号の使用は雇用保険手続から

個人番号の使用は従業員に関わる手続で最初に会社が行うのは雇用保険でしょう。

新たに資格取得する方や在職者の資格喪失手続に必要になります。

入退者の多い会社では個人番号を早めに収集しておかないと手続が発生するたびに本人に聞かなくてはならず、煩雑になるでしょう。

本人が番号提出を拒否した時は、会社では個人番号記載が法令で決まっていることを本人に理解してもらうように努めたとして、個人番号欄を空欄で提出しても、ハローワークが受理しないことはありません。

また、記載しない理由書の添付も必要ありません。


提出後の返戻書類の取り扱い

平成28年1月以降前述の手続では用紙に個人番号記載欄が設けられますので記載して提出します。

しかし戻された事業主控えや本人控えには番号が記載されることはありません。

提出前に番号を記載した書類をコピーしておく場合は、番号法の規定に沿った安全管理措置をとっておいてください。

返戻された離職票にも番号は記載されていませんので、会社は離職票には番号は記載せず本人に渡しましょう。

旧様式を使用することはできますが、他に「個人番号登録・変更届出書」(新様式) を提出するようになりました。

今までの資格喪失届には番号を記載する欄が無いのでこの様式を一緒に提出します。

2016年02月10日

役員報酬を複数の会社から受けている時

社会保険の取り扱いはどうするのか

2か所以上の会社に勤務している役員は、各々の会社から報酬を受けていることがあります。

それぞれ社会保険適用事業所である場合は所得を合算して届出し、社会保険料も合算額の標準報酬月額となります。

原則として各々の勤め先で被保険者資格を取得しますが、家族を形式的に取締役にしたり、代表権や、業務執行権を持たない場合や、役員会への出席の有無、役員報酬が無い等、その就労形態によっては被保険者に該当しないとされることがあります。

日本年金機構の被保険者該当、不該当判断 

法人の役員については次の6つのポイントから、被保険者となるかどうかを検討することで判断するとしています。

①当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか

②当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか

③当該法人の役員会などに出席しているかどうか

④当該法人の役員への連絡調整または職員に対する指導監督に従事しているかどうか

⑤当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか

⑥当該法人等より支払いを受ける報酬が社会通念上労務の内容にふさわしいものであって実費弁済程度にとどまっていないか

以上の様な観点で判断をしますが、不明な時は年金事務所で確認しましょう。


二以上事業所勤務の届出について

複数の事業所に勤務していることを届け出る時は「被保険者資格取得届」を各々の管轄する年金事務所や健保組合に提出します。

複数に届出をした場合は、どの年金事務所または健保組合を主とするか決める必要があります。

「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を、選択した事業所を管轄する年金事務所又は健保組合に提出します。

社会保険料の計算

保険料は各々の事業所から受ける報酬を合算して標準報酬月額を決め、各々の報酬月額の比率で按分して算出します。

年金事務所または健保組合より按分した保険料額が通知されますので、本人負担分も各々に応じた保険料を徴収します。

2016年02月09日

労働基準監督署の調査は何を見るのか

労働基準監督署の行う調査の種類

労働基準監督署の行う調査にはいくつかの種類があります。

「定期監督」「申告監督」「災害時監督」「再監督」等です。

「定期監督」とは年度ごとに重点業種の重点項目を決めて行う調査です。

必ずしも法令違反の事業所と言うわけではありません。

対象の業種等に該当したということです。

まず書面で通知があり、日時が指定されますので、その日に管轄の監督署へ書類を持参します。

法令違反があった場合には、調査をした監督官から是正勧告書が出されることがあります。

また、監督官が事業所に来訪する場合もあります。

「申告監督」は労働者の申告を受けた場合に調査を行います。

事前連絡をしてくる場合と、予告せず直接来訪する場合もあるようです。

申告内容で調査項目は違いますが、誰が申告したかは告げられません。

申告監督は定期監督よりは厳しくチェックが入りますので、例えば、未払い残業代等があれば全社員2年遡り支払いが命ぜられるというような場合もあります。

「災害時監督」は労働者災害が起きた場合に行う原因究明、再発防止のための調査です。

「再監督」は一度是正勧告後、是正報告がなされ、一定期間経過後に確認を行うためのものです。

どんな調査をするのか

①賃金や時間外労働手当が適正に支払われているか、未払い賃金や手当はないか、労働時間管理をしているか、時給者の賃金は最低賃金を下回っていないか等をチェックします。

②休日や年次有給休暇を取得させているか、慢性的に長時間労働になっていないか等をチェックして防止、予防策を求められます。 

③残業がある時は時間外労働協定届が出されているか、賃金台帳、出勤簿、労働者名簿は作成されているか、労働条件は明示されているか等がチェックされます。

④10人以上事業場では就業規則の作成届出がされているか、内容が法令や事業所の現状と適合しているか等チェックがあります。

⑤安全衛生関連では年1回以上の健康診断(深夜業は年2回)は実施されているか、50人以上事業場では衛生管理者、産業医等の選任届出、新しくストレスチェック制度が始まりますのでこの先はここも見られるようになるでしょう。

2016年02月08日

海外からダウンロード購入する電子書籍等への消費税課税

消費税の落とし穴

消費税は基本的に、日本国内での商品の販売と役務の提供に課税されます。

内国消費税ですから「外国で消費されるものには課税しない」という考えに基づくものです。

海外の業者が国内の消費者等に商品を販売した場合でも、商品が動けば輸入時に消費税は課税できました。

役務の提供は空間的に限定されるため、海外の事業者が国内の消費者等に大量に役務を提供することは想定外でした。

ところがインターネットの普及により海外の業者(アップルやアマゾンなど)から行われる電子書籍・広告の配信等のサービスが急速に普及し、これには消費税がかかりませんでした。

しかし同様のサービスを国内で行っている国内の業者には8%の消費税が課税され価格面で国内の業者が圧倒的に不利な立場にありました。

消費税における内外判定基準の改正

平成27年10月1日から、海外から行われる電子書籍・広告の配信等のサービスの提供について消費税が課税されることとされました。

それまでは、インターネット等を介して行われる役務の提供について、役務提供者の住所地によって国内取引か国外取引かの内外判定が行われていましたが、今後は、提供を受ける者の住所地で内外判定が行われることになりました。

海外からのダウンロードと消費税の課税

海外の業者から音楽や電子書籍をダウンロードする際、いままで消費税は発生していなかったのに、これからは消費税が課されるのです。

インターネットの世界では国境がなくなっていますが、今回の税制改正で国内事業者が受けてきた消費税課税での国外事業者との価格競争の不利益がようやく解消されることになったのです。


課税方式はちょっと面倒

課税方式は、役務の提供を行った者が国外事業者である場合、「事業者向け電気通信利用役務の提供」であれば、受ける側の事業者の消費税申告に織り込み、申告・納税する「リバースチャージ方式」です。

一方、「消費者向け電気通信利用役務の提供」であれば「国外事業者申告納税方式」となり、役務を提供する側の国外事業者が日本の税務署に申告・納税を行います。

そのため、値段は上がりますが、消費者側での納税手続きは不要です。

2016年02月05日

食事会は株主総会か

議事録は作成しなければならない

役員に対する退職慰労金の支払いは、株主総会承認事項です。

総会や取締役会などの議事については議事録を作成すべきこととされていますので、遅れたタイミングででも作成しておくべきです。

議事録がないため株主総会の開催の有無を訴訟で争うことになった事案があります。


誕生会の食事会は総会にあらず

納税者側は、株主総会を開催した証拠として、「5:00 家族 食事会」との記載のみがある原告役員の手帳を示したのですが、税務署は、同食事会がその役員の誕生日を祝うために開かれたものであり、その席上で話し合われた内容についてメモ等による記録も取られていないことなどによれば、同食事会は、単なる親族の食事会であったものとみるのが自然かつ合理的であると主張しています。

議事録の存否は総会の存否にあらず

開催当時に作成した議事録が存在しないからといって、株主総会及び取締役会が開催されなかったということにはならないし、株主は原告役員及びその親族の僅か4人であることに照らせば、親族での食事会における話合いの結果をもって、原告が株主総会としての決議としたことが特段不自然、不合理であるということはできず、株主全員による決議であることに照らせば、その有効性にも特段問題はないというのが、納税者側の主張でした。

尋問等による丁寧な審理の裁判

裁判は公判法廷にて口頭弁論により主張を戦わせることになっているのですが、税務訴訟の場合、実際は、準備書面を事前に提出し、法廷では、準備書面を陳述しますと言うだけで、口頭弁論は終わり、次回日程を決めて、5分で終わるのが通常です。

しかし、本件税務訴訟は、裁判官の訴訟指揮が丁寧で、資料の不足は関係者への尋問により、事実関係を明らかにしていました。

その結果、総会及び取締役会はいつも食事会を兼ねて、月に2度ほど開催し、登記が必要なときは司法書士に内容を伝えたうえで議事録作成を委任し、今次の場合も、総会たる食事会で代取辞任表明と退職慰労金の支給と委細の取締役会への委託決議をしていることを明らかにしています。

税額計算の記録や、納税の手続、分納申請書類の存在が、裁判官に好印象を与えたのかもしれません。

2016年02月04日

マイナンバー対象書類の見直し・記載の省略

マイナンバー対象書類の見直し・記載の省略


マイナンバーの利用が始まりましたが、平成28年度税制改正では、マイナンバー記載の対象書類の見直しや2回目以降の扶養控除等申告書への記載省略が盛り込まれています。

(1)マイナンバー記載の対象書類の見直し

マイナンバーを収集する場合、本人確認手続等の負担が増加することを踏まえ、税務関係書類(申告書及び調書等を除く)のうち、次に掲げる書類について、提出者等の個人番号の記載を要しないこととします。

①申告等の主たる手続と併せて提出されることが想定されること、または申告等の後に関連して提出されること等から、マイナンバーの記載を要しないと認められる書類

・所得税の青色申告承認申請書・消費税簡易課税制度選択届出書・相続税延納物納申請書・納税の猶予申請書 など

②税務当局には提出されない書類であって、提出者等の個人番号の記載を要しないこととした場合であっても、所得把握の適正化・効率化を損なわないことから、マイナンバーの記載を要しないと認められる書類

・非課税貯蓄申込書・財産形成非課税住宅貯蓄申込書・非課税口座廃止届出書 など


①は平成29年1月1日以後、②は平成28年4月1日以後に提出すべき書類について適用されます。


(2)扶養控除等申告書等における個人番号の記載の省略

給与等の支払者に対して次に掲げる申告書の提出をする場合において、支払者が過去に提出済の個人番号を記載した書類を管理しているときは、個人番号の記載を要しないものとします。

①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

②従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書

③退職所得の受給に関する申告書

④公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

この改正は、平成29年分以後の所得税について適用されます。

改正前は、原則は記載省略は出来ず、省略する場合には、「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨を記載した上で、給与支払者が確認した旨を扶養控除等申告書に表示する必要がありましたが、今回の改正で、これらの記載をする必要もなくなりそうです。

2016年02月03日

公正な会計処理基準

法人税は公正なる会計処理を前提にする

法人税で定める「公正処理基準」とは何かについて、これを争点とした訴訟がありました。

役員退職給与の分割支給時費用処理の是非が論点です。

納税者の主張する更正処理基準

納税者の主張は次のように要約できます。

(1) ①会計慣行又は会計基準に従ったものであり、②公平な所得計算という要請に反しないという2つの要件を満たしていれば更正処理といえる。

(2) ①株主総会等での決議時全額費用計上、②各分割支給日事業年度で分割額を費用計上、の二つが会計慣行として確立している。

(3) 多くの税務署関係者の解説書、多数の税理士のウェブサイトが(2)に言及し、広く知られるに至っていることは、その会計慣行化の証しである。

税務署の主張する更正処理基準

税務署の主張は次のように要約できます。

(1)支給時に費用として計上することを許容する会計処理の基準や会計慣行はない。

(2) 企業会計原則や中小企業の会計に関する指針は、費用の計上について、発生主義を採用し、確定債務を支払時の費用として計上することを許容するとはしていない。

(3) 分割支給時費用化の会計処理は、決算状況を見ながら支給の有無、額や時期等を決定し、恣意によって所得金額の調整計算を行うことを認めることになるものであるから、法人税法の企図する公正な所得計算という要請に反するものであって、とても公正処理基準とはいえない。

裁判所の示した更正処理基準

裁判所は次のような見解を示しました。

(1) 公正処理基準は、明文化された特定の会計基準自体を指すものではなく、確立した会計慣行をも広く含むものである

(2) 通達は、実態がないところで作られたのではなく、実態を前提として規定されたものであるはずで、支給年度損金経理は、既に相当期間に亘り、相当数の企業によって採用されていると推認でき、役員退職給与を分割支給する場合における会計処理の一つの方法として確立した会計慣行であるということができる

(3) 中小企業においては、会計基準よりも税務会計に依拠している実態があり、そのような中小企業においては、通達に依拠した支給年度損金経理は、一般に公正妥当な会計慣行の一つといえる

2016年02月02日

ふるさと納税の最終調整

地方の自主財源にも険しい道

地方自治体は、条例により法定外税(=法律で決まっている税以外のもの)の新設ができることとされています。(地方税法第259条・地方自治法第14条等)

すなわち、独自の財源を条例で制定できます。

実際に、核燃料税(福井県外10県)、別荘等所有税(静岡県熱海市、)などが制定され、平成25年度決算額で355億円(地方税収額に占める割合0.10%)~平成27年4月1日現在の総務省資料による~の税収があります。

しかしながら、税収に占める割合はわずかなものであり、自治体が独自に税制を設けても、納税者から違法であるとして訴えられ、税制の存在が否認されてしまうこともあり、なかなか容易な話ではありません。

実際に、神奈川県では臨時特例企業税条例の制定で税収増加を目論みましたが、平成25年3月21日の最高裁判所の判決において、違法・無効とされ、既に納付された臨時特例企業税を過去10年に遡り返還することとなりました。

創意工夫による税収の拡大合戦!?

なかなか厳しい税収拡大の道ですが、納税者が悦んで、かつ、自ら進んで税金を納付してくれる制度があります。

昨今過熱気味とも言われている「ふるさと納税」です。

平成27年からは納税者に優しい制度に変わっています。

国の措置として、5つの自治体までは確定申告が不要となる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」ができ、特例控除限度額も2倍に引き上げられています。

また、自治体側もいままで年1回だった御礼の特産品の送付制限を撤廃するところも増え、ますます熱を帯びています。


確定申告に挑戦

ふるさと納税の限度額は、その年の所得によります。

その年の所得は、12月の給与や賞与が決まるとほぼ確定します。

限度額ギリギリまでふるさと納税をするためには、12月にその年最後の年末調整をした給料をもらってから、少し頑張って限度額計算をしなければなりませんが、その価値は十分あります。

2016年02月01日

「一時に」とは「一時に一括」かどうか

「一時に」とは

「退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与」という所得税法の規定にある「一時に受ける」について裁判で争ったものがあります。

一時とは、一度、一回、一括などの意味なのか、ということについてです。

税務署サイドの主張

退職所得とは、給与の一括後払いとして一元的に性格づけることができ、給与所得と退職所得の違いは、支給の態様とタイミングの相違にすぎないものであることに鑑みると、退職所得に該当するためには、その支払時期、支払方法(支給の態様)において、「退職により一時に受ける給与」と同視できるようなもの、すなわち、一時に一括で支払われるようなものでなければならないと解すべきであり、支払いを決めた最初の時点において、「一時」に一括で支払うことを予定しないで、まして、不確定な数年先での抽象的な支払予定に止めるなどは、実質的にみて一時金要件を満たさないことは明らかである、と税務署サイドは主張しました。

納税者サイドの主張

「退職により一時に受ける給与」との定義からも明らかなとおり、「一時に」支払われれば足り、「一時に一括で」支払われるべきことを法律は要求しておらず、退職年金のような定期的、継続的な支給でないことが明確であれば、それでよいわけで、世の実例としても、退職慰労金が分割支給されることは少なくなく、所得税の通達や、国税庁のホームページに公表されている質疑応答事例においても、退職金等が分割支給され得ることを前提としている、と納税者サイドは主張しました。

裁判所の示した判決

退職を基因として支払われる金員が、年金として定期的、継続的に支給されるものでなければ、「一時に受ける」ものに該当するのであり、複数回にわたって分割支給されたからといって、そのことのみをもって、当該金員が一時金要件を満たさないということができないことは明らかで、所得税通達が退職手当等の分割払等をする場合の源泉徴収税額の計算等について定めており、また、国税庁が、その通達の内容をホームページにおいても公表している、と裁判所も納税者と同じ見解を示しました。


TOPサイトマップお問い合わせ会社概要

Copyright(C) Japan Tax Service.All rights reserved