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2014年03月 アーカイブ

2014年03月31日

ビジネス用文書の種類

トラブルなく仕事を進めるための文書

仕事上の情報の伝達は、間違いがないように「文書」により行うことが通例です。

近年は紙面でなく電子メールの伝達が増えていますが、文書主義の原則という点では変わりません。

ビジネス文書には証拠能力や正確な伝達といった重要な役割があります。

社内用と社外用とがあり、主なものを見てみます。


社内文書の種類

①伝達の流れで上下各々に伝達する文書

稟議書・・案件の決済を求める場合

上申書・・権限のない事項の上部の意見・希望を求める

報告書・・業務の状況や結果等を報告する

通 達・・社内の全員に対して、統一した行動を命令・指示する

指示書・・業務上の指示を与える

②部門間で連絡しあう文書

通知文書・・実施、開催、処理事項の通知

回覧文書・・通知事項や資料を回覧

依頼文書・・特定の事項の処理を依頼する

照会文書・・業務上の内容を問い合わせる

回答文書・・照会文書に対する回答書


社内文書は簡潔に書くことが求められます。

前文や挨拶文は必要なく、丁寧語は必要最小限、ですます調で箇条書き部分はである調が適当です。

同一文を多数に発信する時は○○各位等と記すとよいでしょう。


社外文書の種類

① 商取引上の文書(法律上の契約は除く)

通知状・・会議の開催や社屋移転等の通知

案内状・・行事、式典、新規業務案内等

依頼状・・見積書やカタログ送付等の依頼

注文書・・商品購入等を申し込む

督促状・・相手にある行為を促すとき


② 社交的な文書

挨拶状・・開業、移転、年賀、暑中見舞等

招待状・・行事や式典、催事などに招く

お礼状・・面談、催事出席、商品購入等の行為に対しての御礼

詫び状・・こちらの行為に対して詫びる時

見舞状・・被災や病気見舞等相手を慰める


社外文書は社外の人にこちらの意思、希望を伝えるための文書であり重要な役割を担っています。

用件をわかりやすく気配りのある敬語、丁寧語を使い、文が複雑で長くなるときは別記や箇条書きをするとわかりやすくなります。

企業活動を円滑に行うため正確に伝えることを心がけましょう。

2014年03月28日

確定申告の誤りに気づいた時

確定申告も終わり、ホッと一息ですが、終了後の資料を整理している最中、計算の誤りや領収書の漏れ、特例計算の失念などに気づくことがあります。この場合の手続きについてです。

納税額が過大(還付金額が過少)

計算誤り等によって、納税額が過大又は還付金額が過少であった場合には、「更正の請求」という手続きをすることによって、過大部分については、戻してもらうことができますし、還付金額の過少部分についても増額してもらえることができます。

この更正の請求ですが、法定申告期限から5年以内にすることができますが、確定申告の義務のない人については、その提出した日から5年以内となっています。


納税額が過少(還付金額が過大)

一方、納税額が過少または還付金額が過大であった場合には、修正申告をして不足納税額を納め、また、還付金についても過大部分を返還します。

この修正申告が自主的(調査等により更正を受けることを予知して提出されたものでない)になされた場合には、修正申告に伴う延滞税は賦課されますが、税額過少(還付過大)に伴う過少申告加算税は賦課されません。

しかし、これら修正が税務調査等に基づくものである時は、原則、過少申告加算税が賦課されます。


特例計算の失念等

平成22年分の確定申告までは、特例計算、例えば、「変動所得及び臨時所得の平均課税」を適用すれば納付税額を減額できたにもかかわらず、その適用計算を失念してしまった場合には、これらの計算は当初申告が要件であることから、更正の請求が求められませんでした。

しかし、平成23年分の確定申告から、「当初申告要件」の一部を除き大部分が廃止され、更正の請求が可能となっています。

また、控除税額の限度額計算においても、当初申告の際に記載された金額が限度とされていました。

「外国税額控除」などがその一例です。

これも、更正の請求により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除額を増加させることができることとなっています。

万一、特例計算の失念等で納付税額が過大になっていたときは、更正の請求をしてその訂正を求めましょう。

これら更正の請求は、いずれも法定申告期限から5年以内にすることができます。

2014年03月27日

振込手数料と持参債務

口座振込で商品代金等を支払う際に振込手数料を差引いて支払っていませんか?

業界によっては商慣習として半ば当然のように振込手数料を差引いて代金等を支払っていると思います。

しかし、振込手数料を相手方負担とする合意があれば別ですが、合意が無ければ法律上は債務を全額弁済したことになりません。

民法484条は「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。」と定めています。

別段の意思表示がない限り、特定物の引渡しを除いては、債権者の住所にて弁済をしなければならない、いわゆる「持参債務の原則」を定めています。

商品代金やサービスの対価を口座振込みにより決済する場合にも、持参債務の原則は適用され、債権者の口座に入金されて初めて弁済がされたことになります。

また、民法485条は「弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。」と定めています。

振込手数料も「弁済の費用」に該当することから、債務者負担が原則です。

馴染みの取引先との合意の上で振込手数料を債権者負担とすることは問題ありませんが、合意が無い限り、振込手数料は債務者負担が原則であることは知っておいてください。

債権者に何の断りもなく振込手数料を差引いて支払っても債務を全額弁済したことにはならないので注意が必要です。

2014年03月26日

外国人雇用時の面接の確認ポイント

留学生や家族滞在者のアルバイト

外国人の方が持つ在留資格(≒ビザ)の中には、原則的に就労することができない(就労が本来の目的ではない)ものもあります。

その代表的な例が「留学」や「家族滞在」の在留資格であり、アルバイトを募集する際に目にすることが多いのがこの2つの在留資格です。

今日は、こうした「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ外国人をアルバイト採用する場合、採用前に確認したいポイントを紹介します。


確認の基本はパスポートと在留カード

先述のとおり、在留資格が「留学」や「家族滞在」の場合、原則的に就労することはできません。

留学生は勉強すること、家族滞在者は家族の扶養を受けながら日本で生活することが本来の目的だからです。

そうは言っても、働くことが全く否定されているわけではなく、資格外活動許可と呼ばれる許可を取得すれば、週28時間まで(留学生の場合、学校が長期休業中は1日8時間まで)のアルバイトが許可されます。

資格外活動許可を受けているかどうかはパスポートや在留カードに記載されていますので、在留期限と合わせて確認します。

もし、資格外活動許可がなかった場合は取得するよう伝え、許可されるまで絶対に働かせてはいけません。


資格外活動許可の制限

資格外活動許可は本来持っている在留資格の目的外で許可される活動ですので、本文である勉学などを妨げないため、時間数の他、就労先についても若干制限されており、風俗営業関連店舗での勤務は認められません。

ここでいう風俗営業とは、風営法に掲げられる営業を指すため、キャバクラやスナックだけでなくパチンコ店、ゲームセンターなども働くことができません。


アルバイトの掛け持ちにも要注意!

近年、アルバイトのし過ぎにより在留期間の更新が不許可となる事例が増えています。

特に、1か所では28時間以内の勤務に抑えているものの、他社との掛け持ちでこれを大幅に超えてしまうというケースが見受けられます。

このような場合、ほかでアルバイトをしており、合計が28時間を超えると知っていながら勤務させていた雇用主が、不法就労助長罪という罪に問われる恐れもありますので、

掛け持ちがわかった場合は勤務時間数の管理に一層の注意を払う必要があります。

2014年03月25日

家庭用動産の評価額

家庭用動産の評価

相続税の財産評価作業が終盤に入ってくると、相続人の方に相談するものの一つに家庭用財産の評価があります。

一般動産の評価については、財産評価基本通達に定めがあり、原則として1個又は1組ごとに評価しますが、家具や衣服、電化製品、書籍、アクセサリーなどの家庭用財産は、1個又は1組の価額が5万円以下のものについては一世帯ごとに一括して評価してよいものとされています。

宝石や骨とう品、自動車など個別評価できるものは除き、残りのものは「家庭用財産一式 ○○万円」と評価明細書に記載することが一般的です。

これらは程度の差こそあれ、どの家庭にも必ず保有されるものですが、所有関係が必ずしも明らかでないものや亡くなられた方の生活スタイルや経済観念など個別性がかなりあるでもあり、具体的な把握は誰であっても相当難しいものであるという性質があります。


昔は家屋の固定資産税評価を用いていた

最近ではあまり用いられませんが、自用家屋の固定資産税評価額×3~4割という取扱が行われた地域もあったようです。

昭和61年にはこの簡便算式を用いた判例もあります。

固定資産税における家屋の残存価額は20%ですので、もし耐用年数を経過した家屋に故人が居住していたとするならば、取得価額×20%×30~40%で取得価額の6~8%となります。


損保会社や所得税(雑損控除)の考え方

損害保険会社が火災保険契約時に家財の金額を見積もる場合には、世帯主の年齢と家族構成(人数)で求める簡易の算定表があります。

それより更に簡便ですが、同じような考え方のものが所得税の雑損控除にも用いられています。

2014年03月24日

ノルマと目標

目標管理制度で設定された「目標」が、「ノルマではないか」と、社員の間でよく議論されることがあり、一般に「上司から押し付けられた“ヤラサレ感がある目標”」と言う意味で使っているようです。

社員が、押し付けられたと感じている目標は、達成意欲が伴わず、したがって達成の可能性も低くなります。

特に本人の能力の幅や深さ、言い換えれば裁量の程度が、達成度に大きく影響する企画、立案型の業務目標では、本人の達成意欲が欠落すると、決定的に達成が不可能になりかねません。


達成意欲が伴う目標設定

「ノルマ」とは、ロシア語で“半強制的に与えられた労働の基準量”と言う意味で、本来的に“納得して受けた目標”と言う意味を持っていません。

そこで、社員が納得し、達成意欲を持って取り組める目標設定が必要、不可欠になります。

目標管理制度の年間サイクルの運用実務では、最初に目標設定を行ないますが、その際、達成プロセスのスタートに当たって、管理者が社員の納得と達成意欲を伴う目標設定へ誘導するマネジメントを行なえるよう、次の手順を参考例として紹介致します。

1.目的の確認:上位目標からカスケードダウン(段階的細分化)された自部署の目標を更に部下の目標へ、押しつけにならぬように納得性を持って細分化する。


2.目標設定の手順

(1)あらかじめ、自部署の目標から担当者に細分化する目標の腹案を検討、準備し、担当者との面談に臨む。

(2)担当者との面談で、自部署の目標設定理由となる上位目標が設定された背景と、自部署の役割から目標に細分化された理由を説明し理解を求める。

(3)自部署の目標を、担当者に細分化する理由(担当者の役割、能力、及び期待貢献、同僚との分担関係など)を説明し、質疑応答を十分に行い、理解を求める。

(4)担当者に考える時間を与えた上で目標案を提示してもらう。

(5)担当者の目標案と (1)とに相違があれば、率直、かつ真剣に意見を述べ、担当者の理解、納得を求める。

トップは、管理者がこのような納得性と達成意欲を持った目標設定誘導マネジメントに取り組めるよう、研修等の機会をつくって支援すべきです。

2014年03月21日

退職後の健康保険の選択肢


通常、企業に勤務している間は、会社の加入している健康保険に加入しているので病気やけがをした時は必要に応じて保険給付を受けられます。

しかし退職後はいずれかの医療保険を自分で選択し、新たに別の制度に加入する必要があります。

一般的には国民健康保険に加入するか、退職時の健康保険を任意継続するケースが多いようです。


退職後に加入できる医療保険

退職後すぐに再就職する場合を除き、次の4つの選択肢があります。


①自分の居住地の国民健康保険に加入する

自営業者や定年退職者、フリーター等他の医療保険に加入していない方で原則として被保険者、被扶養者と言う区別はなく、加入者全ての人が被保険者となります。

医療費の3割が自己負担です。

保険給付は所得保障の傷病手当金はありません。

保険料の算定方法は市町村により異なりますが、所得割、資産割、平等割、均等割等の組み合わせで前年所得の住民税額を基に計算されます。

手続は退職日の翌日から14日以内に市町村の窓口で行います。

②退職前の健康保険を任意継続する

退職日までに継続して2か月以上健康保険に加入していた方は任意継続被保険者になれます。

また、被扶養者も加入できます。

保険料は今まで会社が負担していた保険料額と自己負担額を合わせた額となりますが上限設定があり、標準報酬が28万円です。

最長で2年間加入でき、毎月の保険料の納付期限10日までに納付しないと納付期限の翌日より資格が無くなりますので注意が必要です。

手続は退職日の翌日から20日以内に加入していた健保組合や居住地の年金事務所で行います。

③配偶者、親、子の被扶養家族になる

家族が加入している健康保険の被扶養者となれる条件は年収が130万円未満(60歳以上や障害者の方は180万円)であって被保険者の収入の2分の1未満であること。

年金や失業給付を受けていてこの額を超える時は被扶養者にはなれません。

④特定健康保険組合の特定退職被保険者

厚労大臣の認可を受けた健康保険組合に退職時に加入していた方で厚生年金加入期間が20年以上あるか40歳以降10年以上ある方で老齢厚生年金受給資格のある方です。

保険料は組合ごとで異なります。

2014年03月20日

裁判所と消費税増税

4月1日からの消費税増税に向けて各業界で準備が慌ただしくなってきました。

我々弁護士が提供するリーガルサービスは、消費税の課税対象になる「役務の提供」に該当するために、4月1日以降に行った役務提供については8%の消費税(及び地方消費税)をご請求しなければなりません。

消費税増税にあまり影響が無さそうな裁判所ですが、先日、影響を感じることがありました。

訴訟や調停の手続きをする際に、裁判所が送達等に使う郵券(郵便切手の事を裁判所では「郵券」といいます)を収めなければならないのですが、4月1日以降の郵送に備えて、大量の1円切手を用意しなければならなくなりました。

例えば、東京家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる場合には、郵券3,100円分(80円×20枚、50円×20枚、20円×10枚、10円×30枚)を従前は収めればよかったのですが、消費税増税に備えて、20円切手を8枚に減らし、その代わり、1円切手を40枚用意しなければならなくなりました。

私のように変更を知らないで申立てをする代理人は、申立受付から地下1階の売店まで走ることになります。

来年10月の消費税再増税の際にも、今回と同じようにバタバタしてしまいそうです。

2014年03月19日

相続人なき遺産の行方

国庫に帰属するのが原則

相続人が存在しない場合には、その相続財産は国庫に帰属するのが原則です。

しかし、故人(被相続人)と長年同居していた内縁の配偶者のように、被相続人と一定の関係のある人を素通りして、国庫に財産が移行しては、被相続人の意思に反し、不合理だという見方もあります。

特別縁故者への相続財産の分与

そこで、民法は、相続人が存在しないことが確定し、かつ、被相続人の特別の縁故があった者の申立に対し、家庭裁判所が相当と認めるときは、相続財産の全部または一部を与えることを認めております。

特別縁故者とは


①被相続人と生計を同じくしていた者

長年同居していた内縁の配偶者、事実上の養子あるいは養親、継親子、子の妻がこれにあたります。

②被相続人の療養看護に努めた者

被相続人と生計を共にせずとも、被相続人の療養看護に努めた親族、隣人、知人等がこれに該当します。

家政婦や看護師でも報酬以上の多大な献身があれば、これに該当する可能性もあります。

③その他被相続人と特別の縁故があった者

①②に準ずるような密接な関係で、被相続人が遺言していればその者に遺贈していたであろうと考えられる程度の者がこれに該当します。

他人でもよく、自然人だけでなく法人でも認められます。

例として、被相続人が経営者として私財を投じて財政的基盤の確立に努め、指導理念や行事に関与して、その発展に大きく寄与した学校法人、や養老院があります。

手間と時間がかかり、微妙な判断になることもある

先に相続人が存在しないことを確定させるために、利害関係者または検察官が相続財産管理人の選任を申し立てます。

管理人による管理業務がなされた後、家裁から相続人捜索の公告をなし、その期間(6か月)が経過し、相続人がいないことが確定して初めて特別縁故者による分与請求ができます。

裁判所による判断は裁量に委ねられ、具体的・現実的に存在した被相続人との縁故の濃淡で判断されることになります。


2014年03月18日

平成25年の類似業種株価の動向

41年ぶりの高水準~日経平均年間上昇率

平成25年の日経平均は12/30に16,320円と年初来高値を更新し、終値で16,291円となりました。

これは前年末(10,395円)から56.72%増にあたり、昭和47年(92%)以来の高水準で、世界的にも1位ドバイ(107.69%)、2位アルゼンチン(88.87%)、3位アブダビ(63.08%)に次いで4位であったそうです(産経新聞)。

中でも「証券・商品先物取引業」(+78%)、「不動産業」(+62%)、自動車など「輸送用機器」(+53%)、「情報・通信業」(+83%)の上昇が目立ちました(日興アセットマネジメント)。


平成25年分の類似業種株価も高水準

先月、国税庁よりH25年の11・12月分の類似業種比準株価が公表され、1年分の数値が出揃いました。

類似業種株価で年間上昇率(12月株価/前年平均)を取ってみたところ次のようになりました。

高上昇率の類似業種(上位5業種)

①その他の金融業・保険業(中99) 223.2%

②金融商品・商品先物取引業(中98)192.5%

③職業紹介・労働派遣業(中119) 160.6%

④無店舗小売業(中94)      159.8%

⑤不動産取引業(中101)     121.5%

類似業種株価は上場企業を標本会社に採っているものですので、概ね新聞報道等の通りとなるのは当然ですが、標本会社からは比準要素がない会社などは除外されていますので、より高収益の会社がサンプリングされているものと思われます。

一方、低上昇率であった業種は次のとおりです。

低上昇率の類似業種(下位5業種)

①電気業(中56)         10.6%

②その他の食品製造業(小15)   13.0%

③パルプ・紙・紙加工製造業(中18)  14.2%

④情報通信機器器具製造業(中50) 16.4%

⑤電気・ガス・熱供給・水道業(大55) 17.5%


平成25年の評価

贈与税申告に用いられる取引相場のない株式の評価のベースとなる類似株価(A)は、前年平均株価と評価月以前3か月の各月平均株価のうち最も低い価額が採用されますが、類似業種121業種中、約半分の58業種は、1年間のどの株価も前年平均以上であるため、前年平均の株価が採用されることになります(その他の63業種も月により前年平均株価が採用されるものがかなりあるでしょう)。

2014年03月17日

売電所得と消費税

売電収入と所得の分類

会社員が自宅に太陽光発電設備を設置し固定価格買取制度に基づき売電する場合の所得は通常、雑所得に該当します。ただし、売電のみで雑所得が20万円を超えることは極めて稀なので、他に給与以外の所得がなければ一般的には確定申告不要です。

なお、不動産賃貸用のアパートに設置した場合や、自営業者で自宅兼店舗として利用している建物に設置した場合などでは、不動産所得や事業所得に分類されます。


売電収入と消費税の課税・非課税

所得税で申告不要なケースでは、売電収入の総額が1000万円を超えることはありえないので、消費税においても申告を要することにはなりませんが、売電行為は反復、継続、独立して行われるものなので、消費税法上の「事業として対価を得て行う資産の譲渡等」に該当するのか、否か、ちょっと考えてみたいと思います。


会社員の余剰電力売却のケース

会社員が生活用として設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合の余剰電力を電力会社に売却したものは、消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っていることに該当するものなので、消費税法上の「事業」としての資産の譲渡には該当しません。

従って、事業者ではない者が行う余剰電力の売却は、金額がいくら嵩んでも課税対象となりません。

また、設備投資にかかる消費税の還付を受けるためにとして課税事業者を選択する手続をしても、もともと事業者ではないで、効果のない手続きとなります。


会社員の全量売電のケース

ところで、会社員が自宅で行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。

会社員が行うこの全量売電は、電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、課税の対象となります。

2014年03月14日

消費税法の事業開始日

個人事業者の場合

所得税においては、「事業を開始した日」はいつか、についての特段の定めはありません。

現行の課税実務では、事業開始のための開業準備行為をした日が事業開始の日ではなく、原則、具体的に事業または業務を始める段階に至った日を事業開始日として取り扱われています。

一方、消費税の場合ですが、消費税では、基準期間のない事業者でも「課税事業者選択届出書」を提出することで、事業開始の日の課税期間から課税事業者となることができます。

それでは、「事業開始の日」はいつからか、ですが、所得税のように具体的に事業を始めた日ではなく、その準備行為に着手した日、との判断が示されました。

上記のように、事業開始日の解釈について所得税と消費税とで異なるようでは、事業開始のための準備期間と事業開始日の年が異なるような場合において、所得税の規定に準じて事業開始日後2か月以内に青色承認申請書を提出し、かつ、その年中に課税事業者選択届出書を提出したとしても、消費税においては、準備行為に着手した日の年または課税期間に課税事業者選択届出書を提出していない限り、原則どおり翌課税期間から課税事業者となり、実際に事業を開始した日の課税期間に消費税の還付が受けられなくなる、という納税者にとっては不測の事態を招来させてしまいます。


法人の場合

消費税法上、文理解釈を前提する限り、法人の場合も同様、準備(設立)行為に着手した日が事業開始日となります。

しかし、設立中の法人には権利能力がないことから、課税実務では、次のような解釈で事業開始日を巡る課税上の弊害を回避しています。

「事業(課税期間)開始日は、法人の設立の日とし、法人の設立期間中に当該設立中の法人が行った資産の譲渡等及び課税仕入れは、当該法人のその設立後最初の課税期間における資産の譲渡等及び課税仕入れとすることができる」というものです。

2014年03月13日

裁判官の転勤

裁判官は概ね3年に1度転勤があります。

勤務地との癒着を避けるためとキャリアアップ(左遷も?)がその主な理由かと思います。

民事訴訟で長期間にわたり法廷で担当裁判官にお会いしていたのに、4月に入ったら突然新しい裁判官に変わっていたということがあります(ちなみに、裁判官の転勤情報はインターネットで調べれば掲載されています)。

訴訟の始めの段階ならまだ良いのですが、証人尋問や当事者尋問などを終えて、「いざ判決」という段階になって裁判官が交代する場合もあります。

裁判官が変ったからといって初めから訴訟をやり直す訳ではなく、従前の口頭弁論の結果を当事者が陳述して「弁論の更新」(民事訴訟法249条2項)が行われて引き継がれます。

実際には、新裁判官が「陳述しますね」と聞くので「はい」と答えるだけで弁論の更新は終わります。

民事訴訟の主張立証及び尋問調書は書面の記録が残っていますが、裁判官が尋問等の証拠調べで直接見聞きした証人や当事者の尋問態度やイメージなどの心証は引き継がれません。

裁判官が交代して審理の行方が良くなる場合もあれば悪くなる場合もあるでしょう。

裁判官の交代があっても影響がないように、普段から準備書面(訴訟において当事者や代理人が裁判所に提出する主張反論等を記載した書面)を提出する際には、当たり前のことですが、誰が読んでも素直に理解できるように簡明かつ明快な論理を用いて主張することが大事です。

2014年03月12日

成果主義評価の注意点

「成果主義評価」と言う言葉が、企業の人事賃金制度の分野でよく使われていますが、よく考えて使わないと、とんでもない誤りを引き起こす可能性があります。


役割と成果の意味

役割とは、職位・職務上の責任、すなわち職責に、「業務の拡大・革新等のチャレンジ度を付加したもの」で、例えば、「営業課長の役割は、営業担当者をマネジメントして当社商品を販売する基本的な職責をもち、かつ顧客満足度を高めて売上高・営業利益を向上させることである。」と言うように、社員の職種・所属部門・職位などに応じて役割が与えられています。

社員一人ひとりが、自分の役割を主体的に捉えて、能力を発揮し、成果を上げようとしている企業ほど、競争力が高まることは言うまでもありません。


成果主義が引き起こす問題

社長が単純に「わが社は『成果主義』で評価して、賃金を決める。」と宣言し、社員に努力を求めた場合、社員は自分の成果を高く評価して欲しい、手柄はできるだけ自分のものにしたい、と考えて行動するようになります。

商品の販売方法でうまいやり方を見つけても、「仲間にそれを教えようとしない」、「現場の不良品撲滅ノウハウも仲間の前で発表しようとしない」と言った、自分だけが高い評価を得ようとする、あまり前向きとは言えない考え方や行動に走ることになりがちです。

その結果、職場のコミュニケーションが停滞したり、チームワークが悪くなり、会社の競争力を失わせることにまでなりかねず、実際に、この十数年間日本の多くの企業が体験してきた失敗なのです。


成果主義評価・トップの留意点

トップが管理者・一般社員に対して業績向上への努力を求めることは当然ですが、そのインセンティブとして「成果主義評価」の方針を出す場合は、成果そのものを評価する以外に次の点を評価のポイントにするのが大変重要な留意点です。

1.自分の役割に則った、ストレッチな(最大限の努力でようやく手が届く)チャレンジ度が高い成果目標を掲げること

2.自分や自部署が成果を得た方法を仲間や他部署に説明し、社内でより広く活用して、みんなで競争力を高めること、

2014年03月11日

外国籍スタッフの「所属機関等に関する届出」

「所属機関等に関する届出」とは

外国籍スタッフを雇用されている事業主様、人事担当者様は、「所属機関に関する届出」という制度をご存知でしょうか。

平成24年7月に「出入国管理及び難民認定法(通称「入管法」)」が改正され、外国籍の方の雇用や滞在に関する諸制度が大幅に変更されました。

そのうちの一つに、「所属機関に関する届出」という手続きの新設があります。

これは、就労目的の在留資格(いわゆる「就労ビザ」)を取得している外国籍の方などが、離職や就職により所属する機関(企業)が変わった場合、その旨を入国管理局へ届け出るもので、入管法改正以降に新たに在留資格を取得(変更や更新による再取得を含む)した外国人本人に義務化されている手続きです。


本人が手続きを怠ったら

先述のとおり、この手続きは外国人本人に課せられた義務であり、企業側が行う手続きではありません。
しかし、義務化されているにも関わらず本人がその手続きを怠った場合、企業が思わぬ不利益を被ることも考えられます。

入国管理局では就労ビザの許可を審査する際、その企業で何人外国籍スタッフを雇用しており、事業規模等から見て適切な外国人雇用数であるかといった点も含め総合的に審査されます。

たとえば、雇用していた外国籍スタッフが離職し、その人員補充のため新たに外国籍スタッフを採用した場合はどうでしょうか。

入国管理局が企業内における現状の外国人雇用数を把握していなかったとすると、新たに雇用した外国籍の方の就労ビザについて慎重に審査される可能性が高くなります。

「所属機関による届出」という方法

 そこで、任意ではありますが、「所属機関による」届出という手続きがあります。

この手続きは、外国籍スタッフを雇用した際、あるいは退職した際、14日以内に入国管理局へ届け出ることを努力義務とする制度です。

努力義務のため、これを行わないからと言って刑罰を科されることはありませんが、常に最新の雇用状況を報告することで、無用なトラブルや慎重審査の防止になります。

特に、多数の外国籍スタッフを雇用する企業様は、ぜひ活用されてみてはいかがでしょうか。


2014年03月10日

在職老齢年金のしくみ

60歳以後に働くと年金はカットされる?

60歳の定年を迎えてもすぐに年金が満額受給出来ない時代に入り、継続雇用を希望される方が多いのですが、働き方によっては年金の減額や支給停止になることがあります。

この仕組みを「在職老齢年金」と言います。

しかしたとえ年金がカットされても、働いて給料と年金の両方を受けとる方が年金だけの収入より合計収入は多くなります。


定年後も厚生年金に加入すると

60歳以後厚生年金に加入しながら、老齢厚生年金を受給すると年金基本月額と給料、過去1年分の12分の1の賞与額に応じて、金額の一部または全額が支給停止となることがあります。

ただし、在職老齢年金は厚生年金に加入した時に調整が行われるので、加入していない時は年金の減額や支給停止はありません。

これも1つの選択肢でしょう。


厚生年金が適用されない働き方

厚生年金に加入しない働き方は次のようなものがあります。

①1か月の勤務日数、または1日の労働時間を常用の労働者の4分の3未満に短くする

②厚生年金に加入していない勤務先で働く(例えば従業員5人未満の個人事業所等)

③自営で経営し、法人化していない


在職老齢年金計算の仕組み

在職老齢年金は①65歳未満の方、②65歳以上の方の2つの計算方法があります。

①の場合、年金基本月額と標準報酬月額と過去1年の標準賞与額の12分の1の3つの合計額が28万円を
超えなければ支給停止されません。

28万円を超えた時は超えた額の2分の1が支給停止となります。(年金月額が28万円以下、標準報酬月額と賞与の12分の1の合計が46万円以下の場合)

②の場合は老齢基礎年金と経過的加算額は給料額にかかわらず全額支給されます。

また、老齢厚生年金の12分の1と標準報酬月額と賞与の12分の1の合計が46万円以下の場合は全額支給されます。

46万円を超えた場合は超えた額の2分の1が停止されます。

年金の支給額は賞与の額に影響されます。

70歳以降働いていれば同様の扱いです。

60歳以後厚生年金に加入する方が得か損かケースにより判断は分かれますが、大切なことは、まだまだバリバリ働きたいのか、ゆっくりと働きたいのか、または退職したいのかをしっかり考えてみることが前提でしょう。

2014年03月07日

小さい子を育てている人の賃金低下による標準報酬特例

厚生年金従前標準報酬月額みなし特例制度

3歳未満の子を育てながら働いている人が短時間勤務等で給料が出産前より下がった場合、子が生まれる前月の給料額と同額とみなして年金額を有利にできる制度があります。

将来の年金額の算定をする時は従前の高い標準報酬月額で計算されますが、徴収される健保、厚年保険料は下がった標準報酬の月額変更届を提出しておくと低い標準報酬月額での算定となります。


意外と知らない有利な制度

この制度のメリットをご紹介します。

①妻が出産し、夫が育児に協力した結果、夫の給料が下がり標準報酬も下がった様な場合、夫のみなし特例の申し出をする事で夫の年金が不利にならない様にしておくことができます。

たとえ妻が専業主婦でも、育児休業中であっても対象であり、男性も利用できます。

②子の養育を開始した前月には厚生年金に加入していなかった場合でも、その前月以前1年以内に厚生年金に加入していれば、その被保険者であった直近の標準報酬月額のみなし特例を利用することができます。 


③退職後の手続きも可能です。

また、子が3歳を過ぎてしまった場合でも手続きができます。

3歳を過ぎてからの手続きで、特例期間とされるのは、申し出た月の前月から2年分だけがさかのぼりの特例期間となります。

本来、子が3歳になるまでの特例期間なので、さかのぼりできるのはその期間内です。


④特例措置を受けている人が転職で前の会社を退職し、他の会社へ異動した場合でも、子が3歳未満で厚生年金の標準報酬月額が従前より下がっている場合は利用することができます。

前の会社は資格喪失していますので、みなし特例は一旦終了しています。

したがって、転職先でも再度の申し出が必要です。


手続方法

会社を経由し「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を年金事務所に提出します。

添付書類は、戸籍抄本、住民票等です。

従前の標準報酬月額とは子の出生日の前月の標準報酬月額です。

出産後、育児休業中であれば保険料免除の申出で、保険料は免除されます。

その場合この制度の手続きは必要ありませんが、復帰後給料が下がった時には、申し出をしておくと将来受け取る年金を有利にしておくことができます。

2014年03月06日

内容証明(その2)


今回は内容証明の形式面と郵送方法について解説します。

内容証明は、①紙で送る通常の内容証明と、②電子内容証明があります。

①紙で送る通常の内容証明の場合

字数は1ページ520字以内と決まっています。

また、縦書きの場合には1行20字以内、1ページ26行以内です。横書きの場合も同じく、1行20字以内、1ページ26行以内が一般的です。

枚数の制限はありません。

料金は、1枚430円で2枚目以降は1枚につき260円加算されます。

その他に、通常の郵便料金と一般書留の料金が必要になります。

また、通常は配達証明も付ける事が多いです(差出時に付す場合には310円)。

配達証明とは、いつ相手方に到達したのかを証明するものです。

隔地者に対する意思表示は到達主義(到達した時に効力を生ずる、民法97条1項)が採用されていることから、受取人にいつ到達したのか証明するために必要です。

内容証明はどの郵便局でも受け付けている訳ではありません。

郵便認証司が勤務している規模の大きな郵便局に行って手続をする必要があります(日本郵便のホームページに各郵便局の取扱業務が載っています)。

内容証明で送る文書を3通、受取人の住所宛名・差出人の住所氏名を書いた封筒1通及び訂正に備えて差出人の印鑑を用意して郵便局の窓口で手続をします。

②電子内容証明の場合

電子内容証明サービス(e内容証明)のホームページにて利用者登録をすれば24時間いつでも内容証明を送ることが可能です。

ワープロソフトで文章を作成し、インターネットを通じて、内容証明を送ることができます。

字数も大幅に緩和されており、A4用紙に規定の余白を空ければ、書けるだけ書いて構いません(字の大きさは10.5pt以上必要です)。

料金は以下のとおりです。

基本料金82円

電子郵便料金1枚目15円(2枚目以降5円追加)

内容証明料金1枚目375円(2枚目以降353円)

謄本送付料金298円

一般書留料金430円

配達証明料金310円

電子内容証明は手軽に利用できますが、印鑑を押すことができないので、内容証明の重々しさは失われてしまいます(この点は差出人の好みだと思います)。

私自身は、電子内容証明を利用することもありますが、紙で内容証明を出すことの方が多いです。

2014年03月05日

交際費等の改正


このところ毎年のように改正されているのが交際費等の損金不算入制度です。

現行の平成25年4月1日以降開始事業年度では、資本金1億円超の大企業は全額損金にならず、中小企業の場合は、800万円までは全額損金になりますが、800万円を超える金額は損金になりません。

また、大企業も中小企業も、1人当たり5,000円以下の飲食費は交際費から除くことができます。


平成26年4月1日以降開始事業年度から、この交際費等の損金不算入制度が大きく改正されます。

大企業であっても、交際費に含まれる飲食費について、50%の額を経費にできることになります。

一人当たり5,000円基準は、今後も存続されますので、5,000円基準を適用していない飲食費が対象となります。

中小企業の場合は、800万円定額控除と50%損金算入のどちらか有利な方を選択できることになります。

交際費全体の金額が800万円以下の場合、当然、800万円定額控除を選択した方が有利となります。

交際費に含まれる飲食費だけで1,600万円を超える場合には、50%損金算入が有利となります。


消費税増税後の景気の落ち込みに備え、飲食店での接待需要を増やし、景気を上昇させる効果を見込んでの改正となります。

大企業にとっては大きい改正ではありますが、中小企業にとっては、変わらず800万円定額控除を適用する企業が大部分かと思います。

2014年03月04日

お墓の相続

お墓は遺産にあらず

相続では財産の承継のみならず、お墓を誰が守るかで揉めることがあります。

これは、どのように決まるのでしょうか。

民法は、祭祀財産を、遺産として遺産分割の対象とするのではなく、別の規定に基づき祭祀主催者が承継すると規定しております。

祭祀財産の種類は、系譜、祭具及び墳墓であり、お墓は「墳墓」に該当します。

なお、遺骨は、これ自体は祭祀財産ではありませんが、判例は、慣習に従って祭祀を主宰すべき者に帰属するとしています。


祭祀財産とは何か

祭祀財産は、遺産分割の対象外である上に、差押禁止物であり、かつ、相続税のかからない非課税財産です。

これらはわが国の祖先崇拝という習俗等を考慮したものですが、その趣旨を逸脱して、もっぱら脱法的な、あるいは、鑑賞の目的のために、祖先祭祀という趣旨を逸脱し、または、その機能が既に失われた場合には、通常の財産・遺産として扱うべきです。


誰が承継することになるのか

祭祀財産の所有者(被相続人)が死亡すると、祭祀主催者がこれを承継します。祭祀主催者は、以下の通りに決まります。

①被相続人の指定(生前行為でも遺言でもよく、口頭・書面、明示・黙示のいかんを問わない)があればその指定に従う。

②①の指定がない場合は、慣習に従う。

③①の指定も②の慣習でも明らかでない場合、①の指定や②の慣習の有無やその内容等に争いがあるような場合は、家庭裁判所が指定(審判)する。

③の指定の基準は、判例により、「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具等との間の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他の一切の事情(例えば利害関係人全員の生活状況及び意見等)を総合して判断すべきである」とされています。

2014年03月03日

相続税申告の現状

人と富は首都圏に集中

昨12月国税庁公表の平成24年分相続税の申告状況によると、死亡者数(2012年1月1日~12月31日)1,256,359人(被相続人)で、毎年すこしずつ増えています。

うち、相続税の申告数は52,394件(4.17%)、相続税収は12,514億円でした。

東京国税局だけのデータをみると、死亡者数243,951人(全国比19.4%)申告数17,193件(全国比32.8%)、相続税収は5,591億円(全国比44.7%)です。

東京国税局管内の死亡者は全国の約2割、相続税申告数の約3分の1、相続税額の半分を占めています。


全国と地域にバラつきがない

経年推移をみると、平成6年の申告相続財産の全国総額158,845億円(東京国税局57,829億円)、平成24年の申告相続財産の全国総額117,031億円(東京国税局44,553億円)で、その下落率は全国平均と各地域と類似しています。

また、平成6年での申告相続財産に占める不動産の割合(全国75.99%、東京国税局76.19%)、現預金・有価証券の割合(全国17.75%、東京国税局18.27%)も地域によるバラつきはありません。

また、平成24年においても、申告相続財産に占める不動産の割合(全国51.21%、東京国税局54.55%)、現預金・有価証券の割合(全国37.70%、東京国税局35.61%)も地域によるバラつきはありません。

現預金・有価証券の平成6年から平成24年に至る増加割合(全国156.46%、東京国税局150.18%)も地域によるバラつきはありません。


相続財産構成は大きく変わった

申告相続財産の総額は減少(全国74%、東京国税局77%)している中で、現預金・有価証券の割合は1.5倍になり、不動産の割合は5割に比重を減らしています。

申告相続財産総額の中での家屋の価額の割合は、毎年一貫して5%程度で不変なので、不動産の割合の比重の低下は土地の割合の比重の低下を意味しています。

ここのところ地価水準は横ばいから回復基調に転じつつあるようですが、相続申告事績からは確認できていません。

逆に、現預金・有価証券は平成に入ってから最高の構成比となっています。
         

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