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2013年11月 アーカイブ

2013年11月29日

ベンチャー投資促進税制

平成25年10月1日に、政府与党は「民間投資活性化等のための税制改正大綱」を公表しました。

来年4月の消費税率引き上げによって懸念される景気の底冷えに対する対応策として、通常年度の税制改正とは切り離して前倒しで決定されたものです。

「三本の矢」の一つ「民間投資を喚起する成長戦略」の第2弾であり、企業に対して減税措置等を講じることによって、企業の成長を後押しし、その成果が賃金上昇へと向かうよう促しています。


今回は、公表された大綱のなかで、新たに設けられるベンチャー投資促進税制についてご紹介します。


◎ベンチャー投資促進税制の創設

(概要)

ベンチャー企業へ投資した額のうち一定割合の金額を、投資した時点で「損失」として認識するという制度です。

ただし、ベンチャー企業への直接投資ではなく、投資会社を通じた間接投資が対象となります。


(要件)

①青色申告法人が行う投資であること。

②産業競争力強化法に規定する特定新事業開拓投資事業計画(仮)について認定を受けた投資事業有限責任組合(ベンチャー・ファンド)に係る有限責任組合契約を締結していること。

(その法人が適格機関投資家の場合には、その組合に対する出資予定額が2億円以上であるものに限る。)

③認定を受けた日以後にその投資事業有限責任組合に出資をし、かつ、同日からその投資事業有限責任組合の存続期間終了の日までの期間内に組合財産となるベンチャー企業の株式等を取得すること。

④新事業開拓事業者投資損失準備金(仮)を積み立てること。


(損金算入)

各事業年度終了のときにおいて有するその株式等の、その終了時における帳簿価額の合計額の80%額を限度として、積み立てた金額を損金算入することができることとする。

なお、積み立てた準備金は、翌事業年度に全額を取り崩して益金算入する(洗替法)。


(適用開始時期)

平成26年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。

2013年11月27日

離婚について(その2)

離婚をすることに夫婦で合意すれば協議離婚は成立します。

しかし、夫婦の一方が離婚を望み、もう一方は離婚を望まない場合も多いです。

そのような場合に話し合いで離婚の合意に至らなければ、最終的には家庭裁判所に離婚訴訟を提起する必要があります。

前回も少し触れましたが裁判で離婚請求が認められるためには、法律上の離婚原因(民法770条1項各号)がなければなりません。

そこで今回は法律上の離婚原因について解説します。


①不貞行為(同1号)

不貞とは、「配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の者との性的関係を結ぶこと」をいいます。

不貞行為は密室で行われるのが通常なので、これを直接立証するにはかなり困難を伴います。

そこで、興信所(探偵)に依頼して、ラブホテルに出入りする場面や不倫相手の自宅に出入りする場面を写真で撮って、間接的に不貞行為を推認させる証拠として提出することが多いです。

宿泊する連絡をメールでし合ったり、宿泊を伴う旅行に行った事実等も不貞行為を推認させる証拠になり得ます。


②悪意の遺棄(同2号)

悪意の遺棄とは、「正当な理由なく、民法752条が定める夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務を履行しないこと」をいいます。

例えば、身体に障害のある配偶者を自宅に置き去りにして別居し、生活費を送金しなかったような場合が悪意の遺棄に該当します。

③3年以上の生死不明(同3号)

文字通りの意味ですが、近年は本号が離婚原因になることは余り例がないようです。

④回復の見込みのない強度の精神病(同4号)

配偶者が強度の精神病に罹患したら夫婦の協力義務が生じる場面でもあることから、裁判所は本号の適用には慎重です。

⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由(同5号)

婚姻関係が破綻して回復の見込みがないことをいいます。

婚姻関係が破綻している客観的事実として別居の有無や期間が重視される傾向にあります。

前記1号から4号に該当しない事由であっても、それが原因で婚姻関係が破綻していると認められれば離婚原因になり得ます。

例えば、DV、性格の不一致、価値観の相違、性交拒否などはそれのみでは離婚原因になり得ませんが、それが原因で婚姻関係が破綻していると認められれば離婚原因になり得ます。

以上のように、単に離婚したいと思うだけでは、一方が拒否した場合には離婚はできず、その場合には法律上の離婚原因が必要になります。


次回は、婚姻破綻について責任のある配偶者(有責配偶者)からの離婚請求について解説したいと思います。

2013年11月26日

消費税転嫁対策法 禁止される表示・禁止されない表示

平成25年10月1日から施行された「消費税転嫁対策特別措置法」では、あたかも消費者が消費税を負担していない、あるいは、軽減されているかのような誤認を消費者に与えないようにするため、事業者が消費税分値引き等の宣伝や広告を行うことを禁止しています。

禁止される表示

平成26年4月1日以後における取引について、以下の表示をしてはいけません。

① 取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示

消費税は最終的に消費者が負担するものですので、消費者が消費税を負担していないかのように誤認させてしまうおそれのある表示は禁止されます。

「消費税還元セール」

「消費税はいただきません」

「消費税は当店が負担しています」

「消費税はおまけします」

「消費税はサービス」

「消費税は転嫁しません」

「消費税は一部の商品にしか転嫁していません」

「消費税を転嫁していないので、価格が安くなっています」

「当店は消費税増税分を据え置いています」

② 取引の相手方が負担すべき消費税を値引きする旨の表示であり、消費税との関連を明示しているもの

消費税分を値引きする旨の表示は、消費者が実質的に消費税を負担していないかのように誤認させてしまうおそれがあるため禁止されます。

「消費税率上昇分値引きします」

「消費税8%分還元セール」

「増税分は勉強させていただきます」

「消費税率の引上げ分をレジにて値引きします」


③ 消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示

消費税分の物品、金銭、映画のチケット、ポイントサービスにおけるポイントなどの「経済上の利益」を消費税に関連して提供する旨の表示は、消費者が実質的に消費税を負担していないかのように誤認させてしまうおそれがあることから禁止されます。

「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」

「消費税相当分の商品券を提供します」

「消費税相当分のお好きな商品1つを提供します」

「消費税率の引上げ分を後でキャッシュバックします」


禁止されない表示

宣伝や広告の表示全体からみて消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、いずれも、消費税分を値引きする等の表示には該当しませんので、この法律で禁止されることにはなりません。


① 消費税との関連がはっきりしない

「春の生活応援セール」

「新生活応援セール」


② たまたま消費税率の引上げ幅と一致するだけ

「3%値下げ」

「3%還元」


③ たまたま消費税率と一致するだけ

「10%値下げ」

「8%還元セール」


これらの違反行為が公表されてしまうと、企業イメージや信用を損ないますので、消費税に関連するような形でのセールや広告は控えたほうがよさそうです。

ガイドライン等で十分理解し、違法な表示にならないように注意しましょう。

2013年11月25日

弁護士と税理士

弁護士法第3条第2項の当然規定

弁護士法3条2項には、「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる」との規定があります。

この規定は、昭和24年の弁護士法抜本改正に際し、挿入されたもので、当時は「税務代理士」との表現でした。

戦前からある税務代理士法を廃止し、昭和26年に税理士法が立法されるに際して、「税務代理士」は「税理士」に書き換えられました。


税理士法第51・52条の業務制限規定

税理士法52条は、税理士でない者は税理士業務を行つてはならない、との規定を置き、51条で、弁護士については、所属弁護士会を経て国税局長に税理士業務を行うこと通知すれば、税理士業務を行うことができる、との規定を置いています。

弁護士法の当然規定と税理士法の業務制限規定とは、明らかに矛盾しています。


不通知弁護士への立会い拒絶事件

特に税務を意識していない通常の法律事案で、たまたま相手が税務当局だったというような場合は、さらにこの矛盾は鋭い業際関係になります。

滞納相続税の連帯納付義務の処理に関する納税者と大阪国税局との係争ではない交渉において、税理士法51条に基づく「税理士業務開始通知書」と30条に基づく「税務代理権限証書」の提出をしていないことを理由に、弁護士の同席を拒絶した、という事件が起き、訴訟になっていました。

地裁勝利・高裁敗訴・最高裁不受理確定

地裁では、弁護士は、弁護士の固有の権限として、受任した法律事務に付随するものである限りでは51条通知をしなかったとしても税理士の事務を行うことができる、としました。

高裁では、税理士法は、現行弁護士法制定(大改正)の2年後に、弁護士法3条2項の規定が存在することを前提に制定されたものであるから、税理士法51条、52条の規定が弁護士法3条2項の特別規定という関係に立っていると考えるのが妥当である、として弁護士を逆転敗訴にしました。


弁護士法と税理士法との適用関係

すでにある法律規定が存在することを前提に、別な法律で矛盾する規定を置くことになるときは、先に存在する規定を修正する立法趣旨があると解されます。

これを後法優先の原則と言います。

これを確認したような判決でした。

2013年11月22日

少人数私募債と平成25年度税制改正

社債の一種である「少人数私募債」は、比較的簡単に発行できることから、中小企業の資金調達手段として活用されるだけでなく、節税の手法としても注目されてきました。


少人数私募債

社債は大会社が発行するものと思われるかもしれませんが、次のような条件を充たせば、簡単に発行することができます。

(1)社債権者が50人未満であること

(2)社債権者に適格機関投資家(金融や投資のプロ)がいないこと

(3)縁故者に直接募集をすること

(4)社債一口の額面が、発行総額の50分の1未満であること

(5)募集総額が1億円未満であること

(6)譲渡制限を設けること

借入とは異なり、担保や保証人は不要です。

満期日に一括返済となることと毎年社債引受者に対して利息を支払う必要がありますが、月々の返済がないため、調達した資金を充分に活用することができます。

さらに、社長など役員個人が、従来より会社に貸付をしているケースがありますが、この場合、この貸付について貸付利息を受け取る役員個人にとっては、その受取利息は所得税法上の雑所得にあたるため、累進税率が適用される総合課税となり、原則として確定申告が必要となりますが、少人数私募債を引き受けた場合は、役員個人が受け取った社債利息は利子所得となり、20%の源泉分離課税で納税が完了することになります。

役員個人が高所得者であれば、税率の差分だけ節税効果が得られるという仕組みです。

平成25年度税制改正

政府は、公社債等と株式等に対する課税方式に差異があり分かりづらいこと等から、金融所得課税を一体化することによって、「貯蓄から投資」へと促し、より活発な経済活動を目指しています。

平成25年度税制改正では、金融所得課税の一体化の一つとして、少人数私募債の節税手法にメスが入れられました。

「同族会社が発行した社債の利子でその同族会社の役員等が支払を受けるものは、総合課税の対象とする」という内容です。

これは、平成28年1月1日以後に発行される公社債から適用となります。

裏を返せば、平成27年12月31日までに発行した公社債の利子については節税効果が得られるということです。

駆け込みで発行を検討する法人が増えそうですが、その資金調達が本当に必要かどうかを冷静に見極めること、そして少人数私募債を発行する際は適正な手順・適正な利率で行うことが肝要です。


2013年11月20日

離婚について(その1)

厚生労働省の平成21年の統計によると、平成20年までの数年間は年間離婚件数が25万件前後を推移しており、年間の離婚件数の婚姻件数に占める割合は3組に1組が離婚する率であると言われています。

そこで、今回は身近な法律問題である離婚について制度の概観を解説したいと思います。

離婚とは、婚姻関係を将来に向かって解消することをいいます。


離婚の形態には、①協議離婚、②調停離婚、③審判離婚、④裁判離婚があります。

①協議離婚(民法763条)

協議離婚とは、当事者双方の合意(離婚意思の合致)で成立する離婚です。

第三者が介入しない簡便な手続(離婚届を提出するだけ)であることから、離婚の多くは協議離婚の形態です。

とは言っても、協議離婚に際して、子の養育費や財産分与など当事者間で決めて置いた方がよい事項が多々あります。

未成年の子がいる場合には、最低限、親権者の指定をしなければ離婚届は受理されません。

②調停離婚

離婚について当事者双方で合意に至らなかった場合、離婚を望む当事者は家庭裁判所の調停(離婚調停)を申立てます。

離婚調停では、調停委員という第三者が双方の話しを聞いて、話し合いによる解決が図られます。

いきなり離婚訴訟を提起することはできず、まずは調停を申立てなければなりません(調停前置主義)。

③審判離婚

離婚調停が不成立の場合に家庭裁判所が相当と認めるときに職権で離婚審判がなされます(家事事件手続法284条1項)。

④裁判離婚

調停や審判で離婚に至らなかった場合には、離婚を望む当事者は、訴えを提起して裁判にて離婚を請求することになります。

ただし、裁判離婚の離婚原因は民法770条1項で法定されています。

①不貞行為(同1号)

②悪意の遺棄(同2号)

③3年以上の生死不明(同3号)

④回復の見込みのない精神病(同4号)

⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由(同5号)

が原因として必要です。

単なる性格の不一致や価値観の違いを理由とする離婚請求は認められません。


以上のように離婚の形態には4種類あります。

次回以降、離婚について更に詳しく解説します。

2013年11月19日

消費税転嫁拒否行為の是正

消費税率引上げに当たり、中小事業者を中心に、消費税の価格への転嫁について懸念が示されています。

そのため、中小事業者等が消費税を価格転嫁しやすい環境を整備するため、消費税の転嫁拒否等の行為に対して、政府が監視・取締りを行っていくとしています。

平成25年10月1日から施行された消費税転嫁対策特別措置法では、消費税率の引上げに当たって、消費税の転嫁を拒否する行為等を禁止しています。

平成26年4月1日以降に特定供給事業者から受ける商品または役務(サービス)の供給に関して、特定事業者が特定供給事業者に対して消費税の転嫁拒否等の行為を行う場合が対象となります。

適用となる特定事業者と特定供給事業者との関係は、次のように二つのパターンになります。

A 特定事業者(買手):大規模小売事業者

(売上高100億円以上、一定面積以上の店舗)

特定供給事業者(売手):大規模小売事業者に継続して商品等を供給する事業者

B 特定事業者(買手):a~cの事業者から継続して商品等の供給を受ける法人

特定供給事業者(売手):特定事業者に継続して商品等を供給する事業者

a 個人事業者

b 人格のない社団等

c 資本金3億円以下である事業者


消費税の転嫁拒否等の行為として、消費税転嫁対策特別措置法で禁止している行為は、具体的には次の五つ行為です。

①減額

特定事業者は、合理的な理由なく、既に取り決められた対価から、事後的に減じて支払うことにより、消費税の転嫁を拒否してはいけません。

次のような場合には、減額とはなりません。

商品に瑕疵がある場合や、納期に遅れた場合等、特定供給事業者の責めに帰すべき理由により、相当と認められる金額の範囲内で対価の額を減じる場合


②買いたたき

特定事業者は、合理的な理由なく、通常支払われる対価に比べて対価の額を低く定めることにより、消費税の転嫁を拒否してはいけません。

「通常支払われる対価に比べて対価の額を低く定めること」とは、具体的には、特定事業者と特定供給事業者との間で取引している商品等の消費税率引上げ前の対価に消費税率引上げ分を上乗せした額よりも低く定めることです。

次のような場合には、買いたたきとはなりません。

大量発注、共同配送、共同購入などにより、特定供給事業者にも客観的にコスト削減効果が生じており、当事者間の自由な価格交渉の結果、コスト削減効果を対価に反映させる場合


③ 商品購入、役務(サービス)利用、利益提供の要請

特定事業者は、消費税の転嫁を受け入れる代わりに、特定事業者の指定する商品を購入させたり、サービスを利用させたり、また、経済上の利益を提供させる行為を行ってはいけません。

・取引先にディナーショーのチケットの購入、自社の宿泊施設の利用等を要請する場合

・消費税の転嫁の程度に応じて、取引先ごとに目標金額を定め、協賛金を要請する場合

・通常必要となる費用を負担することなく、取引先に対し、従業員等の派遣又は増員を要請する場合

・取引先に対し、取引の受発注に係るシステム変更に要する費用の全部又は一部の負担を要請する場合
 

④ 本体価格での交渉の拒否

特定事業者は、価格交渉を行う際、特定供給事業者から消費税を含まない本体価格での交渉の申出を受けた場合には、その申出を拒否してはいけません。

⑤ 報復行為

特定事業者は、消費税の転嫁拒否等の行為があるとして、特定供給事業者が公正取引委員会等にその事実を知らせたことを理由として、取引数量を減じたり、取引を停止したり、不利益な取扱いを行ってはいけません。


上記の適用は、平成25年10月1日から平成29年3月31日までとなります。

これらの転嫁拒否行為の問い合わせや相談は、公正取引委員会取引企画課・消費税価格転嫁等総合相談センターなどで受け付けています。

2013年11月18日

税理士登録者の人数

H25.3現在の登録者数は73,725人

H25.3現在、全国の税理士登録者数は73,725人になりました。

この数字を多く感じるのでしょうか?少なく感じるのでしょうか?

全国のコンビニ店舗数が約5万ということを考えると、意外に多いと感じるのかもしれません。

事業者向けサービスが強い業界ですので、小売業などと違って、一般には見えづらい業界ともいえるます。

東京都の税理士登録者数は約2.1万人です。

東京都の信号機数は約1.5万機と言われますから、東京で信号を見かけたら、近くに税理士が1人はいるという勘定です。

もう少し親しまれる努力が必要な業界なのかもしれません。

税理士には3種類

この登録者数は、日本税理士連合会(日税連)の「税理士名簿」に記載された人数です。

税理士は、試験合格者等が実務要件等を満たした後、日税連に備え付けられている「税理士名簿」に登録して初めて「税理士業務」(税務代理・税務書類の作成・税務相談)を行うことができます。

この「名簿」には社員税理士・補助税理士・開業税理士の税理士の区分を記載しなければなりません。

社員税理士は税理士法人の経営者(無限責任社員)であり、開業税理士・補助税理士はその名の通り、個人事業者と補助者という位置づけです。

先程のH25.3登録者数のうち、開業税理士が80.5%、社員税理士が9.1%、補助税理士が10.4%の内訳となっています。

以前は開業税理士が9割を占めていましたが、他の士業と同様に士業の法人化が進みつつあると言えます。

税理士資格の特徴―無償独占業務

また税理士資格は「無償業務独占資格」であるという特徴があります。

公認会計士、弁護士、社労士等の業務は「有償での業務のみ」が独占業務となることから「有償業務独占資格」と呼ばれます。

これに対して、税理士の業務は無償の業務も独占業務となります。

医師、薬剤師、司法書士等もその例に当たります。
 

2013年11月15日

成年後見制度

成年後見制度は、精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力が不十分となった方が不利益を被らないよう保護するため、家庭裁判所に申立てをして、その方を援助する人を付ける制度です。

援助する人のことを、成年後見人等といいます。

成年後見人等は、本人の意思を尊重し心身・生活の状況に配慮しながら、本人に代わって必要な契約を結び、本人の財産を適正に管理します。


成年後見制度には、利用する人の判断能力に応じ、法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。

1.法定後見制度は、既に判断能力が不十分となった場合に利用できる制度です。

家庭裁判所に審判の申し立てをして、成年後見人等(成年後見人、保佐人、補助人)を選びます。

本人の判断能力に応じ、「後見」「保佐」「補助」の3種類があり、それぞれ与えられる権限等が異なります。

2.任意後見制度は、本人の判断能力に問題がないときに、将来判断能力が不十分になった場合に備えて、「いつ・誰に・どのような支援を頼むか」をあらかじめ決めておく制度です。

そもそも、成年後見制度は、社会の高齢化に対応し、平成12年4月、介護保険制度と同時に施行されました。

介護保険の制度を受けるためには様々な契約を締結しなければなりませんので、認知症などで判断能力が乏しくなってしまった方でも福祉サービスが受けられるようにということで、創設された経緯があります。

福祉サービスだけでなく、会社の経営にも様々な契約がつきものですし、相続対策としてご提案したプランの一環で契約の締結が必要なこともあります。

経営者の方々は、正常な判断ができるうちに、不測の事態に備え、成年後見制度をご一考下さい。

2013年11月14日

失業給付を受けるには

雇用保険の失業給付とは加入者が倒産・定年・自己都合等で離職し、再就職までの生活を安定させ、早期に就職できるように支給されるものです。


失業給付(基本手当)の受給要件

基本手当を受けるには、離職時の理由によって、最低加入期間が異なります。

会社 都合退職の場合は雇用保険に加入し、離職の日以前2年間に賃金支払い日数が11日以上ある月が最低6か月以上必要です。

自己都合退職であれば、最低1年以上加入していることが必要です。

基本手当を受ける為には居住地管轄のハローワークへ求職の申し込みをします。

雇用保険に加入していたとしても、失業の状態を確認し、認定を受けなければ給付は受けられません。

失業の状態の確認とは「働く意志及び能力がある」状態を言います。


受給する事が出来ない場合

次の様な場合は原則受給できません。

ア、病気やけがですぐには就職できない

イ、妊娠・出産ですぐには就職できない

ウ、親族の看護等ですぐには就職できない

エ、定年等で離職し、しばらく休養をする

オ、結婚して家事に専念し就職を望まない

カ、家事手伝い、農業、商業等家業に従事

キ、収入有無は問わず自営業をしている。

ク、会社役員に就任している

ケ、次の就職先がある。又は就職した

コ、昼間の学校の学生で学業に専念する

上記のア~エは受給期間の延長申請が有。


給付日数は離職理由と年齢加入期間で決定

基本手当は離職理由と加入期間と年齢により受給日数が異なります。

また、離職した日の翌日から1年間で受給期間は終了することとなっています。

満了日が到来すれば原則受給は終了します。

例えば、自己都合退職をした方で、求職の申し込み後7日間の待機期間終了後には、3か月間の給付制限がかかりますので、申し込みが遅くなると満了日以降受給できないということがあるかもしれません。

基本手当の金額は失業状態にある日について、離職する日の直前の6か月間に支払われた賃金の合計額を180で割った賃金日額のおおよそ45%から80%の間で、賃金の低い人ほど高い率で支払われます。


2013年11月13日

弁護士と税理士業務

表題
弁護士と税理士業務


弁護士は税理士業務をすることができます。

税理士業務とは税務代理、税務書類の作成及び税務相談の事務のことをいいます(税理士法2条1項)。

弁護士法3条2項は「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。」と定めています。

この条文からは特に何の手続もしなくとも、「当然」に税理士業務ができるように読めます。

しかし、税理士法では弁護士が税理士業務をするに際しては2通りの方法があり、それぞれ一定の手続を経なければならないことが規定されています。

①税理士登録をする方法

弁護士は税理士となる資格を有する者として規定されています(税理士法3条1項)。

そこで、税理士試験合格者と同じように税理士会に登録をして「税理士」として税務業務をすることができます(税理士法18条以下)。

税理士登録をするのですから、「税理士」と名乗ることができます(税理士法53条1項)。

ただし、税理士会に入会する際の入会金と毎月の会費を支払わなくてはなりません。


②国税局長に通知する方法

弁護士は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができると規定されています(税理士法51条1項)。

国税局長の許可は必要でなく一方的な通知で税理士業務が可能になることから、弁護士法3条2項を受けた規定であると言えます。

この方法では税理士会に登録しないので税理士会費を支払わなくても税理士業務をすることができます。

ただし、「税理士」と名乗ることはできず、「通知弁護士」又は「通知税理士」と名乗ります。

税理士業務を行う地域ごとに管轄の国税局長に通知しなければなりません。

例えば、東京で税理士業務を行うならば東京国税国長に通知を、埼玉で税理士業務を行うならば関東信越国税局長に通知をしなければなりません。

税理士業務は入力作業等でマンパワーがある程度必要な業務であることから、弁護士業務の傍らで本格的な税理士業務を行っている弁護士はほとんどどいないと思われます。

私も弁護士として国税局長に税理士業務開始通知をしていますが、純粋に税理士業務を行うためというよりは、税務上の不服申立手続(異議申立て及び審査請求)の代理人をする際に必要であるということが大きな理由です。

2013年11月12日

貸倒引当金の縮減

貸倒引当金とは、貸借対照表に計上される売掛金や貸付金等の金銭債権に対する将来の取立不能見込額を見積もったものです。

以前は、すべての法人に貸倒引当金の損金算入の規定の適用がありましたが、平成23年度の税制改正で、貸倒引当金制度の適用対象法人が次の法人に限定されました。

・資本金1億円以下の法人(資本金5億円以上の法人の100%子会社等を除く)

・銀行、保険会社その他これらに準ずる法人

・リース取引に係る金銭債権を有する法人等


平成24年4月1日以降に開始する事業年度から適用されており、適用対象外となる法人については、経過措置により、繰入限度額が段階的に縮減されることになります。

平成24年度  改正前の繰入限度額の4分の3

平成25年度  改正前の繰入限度額の4分の2

平成26年度  改正前の繰入限度額の4分の1

平成27年度~ ゼロ

適用対象外の法人では、これまで以上に「貸倒損失」に該当するかどうかを、積極的に検討しなければならない場面が増えてくるでしょう。


資本金1億円以下の中小法人等については、従来通りとなるため上記改正の影響は生じません。

法人税法上は

①個別評価金銭債権に係る貸倒引当金

②一括評価金銭債権に係る貸倒引当金

に区別し、貸倒引当金の対象となる債権の範囲および繰入限度額の算定方法を規定しています。

繰入限度額に達するまでの金額は、損金経理により繰り入れた場合は、その損金算入が認められ、繰入限度額を超える部分については所得金額の計算上、加算調整が行われます。

①の個別評価金銭債権に係る貸倒引当金を設定する場合は、債務者の状況を的確に把握することが求められます。

特に、会社更生法などの法的手続きによらない場合には、「債務超過の状態が継続」「事業好転の見通しがない場合」「取立て等の見込がない」などの事実認定が必要ですので、より客観性のある資料の準備が重要となります。

2013年11月11日

小規模事業者保護と現金主義

税法の原則・債権債務確定主義とその例外

所得税法では、年末までに現実に金銭等を受領していなくとも、「収入すべき権利」が確定していれば、その年の収入金額に計上することになっています。

従って、実際の金銭等の授受の有無、また、代金の請求の有無とは関係ありません。

しかし、この原則の例外もあります。

償却費等以外については、実際の現金収支の収益と費用だけで所得計算することも認められています。

これが現金主義です。


現金主義の適用と適用外との境界線

現金主義の選択適用者にとっては、ただ現金預金収支のみを管理していればよいので、売掛金や買掛金などを考える必要がありません。

ただ、現金主義を選択する直前年末の売掛金、買掛金、未収収益、前受収益、前払費用、未払費用その他これらに類する資産及び負債並びに棚卸資産、それに各種引当金や準備金の額については、記録を保存しておく必要があります。

その後、現金主義の不適用者となったとき、上記の売掛金等の額と、その不適用最初の年の初日1月1日における同じ売掛金等の額との間に差額がある場合は、その差額はその不適用最初の年の不動産所得や事業所得の金額の計算上、それぞれ総収入金額又は必要経費に算入します。現金主義期間をまたいだ 残高洗い替え方式です。

消費税にもある現金主義

所得税法の現金主義選択適用者は消費税法でも現金主義者になれます。

ところが、消費税法では、現金主義の期間においては、ただ現金預金収支のみを管理していればよい、ということになっていません。

所得税法では、現金主義は小規模事業者への保護規定として、現金主義者に対して寛容ですが、消費税法では、原理主義的不寛容が露わで、現金主義期間の非正規処理を後の現金主義不適用期間に持ち込むことを禁じます。

先の売掛金等の残高洗い替えは、現金主義期間の末日に済ませよと命じています。


現金主義の適用該当者

専従者給与等の適用前の前々年所得が300万円以下で青色申告者であることが選択適用の要件です。

非適用は要件不充足によるものと選択放棄によるものがあります。

所得税で現金主義者でも、消費税ではそれを選択しないことができます。

2013年11月08日

国外財産調書制度

平成24年度の税制改正で「国外財産調書制度」が導入されました。

この制度は、平成26年1月1日以後に提出すべきものから適用されます。


●制度の概要

この制度は、毎年12月31日時点で国外財産を5000万円超保有している者は、その国外財産の種類や価額等を記載した調書を作成し、翌年3月15日までに税務署長に提出しなければならないというものです。

ここでいう財産とは、現預金だけでなく、株式、債券、動産、不動産等、海外に所在するあらゆる財産をいい、債務は含まれません。

平成26年1月1日以後から適用される制度ですので、第1回目は、平成25年12月31日現在において5000万円を超える国外財産を有する者が調書を作成し、平成26年3月17日までに提出します。

(3月15日が土曜日のため、翌週の月曜日が提出期限となります。)


●提出義務者

国外財産調書の提出が必要となる者は、その年の12月31日時点で、5000万円を超える国外財産を有する「非永住者以外の居住者」とされています。

※ 所得税法では、「居住者」及び「非永住者」について次のように定義しています。

「居住者」 …国内に住所を有し、又は現在までに引き続いて1年以上居所を有する個人

「非永住者」…居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人。

つまり、日本国籍を有し日本に住所を有している者はもちろん、日本国籍ではなくても、現在まで引き続き日本に5年以上住所を有している外国籍の方にも提出義務があります。

なお、法人については、この制度の対象外ですので、提出義務はありません。


●財産の評価

国外財産の価額については、その年の12月31日における「時価」又は「見積価額」によって評価します。

また、日本円の換算については、12月31日における「外国為替の売買相場」によることとされています。


●優遇と罰則

(1)優遇規定

「国外財産調書」を提出した場合で、記載がある国外財産について所得税または相続税の申告漏れ等があったときは、過少申告加算税または無申告加算税が5%軽減されます。

(2)罰則規定

「国外財産調書」を提出した場合で、記載のない国外財産について所得税または相続税の申告漏れ等があったときは、過少申告加算税又は無申告加算税が5%加算されます。

また、国外財産調書を提出しなかった場合や虚偽の記載をした場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金とします(情状免除規定あり)。


2013年11月07日

マイナンバー制度と企業の事務

マイナンバー法案が成立
今年の5月に「行政手続きに特定の個人を識別する為の番号の利用に関する法律」が国会で可決されました。

これにより国民一人一人が一つの番号を持つ通称「マイナンバー制度」が実施されることになりました。

マイナンバーはどのように知らせて来るのでしょうか。

予定では2015年秋以降に市区町村長から、住民基本台帳に登録されている人全員に番号を付与し、「通知カード」によって通知されます。外国人の方も住民基本台帳に登録されている人は付与されます。

2016年1月から社会保障関係の手続きや納税に利用されることとなっています。


マイナンバー制度の目的

マイナンバー制度を行政が必要とする理由は社会保障と税の一体化を推進して国民の利便性と行政運営に必要な経費を削減、それを必要な人に必要な保障を行い、給付と負担の適正化が出来るとしています。

現在は国民にマイナンバーを要求できる機関は行政機関、地方公共団体、日本年金機構、医療保険者等に限られています。

今までの住基ネットは主体が自治体であった事や基礎年金番号は年金の為の番号であった等、国としての統一番号が必要であったということがあるようです。


企業が行う事務手続き

制度が導入されると企業では原則として社会保障と税の手続に提出する調書類にはマイナンバーを記載することになります。

例えば社会保険・雇用保険の取得・喪失や報酬月額や賞与額に関する事項、給与支払い報告書や、源泉徴収票にマイナンバーを記載することが義務付けられるので、まず本人にマイナンバーを知らせてもらわなければなりません。

2013年11月06日

犯罪成立の構造

いきなり物騒な話で申し訳ございませんが、人を殺したら殺人罪に問われるということは誰でもご存じだと思います。

でも、厳密には人を殺しただけでは殺人罪は成立しません。

犯罪とは「構成要件に該当する違法有責な行為である」と通説では定義されます。

・構成要件に該当する行為であること。

・違法性を有する行為であること。(違法性阻却事由がないこと)

・責任能力のある者による行為であること。(責任阻却事由がないこと)

この3つを全て満たして初めて、犯罪が成立します。

構成要件とは、刑法を中心とする刑罰法規にて類型化されている一定の犯罪行為の型です。

殺人罪で例えると、刑法199条は「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」と定めています。

行為は「人を殺した」です。

より具体的には、人を殺そうとする「実行行為」と、人の死亡「結果」と、実行行為と結果との間の「因果関係」が必要になります。
刑法38条1項で故意犯処罰の原則の規定があることから、過失により人を殺してしまった場合を除き、故意に(わざと)人を殺した場合に限られます(主観的要件)。

違法性とは、その実質について学者間で様々な議論がありますが、ここでは簡単に、「その行為が法に違反すること」としておきます。

構成要件に該当する行為は原則として違法性を有します。

しかし、例えば、正当行為(刑法35条)や正当防衛(刑法36条1項)や緊急避難(刑法37条1項)は違法性阻却事由です。

死刑囚を死刑に処する行為は、殺人罪の構成要件に該当しますが、法律で認められている合法的な行為(正当行為)なので、犯罪は成立しません。

責任能力とは、一般的に「行為の違法性を弁識し、それに従って自己の行為を制御する能力」のことをいいます。

刑法では14歳未満の者は責任無能力者として扱い刑事責任を問われません(刑法41条)。

また、心神喪失者(刑法39条1項)も責任能力がありません。

飲酒による病的酩酊状態は原則として心神喪失に該当しますが、単なる酩酊状態は通常は責任能力を有すると判断されます。

以上のように、犯罪が成立するには構成要件・違法性・有責性という構造的な要件を満たす必要があります。

報道等で、~罪で有罪判決という見出しがある場合には、構成要件・違法性・有責性という要件を全て満たしたということです。

2013年11月05日

相続税 葬式費用の控除

遺産の相続を受けた場合、遺産が基礎控除以下の場合には、相続税の申告は必要ありませんが、遺産が基礎控除を超える場合には、相続税の申告が必要になります。

平成25年度税制改正で、この基礎控除が6割に縮小されることが決まりました。

現行:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

改正後:3,000万円+600万円×法定相続人の数

平成27年1月1日以後の相続から適用になります。

現状、相続税の申告割合は4%程度となっていますが、この改正により、6%程度に上昇する見込です。

特に、首都圏では影響が大きく、相続税の課税対象者が倍増するのでは、とも言われています。


相続税において控除できるマイナスの財産には、借入金や未払金といった故人の債務のほかに、「葬式費用」も含まれています。

葬式費用は、相続開始に伴う必然的な費用であることから、控除することが認められています。

遺産総額から差し引く葬式費用は、通常次のようなものです。

①死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用

②遺体や遺骨の回送にかかった費用

③葬式や葬送などを行うときやそれ以前に火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)

④葬式などの前後に生じた出費で通常葬式などにかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)

⑤葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用


一方、次のような費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません。

①香典返しのためにかかった費用

②墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用

③初七日や法事などのためにかかった費用

墓石や墓地の購入費用については、被相続人が生存中に購入したにもかかわらず、代金が未払いである場合には、その未払金は債務にはならず、債務控除することはできないので注意が必要です。

墓石や墓地は、課税される相続財産から除外されるため、財産と債務の整合性を図っての取扱いとなっています。

控除額は、特に上限が決まっているわけではありません。

被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用であれば、控除の対象となります。

2013年11月01日

産前産後休業中の社会保険料免除

育児休業期間中は、社会保険料の免除制度はありますが、産休中の取扱いについては未整備でした。

そのため、現制度のもとでは、産前産後の休暇中は社会保険料を払う必要があるということになります。

しかも、産休中はほとんどの会社が給与を支給しませんので、社会保険料を天引きする原資がありません。

そのため、産休に入る前にまとまった額を会社に預ける、毎月社会保険料相当額を振り込む等の、事前の手立てが必要でした。

このほど、平成24年8月の法改正でいつから実施するか未定だった産休中の社会保険料免除が、平成26年4月から実施されることが確定しました。


そもそも産休とは、労働基準法によって定められており、産前産後の休業をいいます。

出産を予定している女性が申し出たときは、出産の日(出産の日が出産予定日後であるときは、出産の予定日)以前6週間(双子以上の場合は14週間)前からは、働かせてはいけません。

また、出産の日後8週間の間も働かせてはいけません。

ただし、産後6週間を経て、本人が希望した場合には、医師が差し支えないと認めた業務に職場復帰することができます。

この、産休期間中の社会保険料が、平成26年4月から免除となります。

社会保険料が免除になるので、いままで打ち合わせていた立替えや振り込みの必要もなくなりますが、日本年金機構への届出が必要となります。


免除の対象となる月は、産休を開始した月から、産休が終了した月の前の月までです。

保険料免除は月単位ですので、その月の月末に産休していれば免除と考えます。

例えば、11月30日は産休期間中で、12月1日から職場復帰したとすれば、11月分までの保険料が免除となります。

逆に11月26日に職場復帰すれば、月末は産休中ではないので、保険料免除は10月分までとなります。


では、少し先の話ですが、平成26年4月よりも前から産休に入っている場合は、どうなるのでしょうか。

この場合は、4月分の保険料から免除されます。

(もともと3月分の保険料までは免除対象ではないので、従来通り保険料を支払います)。

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