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2012年08月 アーカイブ

2012年08月31日

小規模企業共済

小規模企業共済とは、退職金のない個人事業者及び中小企業等の役員を対象とした退職金共済制度です。


・加入要件

加入資格があるのは、常時使用する従業員が20人以下の個人事業主と会社役員や共同経営者などです(ただし、商業やサービス業では5人以下)。

なお、常時使用する従業員には、家族従業員や臨時の従業員は含みません。

また、配偶者などの事業専従者、営利を目的としない法人の役員、給与所得者が副業経営している場合等に該当する方は、加入することができません。

ただし、加入後に従業員が増加してこの要件を満たさなくなったとしても、契約は継続することができます。

・掛金

毎月の掛金は、1,000円から70,000円までの範囲で自由に選ぶことができます。

加入後に掛金額を変更することは可能ですが、減額には一定の要件が必要になってしまうので、無理なく続けられる金額を設定するとよいでしょう。

・所得控除

その年に支払った掛金の全額が、所得控除できます。

掛金月額7万円を支払った場合、所得控除額は年間84万円になります。

・共済金等の支払

以下のような場合に該当すると、共済金や解約金を受け取ることができます。

① 個人事業を廃業したり事業譲渡したとき

② 役員が法人の解散や疾病、負傷によりやめたとき

③ 65歳以上で15年以上掛金を払っている契約者から請求があったとき

④ 任意解約したとき

解約の理由によって、退職所得か一時所得かに分けられます。

ただし、共済金を分割で受け取る場合には雑所得となります。

退職所得に該当した場合には、退職所得控除がありますし、税率も1/2に圧縮されますので、税制上最も有利です。

一時所得に該当した場合でも税率は1/2に圧縮されますので、いずれにしても有利といえるでしょう。

小規模企業共済について詳しく知りたい場合は、下記のホームページを参照ください。

加入した場合の節税効果や、将来の共済金受取額の試算などもできます。

http://www.smrj.go.jp/skyosai/

2012年08月30日

相続分の譲渡

相続分の譲渡は、あまり馴染みの無い言葉ですが、民法にもその規定があることから、相続における遺産分割の一形態として利用されています。

当然、相続財産が未分割であることが前提です。


相続分の譲渡とは

この相続分の譲渡ですが、遺産に含まれる個々の相続財産の持分の譲渡でなく、被相続人の財産の総体、すなわち、現預金、不動産、有価証券といった積極財産と借金や債務といった消極財産を含む遺産全体について、その相続人の法定相続分の譲渡ということになります。

まさに、相続人の地位の譲渡です。

この譲渡は、有償、無償を問いません。

相続分の譲渡は、他の相続人はもちろんのこと相続人以外の第三者に対してもすることができますが、そのほとんどが他の相続人に対する譲渡です。

この相続分の譲渡は、多くの場合、

相続人間での遺産分割協議が、なかなかまとまらず合意に至らなかったとき、

また、早く解決をしたい、

あるいは相続の争いに巻き込まれたくない、

という時に行われます。


相続人に対する譲渡

他の相続人への相続分の一部又は全部の譲渡が行われると、譲り受けた相続人はその相続分が増加し、一方、譲り渡し相続人は、その相続分が減少します。

そして、相続分の譲渡が有償であれば、一種の代償分割ということになり、たとえ、無償であっても遺産分割手続きの一環であることから、贈与課税の問題も生じません。


相続人以外の第三者に対する譲渡

これに対して、相続人以外の第三者に対する譲渡は、譲受人の第三者が遺産分割協議に加わるなどして、複雑な関係を招く可能性があります。

例えば、相続分の譲渡人は、被相続人の債権者から債権弁済の請求を拒むことはできませんし、相続分の全部を譲渡した相続人であっても相続税の申告義務は免れません。

また、相続財産に不動産などが含まれていれば、譲渡所得の申告が必要な場合もあり、その譲渡の申告期限は、譲渡した年分か、それとも遺産が分割された年分か、といった問題など多くの課税上の未解決問題があります。

よほどのことがない限り、相続人以外の第三者に対する相続分の譲渡は控えるべきでしょう。

2012年08月29日

有期労働契約の法改正の動向

全雇用者の3分の1をしめる非正規雇用者

パートタイム、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など、呼称は色々ですが非正規労働者は働き方も様々です。

しかし正社員に比べて賃金等の待遇が不十分な上、雇用も不安定な状況が多いのが現状です。

平成20年秋のリ-マン・ショック時には、多くの非正規労働者が雇止めや解雇をされました。

雇用を支えてきた建設業や製造業でも2業種の就業者はリーマン・ショック前より170万人も減っています。

企業は新興国との競争で人件費の削減を余儀なくされている上、メーカーは工場の海外移転等で空洞化となり、建設業は国の財政難による公共事業の減少で雇用吸収力が無くなっています。


法改正案のポイント

このような雇用状況に是正をかけるために、政府は有期労働契約のあり方を見直し、法改正や社会保険の適用拡大の検討を進めています。

そして労働契約の一部を改正する案が今国会に提出されました。

今回の改正案は労働契約法に新たに次の3条文を加えるものです。

①有期労働契約の期間の無い労働契約への転換

有期労働契約が5年を超えて反復更新がされた場合は、労働者の申し出により無期労働契約に転換させるしくみを作る。

原則として6か月以上の空白期間(クーリング期間)がある時は前の契約期間は通算しない。

また別に定めのない限り従前と同一の労働条件とする。

②雇止め法理の法定

雇止めの判例法理を制定化し、反復更新をしていて無期雇用と実質的に異ならない状態である場合、契約終了後の継続雇用につき、合理的期待が認められる場合は解雇権濫用法理を類推し雇止めを制限する。

③期間の定めがある事による不合理な処遇解消

正規契約の者と労働条件が違う場合、その違いが職務内容や配置換え等を考慮しても不合理なものと認められるものであってはならない。

以上のように雇用する側にも厳しいところがあります。

2012年08月28日

使途不明金と使途秘匿金

使途不明金とは

法人が、交際費などの名目で支出した金銭で、その使途が明らかでないもの、または、使途を明らかにしないものを、使途不明金といいます。

領収証のもらえないリベートや謝礼などがこれにあたります。

また、領収書があっても、何のための支出か、会社の事業と関係がある支出かどうか説明ができなければ、使途不明金となります。


使途秘匿金とは

法人が支出した金銭等のうち、相当の理由なく、相手方の氏名・名称、住所・所在地、事由などが帳簿書類に記載していないものを、使途秘匿金といいます。

対象は金銭だけでなく、贈与・供与などの金銭以外の資産の引渡しも含まれ、理由のはっきりしない貸付金や仮払金なども含まれます。


使途不明金と使途秘匿金の違い

この二つは名称も内容も似ていますが、ある支出に対して、支出先は明らかであるが、用途が不明な支出が使途不明金であり、相手先や事由を明らかにせず、隠す意思のある支出が使途秘匿金となります。

この二つの、一番の違いは課税の仕方です。

支出した金額は同じでも、税負担が大きく違ってきます。

使途不明金の場合は、全額が損金と認められず、損金不算入となります。

よって、その分、課税所得が増加し、納税額が増えることになります。

一方、使途秘匿金の場合、全額損金不算入は、使途不明金と一緒ですが、加えて、支出額そのものに対して40%の追加課税が行われます。

この追加課税は、支出額が課税対象になるため、赤字法人でも納税しなければなりません。

使途秘匿金は、汚職などの違法や不当な支出につながりやすく、公正な取引を阻害することになりかねないため、より厳しい税負担が課されています。

2012年08月27日

社内ゴルフコンペは交際費か?

社外の取引先等を対象としたゴルフコンペにかかった費用は、交際費となります。


では社内の親睦を図る為に社員だけで行うゴルフコンペは、どのようになるのでしょう?

現在国税局は、社内コンペの取り扱いについて、特に見解を述べてはいません。

しかし一般的には以下のように考えられています。

「従業員を対象とする慰安のための社内コンペ代を会社が負担した場合、社内交際費または給与として取扱います。


ゴルフを嗜む人が増えたといっても、一部の従業員しか参加できないと考えるからです。」


社員旅行は一定の条件を満たせば、福利厚生費として認められます。

税務署は、社員旅行の費用について、企業が従業員に与える経済的利益、すなわち給与と考えております。

しかし「少額不追求」を理由に一定の条件で、高額でないものについては福利厚生費として認めています。

少額不追求の主旨で言えば、ゴルフコンペのほうが、社員旅行より少額だと思えます。

社員旅行も社員の50%以上が参加する等条件がついておりますから、社内コンペも時代の変化とともにそろそろ条件付で福利厚生費として扱っても良いのではないでしょうか。

現状で福利厚生費と出来る方法としては以下の2つが考えられます。

① 社員旅行の条件の範囲内で、社員旅行と合わせて行う。

社員旅行に参加してゴルフをしない社員には、同等の金額の観光コース等を用意する。

②社内親睦団体主催で行い、親睦団体には社内規定に則って補助金を支給する。

社内に各種親睦同好会があれば、その同好会の一つとして、ゴルフ同好会を創設することも一つの方法です。


2012年08月24日

インターンシップを導入


●インターンシップとは

インターンシップは、在学中や卒業直後の学生が、企業等で一定期間研修生として働き、自分の専攻や将来の目標と関連した就業経験を行える制度です。

インターンシップを導入することにより、採用のミスマッチが減り、離職率を抑えることができます。

特に、優秀な人材採用が難しい中小企業にとっては、自社の魅力を直接学生に訴えることができるので、効果的です。


●インターンシップに対する支払

インターンは「職業体験」という教育の一環ですから、労働力を期待して雇用するアルバイトとは異なります。

そのため、ほとんどの企業が無報酬で、例えば、交通費のみ支給、交通費+昼食代を支給、というように、社内で設定した基準に基づき支払っています。

報酬の支払があったとしてもごくわずかなのですが、稀にアルバイトと遜色ない額を支払う企業もあるようです。


●注意点

交通費や昼食代等として「実費」を支払う場合は、費用処理して問題ありません。

「報酬」として支払った場合はもちろん給与となりますが、交通費一律○円として支払った場合も給与として扱われる場合があります。

給与扱いになると源泉徴収をしなければならず、その義務は会社が負うことになりますので、注意が必要です。

2012年08月23日

ケアレスミスも重加算税

重加算税とは

国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した場合に課される税金で、増加した本税に対して原則35%。無申告の場合は40%の税金が課されます。

具体例が公表

法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)』(平成12年7月3日付)が発表され、重加算税の対象となる

「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装」

の具体例が明らかにされました。

具体例としては、二重帳簿を作成していたり、帳簿及び書類を隠したり、偽りの記載などをしていたり、税務申告で提出する証明書などを改ざんしたり、偽りの申請で証明書等の交付を受けていた等、意図的に仮装・隠蔽した場合はもちろんですが、簿外資産で役員賞与その他の費用を支出していた場合も含まれます。

簿外資産で役員賞与その他の費用を支出していた場合とは

例えば、少額の売上代金を現金で受領し、売上に計上するのを忘れてしまったような場合が該当します。

売上の計上を忘れた現金は簿外の資産となり、それを社長さんが知らない間に使ってしまった場合は、役員賞与と言うことになります。

実はこういったことは、社長の財布と会社の財布が同じような中小零細企業においては頻繁に見受けられます。

お店できちんとレジを打たないで小売をしているような場合、忙しいときに、集金が来たので、レジから現金で支払って、その領収証をレジに入れておけばよいものを、自分のポケットに入れ、足りないままのレジの現金をその日の売上としてしまった。

一見面倒でも、ルールや管理をきちんとしないとこういったことが起こります。

税務調査で一件でもこういった事例が見つかると、もっとあるのではないかと疑われ調査も長引きますし、気分も悪くなります。

悪意が無く、単なる間違いでも重加算税の対象となりますのでご注意下さい。

2012年08月22日

よい計画、よい実行

「計画」とは、予め到達すべきゴールが決まっている事柄を効率良く達成するために、仕事の段取りを立てることをいいます。

この段取りのうまさと計画通り実行する能力次第で、目標達成プロセスの効率が変わり、スピーディーに目標が達成される場合も、逆に最悪の場合は目標が達成できず、利益獲得のタイミングを逸することもあります。


良い計画とは

「良い計画」には次のような特徴があります。

①計画を立てる与件として、「達成すべき仕事の目的・成果イメージ」が明確であり、リーダー及び実行担当者が理解している。


②スタートからゴールまでの仕事の流れに沿って、必要な作業の細分化・リストアップされている。

(目標を達成したい期間が数日の場合は、2時間単位の仕事の流れに沿った細分化を原則とし、期間の長短に応じて細分化の単位を変える)


③細分化した仕事を実行順序に従ってチャート化(図示)する。

複数の実行担当者がいる場合は並行作業を計画できるので、達成までの期間が圧縮できる。


④実行担当者が、必要な作業の細分化、所要時間見積もりなどに参加している。


⑤リーダーとメンバーが計画に基づく目標達成に高い意欲を持っている。


計画・実行における経営者の留意点

重要な計画、例えば経営戦略目標を達成する計画などの場合、経営者はその計画、実行、目標達成の流れのポイントで関与して行くとよいでしょう。


①目標達成に参加する計画・実行担当者(リーダーとメンバー)の人選に注意する。

特に経営者が信頼し、メンバーからも信頼される人格・積極性・関連分野の専門性をもつリーダーの人選と承認が重要


②チームが達成すべき仕事の目的・成果イメージを十分理解できるよう、経営者の説明・質疑応答の場を設ける。


③チームが立てた計画を承認し、実行プロセスで関心を示し、達成意欲の維持、向上を図る。


④目標を達成したときは、「祝い」の場を設けるとともに、表彰・特別賞与などで報いる。

2012年08月21日

交際費等の範囲

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。

企業が事業を営むにあたって、交際費を支出することは不可避であると考えられます。

従って、会計上、交際費の支出が費用となることについては、特に問題はありません。

ただし、税法上は、「資本蓄積のための冗費節約」という理由で損金に算入できない経費として扱われています。

規定された当時は、交際費名目で支出しても、その分は課税されてしまうため、交際費を節約し、利益を増やし、資本を充実させるという意味合いがありました。

現在は、交際費の濫用は認めずに、税収を確保するという意味合いが強くなっています。


交際費等の範囲ですが、寄付金、広告宣伝費、福利厚生費、給与等の性質を有するものは、交際費等には含まれないとされています。

また、次の費用については、交際費等から除かれます。

① 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用

② 飲食のために要する費用で、その支出する金額が、ひとりあたり5,000円以下である費用

③ カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他のこれらに類する物品を贈与するために通常要する費用

④ 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用

⑤ 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用


資本金1億円超えの法人、資本金5億円以上の法人の100%子法人等は、交際費等の全額が損金不算入となります。

資本金1億円以下である法人は、定額控除限度額600万円までは、支出した金額の10%が損金不算入、限度額600万円を超えた場合は、600万円の10%と限度額を超えた分の金額が損金不算入となります。

また、その費途が明らかでない使途不明交際費については、資本金の額にかかわらず、支出額の全額が損金不算入となります。

2012年08月20日

ガールズバーと風営法

風営法違反で摘発件数急増中

今年に入り、ガールズバーが風俗営業法違反容疑(無許可営業)で摘発される事例が相次いで報道されています。

これまでも、中学生や高校生を雇用していたガールズバーが、労働基準法違反で摘発された旨の報道はされてきましたが、最近になり風俗営業許可を取らずに女性従業員に「接待」させたという風俗営業法(以下、風営法)違反での摘発が増加傾向にあるのが特徴的です。


ガールズバーは風俗営業か

風営法では、「料理店、カフェ」などの設備を設けて「客の接待」をして飲食等を行わせる営業などを風俗営業とし、公安委員会の許可を得なければならないとしています。

この法律に言う接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と規定されており、一般的にはキャバクラのように女性従業員が客の隣に座り談笑するといった行為が接待に当たります。

しかし、この接待という言葉の定義は運営上非常に曖昧なものです。

平成14年に警察庁が公表した解釈運用基準では、接待の判断基準について「継続して談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供」することは接待に当たるとしていますが、

「カウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為」は接待に当たらない

としており、この点ガールズバーはあくまでバーテンダーが女性従業員中心のショットバーであるため、風俗営業許可を取らないでも良いとの認識が多くの事業者の間で通っていたのが実情です。


法解釈の認識と営業実態のずれ

こういった基準の存在もあり、言葉を拡大解釈して抜け穴的に経営してしまうケースも後を絶たなかったわけですが、今回の摘発増加からは、カウンター内であっても実態として「継続して談笑の相手」になっている以上風営法に言う接待であると、その曖昧さに歯止めをかけようとする動きが伺えます。

法律上の用語は一般に利用される表現とかけ離れたものが多く、施行後運用していく中で認識のずれが露呈することは少なくありません。

そのずれを解消するため、追って出されるのが解釈基準や通達ではありますが、ここに、後出しされる法解釈との難しさを感じます。

2012年08月17日

無断欠勤と懲戒解雇

正当な理由がなく無断欠勤した場合

会社に届け出や連絡もせず、欠勤することは、企業活動に悪影響を及ぼします。

これは就業規則等で定めてあれば懲戒の対象となります。

ただ就業規則には、「無断欠勤があった場合は懲戒と記載してあったとしても、日数が明記していない場合、何日以上の欠勤で解雇できるのか」という問題があります。

労働基準法第20条では「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に労働基準監督署長の認定を受ければ解雇予告の除外が出来るとしています。

どのような時に認定されるのでしょうか。

認定事由には次のようなものがあります。

本人の責に帰すべき事由による解雇とは

①原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等の刑法犯に該当する行為のあった場合

②賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合

③雇い入れの採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合

④他の事業場へ転職した場合

⑤原則として2週間以上正当な理由なく、無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合

⑥遅刻や欠勤が多く、数回にわたって注意を受けても改めない場合


就業規則の運用

就業規則に懲戒解雇事由となる無断欠勤日数を明記していない時は、「1日の無断欠勤であっても解雇できるかどうか」となると、

同法16条において「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」となっているので、

前記⑤の認定の理由を見てみれば、無断欠勤による懲戒解雇は「2週間以上」が一応目安となります。

この間に出勤の督促を行うことも解雇の条件とも言えるでしょう。

欠勤期間の長さだけでなく、どのような理由で届出がなかったのか、正当な理由はあるのか、会社に実害があったか等も考慮して解雇手続きは慎重に行いたいものです。

就業規則には、欠勤日数の明記はもちろんですが、本人と連絡が取れず、意思が確認できない時は一定の期間終了時には自然退職と規定しておくとよいでしょう。

あとから本人が出社してきて、退職の異議を申し立ててきたような、トラブルの防止策として有用性があります。


2012年08月16日

地方消費税の基礎知識

地方消費税とは

消費税の増税が物議をかもしておりますが、現在の消費税5%は、消費税4%と地方消費税1%の合計で5%となっています。

したがって消費税は、正確には「消費税等」と記され、この等にあたる部分が地方消費税です。

地方消費税は、地方税法に基づき課される税金で、国の消費税額の25%となっておりますので、4%×25%=1%と言うことになるわけです。


消費税率引き上げではどうなる

内閣が閣議決定した「社会保障と税の一体改革大綱」では、今後消費税率が8%になった場合は、地方消費税は、消費税額の25%ではなく、消費税が6.3%で、地方消費税は1.7%となります。。

消費税率が10%になった場合には、消費税が7.8%で、地方消費税は2.2%となり、かなり複雑な税率になってしまいます。

さらに現在も、国の消費税4%のうち、1.18%が地方交付税として、地方消費税と合わせて都道府県に分配されております。


地方消費税の清算

地方消費税は本来、消費された地域に納める税金ですが、実務上は納税義務者(会社や個人の事業者)の国税の納税地に地方消費税も合わせて納付されますので、最終消費地に税収を帰属させる為に、都道府県間で清算が行われます。


清算の方法

都道府県間の清算は、6/8が小売年間販売額(商業統計)とサービス業対個人事業収入額(サービス業基本統計)の合計額により、1/8は人口(国勢調査)により、のこり1/8は従業者数(事業所・企業統計)により按分されて清算します。


市町村は

各市町村へは都道府県の清算後の税収の1/2が、人口と従業者数の比で交付金として交付されます。

2012年08月15日

高齢者の就業意欲

年金支給開始引き上げと雇用確保措置

厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、無年金、無収入の人が出ない様に希望者全員が65歳まで働ける雇用確保措置を取るよう法で定めています。

現在は8割以上の企業は継続雇用制度を導入しています。

背景に年金の定額部分の支給開始年齢の引き上げがあり、今後報酬比例部分の支給開始年齢も引き上げられ、60歳代前半の年金給付が無くなる状況では、就業継続を希望する人はさらに増加するでしょう。


半数以上が65歳以降も仕事をしたい

厚生労働省が発表した調査によると、現在就業している60歳から64歳の人のうち56.7%は65歳以降も仕事をしたいと考えています。

仕事はしたくない16.6%、考えていない26.7%となっています。

仕事をしたいと回答した人の現在の就業状況は、

自営業者、家族従業員が78.1%、

会社団体の役員は56.7%

と高く、

正規従業員で49.8%、

アルバイト等46.5%で、

派遣・嘱託でも45.6%

となり、半数近くが就業継続を望んでいます。


その理由としては、生活のためである一方、

健康維持30.2%、

今の仕事が好き24.2%、

社会とのつながりの維持23.8%、

と社会性を求める意見も多くあります。

実態は生活費について、50歳代のころは年金で賄う予定であったものの、60代前半になると働いた所得のある人が70.9%と、現実には働く必要があったということでしょう。


高齢者の就業意欲も活かし若者にも雇用を

元々日本の高齢者の就業意欲は欧米に比べると高いと言われていますが、欧米では1970年代以降60歳代前半になると6割から8割が労働から引退していた時期が続いていました。

失業率の高い若者の雇用機会を増やす目的でありましたが、結果として社会保障給付が増え、雇用全体が減らされ、若年失業率は下がらず1990年代には政策見直しを迫られました。

日本も年金支給開始年齢が上がると継続就業を希望する人は増えるでしょう。

高齢者の働く意欲を活かすには年功的雇用管理をやめ、時代の変化に対応できる能力の開発も欠かせないことでしょう。

また、高年齢者の就業が若年者の雇用機会を奪うことのないように国も企業も取り組むことが求められるでしょう。

2012年08月14日

管理技術の効用

「固有技術」と「管理技術」は経営管理において「車の両輪」と言われ、利益の確保、増大の重要な役割を担っています。

「固有技術」とは、

例えば、溶接技術・メッキ技術などモノづくりの基礎的技術で、企業個別の不可欠な技術であるのに対して、

「管理技術」とは

企業が生産するモノやサービスの質・量・コスト・生産性・スピードを維持・改善したり、戦略策定など経営を前進させるために必要な普遍的技術で、

「品質管理」「能率向上」「戦略策定」などが伝統的に活用されています。


「管理技術」を活用しない機会損失

「固有技術」に自信を持っている企業は、同業他社に負けない技術を保有するだけに、「管理技術」の活用を軽視し、ともするとそれらを活用しないことによる機会損失が生じている可能性があり、注意を要します。

例えば、

製造業でメッキ加工の優れた「固有技術」を持ちながら、不良率を低減する品質管理の「管理技術」活用が不十分であるため、損失を最小化することができなかったり、

業績向上を図る戦略的経営計画策定・推進の「管理技術」を知らないため、自社の「強み」を「機会」に活用できず、業績向上の機会損失が生じている

といったケースです。

「固有技術」と「管理技術」を結びつけて新しいサービスの価値を顧客に提供する戦略に取り組むか否かは、例えば「マクドナルドのクーポン戦略」の成功に見られるように、大きな利益獲得機会の確保に直結し、取り組まないと機会損失が生じます。


経営者主導の「管理技術」活用

「管理技術」活用の原点は、自社の「固有技術」が、商品・サービスのカタチになって、より多くの顧客に歓迎され、業績向上をもたらすようにすることです。

従って、業績を改善するために製品を改善すべき点はないか、

今不足している顧客サービスは何か、

画期的なサービスレベルの向上、

不良率の低下

など、損失を減らし、利益を高める経営者の問題意識が出発点です。

社員にその解決に役立つ「管理技術」を探し、自社の「固有技術」と結びつけた使い方を勉強し、検討してもらうのです。

このような経営者主導の「管理・改善の目的」に応じた「管理技術」を使いこなす努力が差別化に繋がります。

2012年08月13日

サラリーマンへの税務調査

任意といえども強制

税務調査は任意調査といえども法律に基づいて、強制的になされます。

税務署には「質問検査権」と言うのがあります。

各税法に「必要があるときは・・・質問し・・・検査することができる」と明記されています。

しかも納税者が、税務署員の質問に対して答弁しなかったり、税務署員の帳簿検査について帳簿を見せない等の拒否や妨害をした時は、「1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」と言う罰則が規定されています。

これを納税者の受忍義務といいます。

受忍義務とは、文字通り受けて耐え忍ぶ義務です。

受忍義務はどこまで

「ではどこまで、受けて耐え忍べば良いのでしょうか?」と言う質問に対する明確な回答はありません。

税務調査の方法については国税通則法等にも明文化されていません。現場の調査担当者や責任者の判断に委ねられております。

受忍義務はありますがあくまで任意調査ですから、調査の日時や時間は、最大限納税者の便宜を図るよう要求できます。

しかし土・日・祝日は調査を行いません。


サラリーマンはどうするの

サラリーマンでも相続税や不動産所得や土地の売却等の所得があった場合は往々にして調査があります。

税務署は、土日祝日は調査を行いませんので、平日にお願いしてきます。

しかしサラリーマンは平日は仕事です。もし調査に応ずるなら有給を取るしかありません。

しかし税務署もそこまでの受忍義務の強要はしておりません。

多くの場合は税務署にお願いされると、有給を取って調査を受けているのが現状です。

対応策としては、平日に資料を用意して代理人(税理士や配偶者等)を立てて調査を行ってもらい、本人でないとわからないことは、昼休み等に電話でやり取りすると言った方法が検討されるでしょう。


2012年08月10日

固定資産の除却

固定資産の除却とは、会社の資産を廃棄業者に引き取ってもらうなどをして、廃棄することをいいます。

原則は、廃棄した日付でその資産を固定資産台帳から除くとともに、除却損を計上します。

廃棄業者から廃棄証明書を発行してもらうことで、

その資産が確かに除却されたということを証する根拠となります。

例外(有姿除却)

しかし、資産を廃棄する場合、物によっては多額の費用がかかることがあります。

そのため、なかなか廃棄処分に踏み切れないケースもあるようです。

そのようなときは、例外として税務上認められている「有姿除却」を活用します。

有姿除却の要件

会計上、有姿除却として処理をすると、その資産を廃棄していなくても、帳簿上から除き、除却損を計上することができます。

ただし、次に掲げるような場合に限られます。

①使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がない場合

②特定の製品を生産するための金型等で、その製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性がほとんどない場合

ただし、一時的に使用していないだけの場合や、保守整備を行っておりいつでも使用できる状態にしている場合などは、今後も使用する可能性がありますので有姿除却はできません。


注意点

まだ資産として存在しているのに除却損を計上するのですから、その根拠となる資料を整える必要があります。

税務調査時に、有姿除却の処理をするに至った経緯や理由が説明できるよう、稟議書や取締役会議事録を残し、詳細を記載しておくとよいでしょう。


除却損の計算

除却損の金額は、帳簿価額-処分見込価額(廃材や鉄くずとしての売却価額等)となります。

有姿除却は、機械装置のような資産だけでなく、ソフトウェアにも使えます。

一度、台帳に記載されている資産の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

2012年08月09日

許認可・届出不要事業の落とし穴

許認可がいらないエステティック業

会社で行う事業の中には、許認可や届出を行うことが営業要件になっているものもあり、こうした許認可の取得は事業を開始する上では一つのハードルになります。

これに対し、エステティック業は基本的に許認可や届出を必要とせず、一人での運営やマンションの一室を利用した小規模なサロンの開業ができることから、特に女性からの人気が高い業種の一つです。

しかしこうした許認可が不要な事業であっても、競合他社との差別化や消費者の様々なニーズに応えるため施術メニューを増やすなどして、結果的に他の許認可事業に触れてしまわないよう注意が必要です。


エステと他の許認可事業の狭間

①理容業・美容業

近年の厚生労働省の見解によれば、美顔施術について「当該施術が容姿を整え、又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いる等業を行うに当たって公衆衛生上一定の知識を必要とするような場合には、理容師法又は美容師法の対象となる」としています。

エステと理美容業の関係については以前から疑義が唱えられていますが、この見解によればフェイシャルエステとの境界が気になるところであり、コンプライアンスを求められる大手サロンでは理美容師資格の取得をすすめているのが現状です。

②公衆浴場営業

公衆浴場を設置・営業するには都道府県知事による許可が必要です。

公衆浴場にはいわゆる「銭湯」だけでなく健康や美容の増進を目的としたサウナ等も含まれ、エステサロンで熱気や熱砂、熱線、泥風呂を使ったサービスを行う場合にはこの営業許可を受けなければなりません。

意外なところに落とし穴

営業に十分な注意を払い問題なく運営が行われており、自分たちでは許認可の必要がない事業と認識していても、思わぬところで損害を被る可能性もあります。

たとえば融資を申し込む際、事業内容と事業計画の提示は必須です。

このとき客観的に他の許認可事業と抵触していると認められてしまった場合、適正な運営を行っていないとされ融資が下りないこともあります。

エステティック業以外にも、現段階では特別なルールや法規制の対象とならない業種は無数に存在しますが、既存の他制度や法との抵触性はサービスを多様化、創設させる上で非常に悩ましい問題です。

2012年08月08日

契約社員やパートの育児休業の取り扱い

正社員でない人の育児・介護休業

育児・介護休業法の改正で従業員100人以下の企業にも

①短時間勤務制度

②所定外労働時間の制限

③介護休暇の適用

を受けることとなりましたが、労働期間の定められた契約社員やパートタイマー等はこの対象者となるのでしょうか。

この場合は期間雇用者であっても一定の範囲の人が対象者となります。


期間雇用者の育児休業

一定の範囲の期間雇用者とは申し出時点において以下の全ての要件を満たすものです。

①同一の事業主に継続して雇用された期間が1年以上であること

②子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用される事が見込まれること

③子が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がない事が明らかでないこと


 
以上の点から見た上で、さらに期間雇用の契約を取っていても、その契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態となっている場合には、上記の育児休業の対象になります。


適用除外者

一方、育児休業の適用とならない者は、

①日々雇用される労働者

②一定の労働者について育児休業できないとする労使協定を結んだ場合

この場合の一定の労働者とは次のような場合を言います。

ア、同一の事業主に継続して雇用された期間が1年未満の者

イ、休業の申し出から1年(1年6か月までの休業の場合は6か月以内)に雇用関係が終了することが明らかな者

ウ、週の所定労働時間が2日以下の者

 
以上のように期間雇用者であると言うだけで休業が取得できないわけではありませんが、期間更新等が明らかでなく休職中に雇用期間が切れてしまうような場合は話し合いで取得の有無を決めることもできます。

以上は労働時間の短いパートタイマーでも同様の扱いになります。

2012年08月07日

労働保険の加入

労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。

従業員を一人でも雇っている場合、労働保険に加入する義務があります。


★ 労働保険

仕事中や通勤途中のケガ等のために給付される保険です。

労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。

正社員、契約社員、パートなどの雇用形態のいかんを問わず、すべての従業員が加入の対象となります。

ただし、代表者、青色専従者などは、対象となりません。

加入のためには、労働基準監督署に保険関係成立届を提出します。

ひとりひとりの加入や脱退の手続きは必要ありません。

保険料の納付は、年に1度、対象期間中の賃金の総額に保険料率を乗じて計算した金額を申告します。



★ 雇用保険

失業した時、雇用の継続が困難となった場合に再就職の促進、雇用の安定のために給付される保険です。

失業の予防、労働者の能力開発及び向上、その他労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。


雇用形態のいかんを問わず、以下に該当する従業員はすべて加入対象となります。

・1週間の所定労働時間が20時間以上であること

・31日以上継続して雇用が見込まれること

・65歳に達した日以後に、新たに雇用される者でないこと


法人の役員は雇用保険に加入できませんが、使用人兼務役員など、従業員としての身分を有する場合には、加入できることがあります。

加入の際には、ハローワークに、雇用保険適用事業所設置届、雇用保険日保険者資格取得届を提出します。


労災保険、雇用保険はそれぞれ管轄が異なります。

また、厚生労働省のホームページから電子申請もできます。

管轄窓口で手続きをする場合は、雇用保険の加入に労災保険の書類控えが必要となりますので、まずは、労働基準監督署で労災保険の手続きを行いましょう。

雇用保険は、加入条件に当てはまる従業員がいなければ、手続は不要です。

保険料の一部を会社、事業主が負担する形になっているため、加入していない会社などもあるようですが、法律上は義務化されていますし、従業員のためでもありますので、加入をお勧めします。

2012年08月06日

成果主義賃金制度の注意点

企画職・専門技術職など知識労働者について、経営者の期待は、「知的労働の質と創造的発想、仕事の効率的方法によってCS(顧客満足)と利益を高める良い企画や製品開発・生産技術開発などの成果をスピーディーにあげること」にあります。

成果主義賃金の問題点

ところが、成果を評価し、賃金を支払う場合、経営者の意図に反して好ましくない問題が発生します。

すなわち、多くの企業が最近10年前後に、成果主義賃金を導入した結果、次のような問題を体験したことが知られています。

①「成果」が求められているため、担当者本人も上司も「成果」を強く意識するあまり、プロセスでの職務遂行能力の発揮の仕方を軽視するようになった。

②チームで取り組んだ仕事の成果について、一部の目立ちやすい担当者ばかりが高い評価を受け、目立たない下積みの協力は評価されない不公平が生じた。

③目標達成度評価を高くするため、目標レベルを意識的に低く設定するようになった。

④新しい業務領域を担当すると、初めは高い成果が得られにくいため、新しい仕事にチャレンジしなくなったり、そのための人事異動を避けるようになった。


問題を解決する経営者の留意点

問題解決のカギは次の通りです。

①知識労働者の人事賃金制度を設計する場合、「成果」で考課するのは管理者・同相当の専門職とし、育成過程にある社員は「成果及び発揮能力」等で考課する。

また、管理者の考課項目に部下の育成実績を設け、育成努力の手抜きを防ぐ。


②チームで取り組む業務の場合、その目標達成やプロセスの職務遂行能力発揮について、リーダーがチームメンバーの相互評価などを参考とすることにより、メンバーの貢献実績考課を公正に行う。

③社員の社内階級に応じた役割・期待貢献を明確に設定・公開し、考課する。

④新しい業務領域にチャレンジしたり、新分野へ積極的にチャレンジする異動を高く評価する。

2012年08月03日

車の売却や購入時の消費税

消費税法では、国内において事業者が行う物の販売と役務の提供及び外国貨物の輸入に消費税を課することになっています。

対価の額について

消費税について、課税標準額の計算に用いるのは、課税資産の譲渡等の対価の額です。

車の売却に際し、対価の額は「売却損益」ではなく、「売却収入」について考える必要があります。

また、車の買い換えの時に中古車両を下取りに出し、下取り金額と新車の購入代金とを相殺して購入することがあります。

この場合も中古車両の下取り金額を課税売上高として処理します。

一方、新車の取得については、下取り金額を差し引く前の金額で課税仕入高を考えます。

つまり、消費税を考える場合、「所得」ではなく「売上」を基準に計算をする事に注意する必要があります。

自動車税の清算金について

自動車税は、毎年4月1日の自動車の所有者に対して翌年3月31日までの税金が課税されます。

中古車両を売買する場合に、自動車税が売り手と買い手の間で清算が行われることがあります。

これらの清算は商慣行として行っているだけで、法律として定められているものではありません。

そのため売り手は租税公課(自動車税)のマイナスの処理にするのではなく、中古車両の対価の一部として取り扱われることになり、自動車税の清算金は「課税売上高」として処理します。

一方、買い手の側の自動車税の清算金は「課税仕入高」として処理します。

ただしこれらの処理の考え方を疑問とする意見もあります。

「個人事業者が事業に付随して」対価を得て行う車の売却

個人事業者が、事業に付随して対価を得て車を売却した場合、事業所得ではなく譲渡所得となりますが、売却した車両についても消費税の申告をすることになります。

2012年08月02日

納税準備預金

納税準備預金は、普通預金や定期預金などと同様、金融機関の口座の種類の一つです。

個人及び法人が利用でき、国税や地方税の納税用資金を預け入れるための預金です。

【メリット】

・預金利息から通常20%天引きされている税金が引かれません。

つまり、利息は非課税です。

・一般的に、普通預金に比べて利率を高めに設定しています。

【注意点】

・預け入れはいつでも可能ですが、引出しは原則として納税に充てる時に限ります。

・納税目的の引出しかどうかの確認があるため、納付書、納税告知書などの書類を提出する必要があります。


 そのため、窓口で手続きをします。(税金の自動振替口座に指定することも可能です。)
 
納税目的以外で引出すこともできますが、その場合には預金利息が課税扱いとなります。

納税資金を計画的に積み立て、運転資金とは切り離しておく習慣をつけておけば、納税時期にあわてることもなくなります。


納税用の口座を作ってみようかとお考えの際は、納税準備預金の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

2012年08月01日

扶養の条件

扶養の範囲内で働くかどうか、悩む状況があると思いますが、所得税と社会保険で、その基準が異なります。


所得税

その年の1月から12月までの合計所得金額が38万円以下(給与収入103万円以下)であれば扶養に入れます。

配偶者の場合は、年収103万円を超えても、141万円までなら、配偶者特別控除が受けられますので、手取りは減らないようになっています。


社会保険

年収130万円未満(60歳以上または障害厚生年金の受給者は180万円未満)であり、原則として、被保険者の年収の半分以下であれば、被扶養者となれます。

社会保険で言う、年収130万円というのは、所得税と違い、いつからいつまでという期間はありません。

過去の収入は考慮に入れず、今現在の収入のことです。

月収で考えると、今現在の月収が、130万円を12か月で割った約108,333円以下であれば、被扶養者になれます。

会社を退職した場合など、今月の収入がなければ、すぐに、被扶養者になることができます。(失業給付受給中は、扶養に入れません)


年収が130万円以上になると、国民健康保険、国民年金にそれぞれ加入することになります。

国民健康保険料は、前年の所得に応じた保険料、国民年金は月額14,980円の保険料を納付することになります。



所得税については、被扶養者の年収増加分を上回ることはありませんので、働き損ということはありません。

社会保険に加入することになる場合は、160万円程度まで年収が増えれば、保険料の負担分を上回ることができるでしょう。

将来の年金額、会社から支給される家族手当なども、総合的に考えて検討してみてください。

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